ネイルサロンを開業するには?必要資金や開業の手順・成功させるためのポイントを紹介
ネイリストとして、いつかは開業したいという夢を持っている方もいるのではないでしょうか。しかし、「開業」といっても何から準備したらいいのかわからない方も多いでしょう。
そこで今回は、初めての方にもわかりやすく、ネイリストの開業についてさまざまな面から解説します。今後自分の店を開業したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ネイリストが開業するのに必須資格なし|取得しておきたい資格とは?
ネイルサロンを開業する際に必須の資格はありません。しかし、資格を取っておくと知識や技術があることを証明でき、お客様の信頼にもつながります。そこで、ネイリストにおすすめの資格を3つ見ていきましょう。
JNAジェルネイル技能検定
JNA(日本ネイリスト協会)による、ジェルネイルの理論・技術を認める資格です。ジェルネイルを施術したいならぜひ取得しましょう。
初級・中級・上級があり、初級から順番に取得する形式。ネイルサロンを開業するなら、より上位の資格を持っておくのがおすすめです。
JNAネイルサロン衛生管理士
前項と同じくJNAが認める資格です。JNAが独自に定める衛生管理基準を満たしていることを認め、安心安全なサロン運営を目指します。
JNA認定校で所定の講習を受講したのち、筆記試験に合格すれば取得可能です。資格を持つ者の証として、認定証とバッジをもらえます。
JNECネイリスト技能検定
JNEC(日本ネイリスト検定試験センター)が実施しているネイリストの資格検定です。1~3級があり、ネイルケア・ネイルアート・リペアなどのネイルに関する知識や技術を習得していることを認めます。
JNA資格と同じく、ネイリストとして開業するならぜひ上位の資格を目指しましょう。
ネイリストの3つの開業パターン
ネイルサロンを開業する方法は、大きく分けて3つパターンがですす。それぞれの特徴を紹介します。
自宅型ネイルサロン
自分の家の一部を改装してサロンにする方法。比較的費用を抑えやすく、家庭との両立もしやすいことがメリットです。ただし、生活感が出やすいことや、自宅の場所によっては集客に苦労する可能性があることに注意しましょう。
店舗型ネイルサロン
営業するための物件を借りて開業する方法です。物件を借りるための費用や内外装の工事費などがかかり、初期費用が高額になりやすいという注意点があります。しかし、立地がよく人が来やすい環境であれば、高い集客効果を期待できるでしょう。
フランチャイズ型ネイルサロン
フランチャイズ型は、大元となる親企業とフランチャイズ契約を結び開業する方法です。
親企業には経営ノウハウがあるため、自店でも同じ方法を運用できます。また、比較的名の知れた大きな企業であることから、知名度・ブランド力などを活用することもできるでしょう。
施術に使う道具などの仕入れも、本部がまとめ買いしているものを仕入れられます。そのため、仕入れ値を抑えられるほか、自分で一から仕入れ先を探さずに済むのです。
ただし、親企業へのロイヤリティの支払いが発生します。ほかにも、運営方針が決まっているため、自分好みのサロンにはしにくいという特徴もあります。
ネイルサロン開業時に必要な資金
前章で挙げた3つのパターンについて、それぞれ開業費用としてどれくらい見ておけばいいのかを確認してみましょう。
自宅型ネイルサロンの開業費用の目安
最低限に抑えたいなら、椅子・机・施術道具があれば始められます。総額で20~50万円程度と考えておけばよいでしょう。ただし、内装工事などが必要な場合、もう少し高額になる可能性もあります。
店舗型ネイルサロンの開業費用の目安
店舗用の物件を借りて開業する場合の費目とおおよその目安金額は、以下の通りです。
費目 | 金額 |
物件取得費
(敷金・礼金・家賃など) |
100万円 |
内外装工事費 | 30~50万円 |
家具・備品代 | 20~50万円 |
施術道具代 | 20~40万円 |
広告宣伝費 | 5~30万円 |
合計175~270万円ほどを目安にするとよいでしょう。また、従業員を雇う場合は別途人件費も必要です。
フランチャイズ型ネイルサロンの開業費用の目安
フランチャイズ型の場合は、契約の際にフランチャイズへの「加盟金」や「保証金」などが発生します。また、資材設備費・物件取得費・研修費・内装工事費なども負担しなければなりません。契約する企業によって大きく変動しますが、トータルで数百万円以上必要です。
初期費用だけでなく運用経費も頭に入れる
開業資金はもちろんのこと、物件の賃料・水光熱費・通信費・材料費・広告費など、月々のランニングコストも考えておかなければなりません。オープン時に半年分くらいは余裕があると安心です。
ネイリストの開業の手順
