【フリーランスのライフスタイル】kaekoさんの集客術に迫る
シェアサロンの普及などに伴い、最近耳にする機会が増えてきたフリーランス美容師。「どのようにして生計を立てているのか?」興味がある方も多いはずです。そこで、実際に活躍している現役のフリーランス美容師にインタビュー。今回は、2020年の9月にフリーランスになったばかりのkaekoさんに登場していただきました。
3年間のサロン勤めと3年間の業務委託経験の後、フリーランスとして働き始めたkaekoさん。果たして、どのようにして現在のスタイルにたどり着いたのでしょうか?「土日お休みできるようになって友人と会えるのがうれしい」と語るkaekoさん。プライベートの過ごし方も気になります。
前編では、フリーランスに至るまでの経緯などについて伺いました。
納得のいく働き方をしたいとフリーランス転身を決意
――――まずは、フリーランスに転身するまでの経緯について教えてください。
「2020年の9月にフリーランスに転身をしたばかりです。それまでの経緯としては、関西の美容学校を卒業後に関東の寮のあるサロンに入社。その後、東京のサロンに転職しました。3年ほど経った頃にサロンを移り、業務委託の勤務形態で働くことに。そのサロンで3年働いた後、2020年9月にフリーランスに転身し、今に至ります」
――――なぜフリーランスに転身したのでしょうか?
「自分のペースでお客さま1人ひとりと丁寧に向き合いたいと思ったからです。以前のサロンでは、他の人のサポートにまわることや、自分の仕事が終わっても終業時間まで働くことが多く、もっと有意義に時間を使いたいと思っていました。休みが取りづらいこともあり、心身ともに常に疲れきった状態。もともとひとりで黙々と仕事をするほうが向いていると思っていたため、フリーランスへの興味が強くなっていきました。
本格的にフリーランスになろうと決心したのは、2020年の3月頃、コロナ禍で美容業界全体が大打撃を負ったときです。所属していたサロンも売上が下がってしまい、割引クーポンを配布していました。同じメニューでも3分の1のクーポン価格で対応するお客さまが増えて、それに違和感を感じたんです。当時の状況からして仕方がないことだとわかっていたんですが、自分の価値がどんどん下がっていく気がして。その時に、自分の納得のいく働き方をしようと、フリーランスになる決意をしました」
お客さまとの距離を縮めてリピーターを増やす
――――フリーランスになるために心掛けていたことはありますか?
「お客さまに私個人のリピーターになってもらうために接客に力を入れていました。新規のお客さまは道に迷うことも多く、緊張していることもありサロンにたどりつくだけで疲れる方もいらっしゃいます。そのため最初はあまり積極的に話しかけず、落ち着くのを待ちます。様子を見ながら徐々に盛り上がる話題を提供すると、リラックスして心を開いてくれることが多いですね。
また、次のスタイルの提案をすることも心掛けています。『2ヵ月後にはこのくらいの長さになっていますよ』とか、『次はこんな色がおすすめですよ』とお話しすることが次回の来店につながるポイントです」
――――リピーターのお客さまとつながりを保つために行ったことを教えてください。
「リピートしてくださるお客さまとはLINEを交換して、直接予約の連絡を取れるようにしました。LINEの交換に抵抗がありそうな方にはさりげなく私のインスタグラムを紹介します。興味を持ったらDMを送るなど、積極的に直接やりとりができる機会を増やしていきました。
おかげさまでフリーランスになってからも当時のお客さまから予約をいただくことが多いです。今後はSNSに力を入れて新規のお客さまを獲得したいと考えています」
自分の得意分野をSNSで売り出すことが大切
――――SNSでの発信について力を入れていることを教えてください。
「インスタグラム、ツイッター、YouTubeを利用しています。一番集客に影響があるインスタグラムは毎日更新するよう心掛けていますね。こだわりは写真のクオリティです。1人のお客さまに対して20〜30枚の写真を撮って、その中から一番きれいなものを選定。光のあたり方がきれいな外で撮影をしています。
お客さまにどのような投稿があればうれしいか聞くこともありました。ムービーがあったらわかりやすいという声を受けて、最近は仕上がりの髪質などがわかる動画を投稿しています。
美容関係のYouTubeも増えているので、今後は動画制作にも力を入れていきたいです。今は少しずつヘアセットの動画を公開しています。フリーランスになって自分の時間が増えたからこそチャレンジできることですね」
――――たくさんのファンを獲得するために必要なことは何だと思いますか?
「自分の得意分野を確立することが大切だと思います。今はなんでもSNSで検索する時代ですよね。検索する時は、『ショートヘア』『インナーカラー』などある程度キーワードを絞ることが多いと思います。そのため、『なんでもできます!』というよりも『この技術は誰にも負けません!』と打ち出したほうがささりやすいんです。
今の若い世代を見ていると自分の強みが分かっていて、それを引き出してくれる美容師を探しているように感じますね。
私はショートカット、ボブ、インナーカラー、ハンサムショートといったボーイッシュなスタイルを売りにしています。自分自身ショートが好きなこともあり、美容師になった頃から自然とそのようなスタイルを好むお客さまが多かったんです。刈り上げなども躊躇なくやるので、『理想の髪型にしてもらえる』と好評をいただいています」
後編では、生活リズムの変化やプライベート時間の過ごし方に迫ります。
▽後編はこちら▽
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