パーマ液の基本をおさらいしよう|含まれている成分やパーマの種類を強い順に紹介

パーマにはさまざまな施術方法があり、その組み合わせによって髪の仕上がりも大きく異なります。また、それぞれのパーマで使うパーマ液も異なるため、お客様に理想のヘアスタイルを提供するためにも、パーマ液に関する基礎知識を身に着けておきましょう。

ここでは、パーマ液の成分の特性や、パーマの施術方法について詳しく解説します。

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パーマ液の基本をおさらいしよう

パーマで使用する薬剤には「1剤」と「2剤」があり、1剤の役割は、髪を柔らかくしてカールをつけやすくすること、2剤の役割は髪の形状を固定することです。1剤と2剤に含まれる成分やそれぞれの役割について解説します。

1剤

1剤はおもに、髪のタンパク質のシスチン結合を一時的に切断するために使用されます。1剤に含まれるアルカリがシスチン結合を切断すると、髪のタンパク質が柔軟になり、新しい形状(カールやウェーブなど)を作りやすくなるのです。

1剤に含まれる主成分は、チオグリコール酸とシステインで、美容師のあいだでは「チオ系」「シス系」と呼ばぶことも。1剤にはそのほかに、アンモニア水、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、モノエタノールアミンなど多様なアルカリ成分が含まれています。

2剤

1剤で切断されたシスチン結合を再び形成し、髪の形状を確定させる役割を果たすのが2剤です。同時に髪を保護し、ダメージを最小限に抑える効果があります。2剤はおもに酸性成分が含まれており、主成分は臭素酸ナトリウム(ブロム酸ナトリウム)と過酸化水素水です。

臭素酸ナトリウムは、シスチン結合を再び結びつけて、カールやウェーブの形状を確定させる効果があります。一方、過酸化水素水は酸化作用を持ち、髪のタンパク質の再酸化反応を促進してシスチン結合の再形成をサポートするのが主な役割です。

パーマ液に含まれている成分について知っておこう

パーマ液にはさまざまな種類があるため、含まれる成分の特徴やメリット・デメリット、適切な使用法をしっかりと理解しましょう。ここからは、パーマ液の成分の特性と、髪の質やスタイルに合わせた最適な選択肢について解説します。

チオグリコール酸

チオグリコール酸は、おもにパーマの1剤として用いられる還元剤です。強力なカーリング効果をもたらし、かたい髪質や太い髪質の方でも、しっかりとしたカールやウェーブを形成することが可能になります。

異なる髪のタイプやテクスチャーに対して使用できるため、比較的オールマイティに使える点がメリットです。髪の長さやタイプに合わせてカスタマイズでき、個々のお客様の要望に合わせたスタイルが実現できます。ただし効果が強力な分、髪へのダメージが強くなる点には注意が必要です。

システイン

システインは、パーマ液に含まれる成分のなかで髪への負担が比較的少ないとされています。システインは髪の内部構造を比較的穏やかに変化させるという特徴を持ち、ふんわりとした髪型や自然なウェーブを作り出すことが可能です。

髪への負担が少ない性質から、髪が細い方や柔らかな髪質の方が、しっかりとしたカールを出したい場合やボリュームのある髪型を作りたい場合に適しています。一方で、髪質がかたい方にシステインを使用すると、うまくカールがかからず施術が失敗する可能性があるため、注意が必要です。

システアミン

システアミンは、髪の内部に浸透しやすいという特徴を持ち、少量でも高い効果を発揮することが期待できます。また、チオグリコール酸やシステインといったシス系のパーマ液に比べて髪に負担が出にくいのもメリットです。

システアミンは髪へのダメージを抑えつつも、しっかりとしたカールを実現できるため、取り扱いが便利なパーマ液といえます。高い浸透力を持つシステアミンは、カラーリングを施した髪の強度を補強し、髪を保護する役割も期待できるため、カラー毛の人に向いているパーマ液です。

スピエラ

スピエラは、近年登場した新しいパーマ液で、ノンアルカリで酸性の特性を持つため、主要なパーマ液のなかでもとくに髪への負担が少ないとされています。さらに、チオグリコール酸やシステインに比べて、髪に浸透しやすいのが利点です。

髪へのダメージがほとんどないとされるため、髪や頭皮が弱い方、深刻なダメージを受けた髪の方、猫毛のように細い髪質の方などに適しています。一方で、非常に強いにおいがあるというデメリットがあるため、使用する際にはにおい対策が重要です。