つづいて、実際にネイリストとして開業するには何をどう準備したらよいかを紹介します。やるべきことがわかっていると落ち着いて準備を進められるので、ぜひ参考にしてください。
1. サロンコンセプトやターゲットを決める
ネイルサロンを新しく開業するときは、まずはサロンコンセプトを決めましょう。
はじめに店の基本的な方針を決めることは非常に重要。どういう雰囲気のサロンで、他店とはどう違うのかなどを書き出して、コンセプトをまとめます。
また、どんなお客様に来てもらいたいか、ターゲットとなる客層を設定することも大事です。コンセプトやターゲットが定まることで、内装なども決めやすくなります。
2. オープンする日を決める
いつから営業を始めるのか、サロンをオープンする日にちを決定しましょう。オープン日が決まると、その日に向けて段取りを整えやすく、準備が進めやすいです。3ヶ月~半年先を目安にするとよいでしょう。
3. 物件探し・改装
店舗型の場合は、開業するための場所や物件を決めなければなりません。マンションの一室・路面店など、自分の状況や集客したい層などを考えて選びましょう。
また、内装や外観がネイルサロンのコンセプトと合わないなど、改装が必要な状態であれば、オープン日に間に合うように工事してもらう必要があります。
4. 設備や備品を設置
内装が整ったら、サロンの営業に必要な設備・備品・ネイル用品などを購入して設置しましょう。美容専門業者からインターネットで購入することも可能です。自分のサロンに合った機材や備品を選んでください。
また、会計時に必要なおつりやレシート・領収書なども用意しましょう。会計作業がスムーズに行なえるよう、電子決済を導入しているサロンもあります。
予約や顧客情報の管理などの事務作業に必要なものをそろえたり、施術や接客に使うこまごましたアイテムを購入したりすることも必要です。
5. メニューを決める
次に、サロンで提供するメニューを決めます。お客様に対し、どういうデザインで値段はいくらなのかをわかりやすく提示しなければなりません。
価格帯に関しては、他店をいくつか参考にしたり、自分の施術のクオリティを考えたりしながら決めましょう。また、運用経費と売上のバランスも考慮することが大切です。
6. ホームページやSNSを開設し集客する
集客は、前もってホームページやSNS、集客サイトなどでオープンを告知することがおすすめです。早い段階で新規オープンを知らせることで、お客様への認知が広がり、オープン初日から集客が見込めます。
また、出店エリアのターゲットに向けた施策として、チラシや地域情報誌などを活用するのもよいでしょう。
とくに最近の集客では、SNSがマストアイテムです。InstagramやXなど無料でアカウントを作れるものも多いので、積極的に発信しましょう。メニューやオープン日も書いておくと、事前に問い合わせや予約を受けやすくなります。
7. 開業届を出す
事業を新しく始める場合、「個人事業の開業・廃業等届出書」という書類を、事業を開始した日から1カ月以内に提出する必要があります。また、開業届とあわせて、マイナンバーがわかるものと本人確認書類の提出も必要です。
なお、確定申告には青色申告と白色申告という2種類の方法がありますが、青色申告は事前に届け出をする必要があります。業務を開始した日から2カ月以内に、納税地の所轄税務署長へ提出するようにしましょう。
引用元
国税庁|個人事業の開業届出・廃業届出等手続
国税庁|個人事業の開業・廃業等届出書
国税庁|No.2070 青色申告制度
国税庁|No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度
サロン開業を成功させるためのポイント
サロン開業は、夢への第一歩を歩みだせる一方で、うまくいかなければ経営を続けられず、最悪の場合は借金だけが残ってしまう可能性もあります。そのため、リスクを回避し、成功させるコツをおさえておかなければなりません。
ここからは、サロンを軌道に乗せ、長続きさせるためのポイントを紹介しますので、参考にしてください。
自分に合った方法で開業する
サロンの開業方法はすでにお伝えしたように、自宅型・店舗型・フランチャイズ型があります。それぞれメリットや注意点があるため、資金面や自身のライフスタイルに合った方法で開業することが大切です。
どの方法で開業するとしても、いきなり手広く行うのではなく、必要最低限のサービスからはじめて、売上が出るようになってから少しずつサービスを広げていくとよいでしょう。
集客に力を入れる
ネイルサロンは数多くあるため、お客様の選択肢が豊富です。そのなかから自店を選んでもらうためには、ターゲットとなるお客様への適切なアプローチを行わなければなりません。
SNSやホームページ・チラシなどあらゆる媒体を使って、自店の「売り」が分かるものを継続的に発信するなど、集客には力を入れることが大切です。
新規顧客はもちろん、経営を続けていくにはリピーター獲得も必須。DMやクーポンを配布するなど、来店してくれたお客様へのアプローチも怠らないようにしましょう。
コンセプトを大切にしながらお客様に喜ばれる環境を整える
サロンを長持ちさせるためには、どういったお客様にどのようなサービスを提供したいのか、しっかりとコンセプトを持ち、そのコンセプトを大切にすることも必要です。
客入りが悪いとコンセプトがブレてしまいがちですが、そうすると本来のターゲットであったお客様の足も遠のいてしまう可能性があります。
また、基本的なことではありますが、清掃をきちんと行い、清潔感のある空間づくりを心がけ、お客様も自分自身も笑顔でいられる環境を整えておくようにしましょう。
スキルを磨き続ける|技術・経営
ネイルの技術はあっても、経営や集客の方法が間違っていると失敗に終わってしまいます。競合となるネイルサロンが多いため、スキルを磨き続けることも忘れてはいけません。
施術の技術以外にも、経営や集客などの知識を積極的に学び、自店の運営に活かすことが大切です。
ネイルサロンを開業するメリット
ネイリストには、既存店で働く方法もありますが、ネイルサロンを開業するメリットはどういった点にあるのでしょうか。以下で詳しく紹介します。
ネイルの需要が高い
コロナ禍でネイル市場の需要は一時低下しましたが、徐々に回復傾向にあります。いつの時代もネイルを楽しみたい人がいるため、ネイルサロンの需要がなくなることはないでしょう。ネイルサロンを開業すれば、お客様のニーズに応えることができます。
引用元
日本ネイリスト協会|Nail Market Report 『ネイル白書 2023』
自宅型・店舗型は自分好みのお店にできる
自宅型や店舗型は、内装・メニュー・料金などすべて自分で決められるため、自分好みのお店にすることができます。既存店で働く場合では、なかなか叶えられないことです。
営業日や営業時間も自由に設定できるので、ワークライフバランスを取りやすくなるというメリットもあります。
収入アップが目指せる
固定給があるサロンと違い、施術した分だけすべて自分の収入となるため、サロンで勤務するよりも収入アップになる可能性があります。
ただし、来店数や施術メニューによって収入が不安定にもなりやすいため、収入アップを目指して開業を考えるなら、より条件のいいサロンへの転職もおすすめです。
収入アップを目指すならリジョブの求人をチェック!収入はどれくらい?
サロン開業で、必ずしもすべての人が収入アップするとは言い切れません。収入アップを確実に狙いたいのであれば、上述したように転職する道もあります。
求人サイト「リジョブ」には、ネイリストの求人を多数掲載中です。参考までに、リジョブの求人の給与データを見てみましょう。
正社員 | 月給下限 | 月給上限 | 平均 |
スタッフ | 208,978円 | 377,985円 | 293,482円 |
店長(候補) | 241,322円 | 407,798円 | 324,560円 |
講師 | 232,863円 | 371,278円 | 302,071円 |
業務委託 | 月給下限 | 月給上限 | 平均 |
スタッフ | 201,256円 | 518,974円 | 360,115円 |
店長(候補) | 240,500円 | 625,000円 | 432,750円 |
講師 | 283,333円 | 750,000円 | 516,667円 |
※2024年1月現在
個人で活躍したいなら、業務委託で働く方法もありますし、スキルを活かしてネイル講師の道を選ぶことも可能です。
リジョブは、施設形態・お店の規模・資格など詳細な条件を用意しているため、自分の目的や理想にあった求人を見つけやすいでしょう。
ネイリストの開業は流れに沿って進めよう
ネイリストの開業には、資金とさまざまな準備が必要です。また、資格は必須ではないものの、取っておいたほうが安心でしょう。流れを押さえながら予定通りにオープンし、たくさんのお客様を獲得してください。
ただし、開業には高い技術や経営スキルが求められるため、開業前にサロンで経験を積んでおくと安心です。リジョブなら、開業・独立支援をしているサロンの求人もあります。
会員登録をすれば、電話で求職の悩みを相談できるほか、スカウトを受け取ることも可能です。スカウトは、検索で見つけきれなかった好みの求人に出会える可能性があります。
転職満足度※98%で、リジョブ経由で転職をした人の評価も高いため、収入アップを目指して転職をしたい人にもぴったり。
ぜひ会員登録をして、自分の条件に合う求人はないかチェックしてみてくださいね。
※リジョブ経由で採用された1,242名を対象に実施した満足度自社調査より(実施期間:2023年2月8日〜2023年3月8日)