チオグリセリン

チオグリセリンは、低アルカリ性で中間的な性質を持つパーマ液で、スピエラに近い効果を発揮します。大きな違いは、その保湿力の高さです。「グリセリン」という成分は、化粧品の保湿剤としても使用されており、この保湿効果によって髪に重みが加わる特性があります。

この保湿力の高さから、乾燥した髪に対してよく用いられるほか、髪に重みを出す効果があるため、毛先に重みを持たせたい方や、カールよりも下に流すロングヘアスタイルの方に適しているパーマ液です。

サルファイト

サルファイトは、アルカリ性の特性を持ちつつも、髪に対する作用が比較的穏やかなパーマ液になります。シス系などほかのパーマ液よりも髪へのダメージが少なく、加温すればカールもしっかり出るのがポイントです。スピエラなどと異なり、パーマ液特有の強いにおいがありません。

髪への負担が軽いため、ダメージを受けた髪の方や、髪をふんわりとした質感にしたい方、より柔らかな手触りを目指す方に向いています。ただし、浸透力が低めなため、カールやウェーブの持ちがあまりよくないという点には注意が必要です。

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パーマの特徴をかかり方の強い順に紹介

パーマにはおもに「チオ系」と「シス系」という2つのタイプがあり、施術の方法は「加温式」と「コールド式」に分けられます。これらの異なる方法によって、髪の質や希望するスタイルに合わせて最適な選択肢をみつけることが可能です。

以下では、それぞれの方法をパーマの効果が強い順に説明します。

チオ系加温式

チオ系加温式パーマは、チオ系の薬剤を使用したパーマのひとつです。チオ系薬剤は本来、強いリッジ(カール)が生じる特性がありますが、加温することでさらに浸透しやすくなるという特徴があるため、かたい髪質のほうがしっかりとしたカールやウェーブを希望する場合などに向いています。

チオ系の薬剤のなかで、とくに保湿力が高いという利点があるのが、加温用に調製されたものです。そのため、髪のパサつきやダメージがある方、パーマがすぐに持続しない方、髪に艶を出したい方にも適しています。

チオ系コールド式

チオ系コールド式パーマも、チオ系の薬剤を使用したパーマの一種です。この方法では、室温の状態で薬剤を使用し、髪の内部の結びつきを変化させてカールを形成します。熱を使用しないため、髪に対する負担を軽減することが可能です。

チオ系の薬剤を使用しているため、シス系ではウェーブやカールが出にくい髪質の方に向いており、具体的には、髪が太い方やバージン毛(化学処理を受けていない髪)の方、ロングヘアの方などが該当します。チオ系の薬剤を使用したパーマは髪が傷みやすいため、前処理をおこなうと安心です。

シス系加温式

シス系加温式は、髪への負担が少ないシス系の薬剤を加温してパーマをする方法になります。シス系の薬剤はもともと髪への負担が少ないですが、そこに加温する場合は「髪をよりふんわりさせたい」「カールを長持ちさせたい」といった特定の目的に沿っておこなわれるのが一般的です。

シス系加温式は、髪が細い方が髪のボリュームやパーマの持続性を求める場合に向いています。ただし、シス系の薬剤を加温する際には、通常60度以下に保つことが推奨されており、これを超える温度だと、髪へのダメージが増加する可能性も否めません。

シス系コールド式

シス系コールド式パーマは、これまで説明した4つの方法のなかで最も髪への負担が少ない手法です。この方法は、髪への負担が少ないシス系の薬剤を加温せずに使用するため、髪に余分な熱やストレスを与える心配がありません。

この方法は、とくにナチュラルなパーマを望む人や、髪へのダメージを気にする人に適しており、具体的には、ゆるめのパーマをかけたい方、細い髪質の方、やわらかい髪質の方、髪が傷みやすい方に向いています。髪への負担が少ないため、カラーリングとの同時施術も可能です。

お客様に合わせてパーマの種類を使い分けよう

パーマ液には1剤と2剤の2つがあり、それぞれ異なる成分と役割を持っています。さらに、加温式やコールド式などの施術方法によって最終的なスタイルが確定しますので、お客様の髪質や状況に合わせて、これらの要素を適切に使い分けることが、髪の美しい仕上がりを実現する鍵なのです。

柔らかなウェーブやしっかりとしたカール、ボリュームアップなど、希望するスタイルを提供するために、適切な選択肢を検討してみましょう。

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