整体師としてのキャリアスタートへ向けて基本情報を知っておきましょう

近年、人通りの多い駅前や繁華街などを中心に、大手チェーン展開をしている整体院が増え始めており、手に職をつけて自分の力で稼いでいきたいと考える方の多くが整体師として癒し業界に参入しています。なんとなく将来的な不安のある昨今、自分自身の手に職をつけておきたいという方も多いかと思いますが、実際に整体師を目指す場合にどんな資格が必要か、独立開業のためにどのような準備が必要かわからないかもしれません。

このコラムでは、整体師としてのキャリアスタートに際して、知っておくべき基本的な情報についてまとめてみました。

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整体師としての大まかなキャリアプラン

整体師と一言でいっても、その手技の種類は多くあります。一般的に私たちが整体院と考えている施設では、整体だけでなくカイロプラクティックやリフレクソロジー、オステオパシー、タイ古式マッサージなど、さまざまな種類の施術がおこなわれています。整体の辞書的な定義は、「体全体のバランスを取り戻して体の機能を改善し、自然治癒力を高めることが目的の療法」ということですから、数多くある手技や技術のなかから自分の取得した施術法によって、自由に整体院を開業するというのが大まかなキャリアプランになります。その際に必要となる資格については後述しますが、国家資格である柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師しん灸師以外の施術法に関しては、専門技術があるならば特に資格がなくとも開業可能です。ただ一般的には、それぞれの施術法を指導する専門学校などで学び、必要ならば民間資格などを取得したあと、専門学校の紹介先や提携先で働かせてもらいながら独立開業への準備をすることになるでしょう。整体師の開業スタイルは、サロンで勤務するスタイルのほかに、独立開業することが多いです。独立開業する場合には、路面店やショッピングモールなどでの開業、自宅やマンションの一室での開業、あるいはお客様のところへ訪問して施術するスタイルでの開業、さらには経営規模を拡大してチェーン展開をするなど、自らの営業スタイルと施術方法に合わせたさまざまな規模と種類での開業をすることができます。

整体師になるための資格について知っておこう

さて、それでは整体師になるための資格について知っておきましょう。まず、いわゆるマッサージや癒しの技術を提供する職種のなかで、開業のために必ず国家資格を必要とする資格は、はり師しん灸師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師の3つになります。これらのサービスを提供するには、専門学校に通って所定の教育課程を終了したうえで、国家資格試験を突破しなければなりません。学校に通う期間は2年から3年かかり、資格取得までの費用が200万円から300万円かかります。この3つの資格以外の施術方法については、開業に必須な法定の資格というものはありません。したがって、資格としての「整体師」「整体セラピスト」「カイロプラクター」などは、すべて民間団体が認定した民間資格ということです。

国家資格と民間資格の大きな違いは、国家資格の方は保険診療が行えるということです。具体的に、ここでの保険診療とは交通事故による外傷などへの施術を対象としたものになります。また、民間資格では低周波治療器や温熱治療器などの電気器具が使用できませんし、このほかにも「治療」や「治す」といった文言を使えない、マッサージという言葉をマッサージ師以外が使ってはいけないなどの制限があります。いわゆる、「接骨院」「整骨院」という屋号で治療しているのは「柔道整復師」で、「整体師」という屋号で施術しているのは資格の有無にかかわらず営業している治療家ということになります。民間資格に関しては、自分の取得したい技法を教える団体の主宰する専門学校や講座などで学び、その民間資格の認定を受けるといった形をとっています。

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開業に必要な手続きの流れは?

整体師としての開業は、ほかの業種に比べて開業資金が多くかからないことがひとつのメリットといっても良いでしょう。国家資格者の場合は、機材などの設備費用を準備しなければなりませんが、民間資格ではたいてい大きな設備投資の必要はありません。ただし、開業する店舗のスタイルや営業のスタイルに応じて、家賃や光熱費などの必要経費に差が出てきます。

整体院や治療院の開業スタイルは、路面店やショッピングモール内のテナントを借りる場合には、場所によっては200万円から1,000万円ほどの開業費用を準備する必要があります。逆に、訪問サービスや自宅の一室での開業では開業資金0円から数十万円程度の費用で開業できます。ただそうはいっても、さまざまな経費や光熱費、広告費用などが必要ですから、自宅開業や訪問型での開業であっても、ある程度のまとまった資金は必要です。もし資金を十分に用意できない場合は、銀行融資や日本政策金融公庫、地方自治体などが実施している助成金などを得て開業資金を調達するという方法もあります。

開業に際して、国家資格者の場合は所定の開業届を管轄となる役所に提出しなければなりませんが、それ以外の整体院の場合は、税務署へ個人事業の開業届を提出するだけでOKです。自由業として扱われますので、法定の許可や更新手続きもなく、移転や廃業の際に税務署への届け出をする以外に手続きはありません。

開業に際しての大きな課題、集客方法について

いざ開業してみると、施術技術やお客様への対応以上にオーナーを悩ますことになるのが、「集客」についてです。整体師の数は国家資格者の数だけでみても増加傾向にあり、大きな資本力を持つチェーン店が人通りの多い場所で営業展開している現状を見ても、その競争は年々激しくなってきています。したがって、ひとりで小資本での開業を考えるならば、どのような客層のお客様に来てもらいたいのかを逆算して、集客の戦略を考えなければなりません。

まず、路面店やショッピングモールなど、人通りの多い場所での出店の場合は、場所そのものが営業活動を兼ねているといってもいいでしょう。ただし、出店にかかる費用は膨大ですので、最初の独立開業の際には現実的なプランではありません。自宅での開業や訪問サービスでの開業の場合は、口コミやネット上の営業活動によってお得意様となってくれるお客様を集めていかなければなりません。特に、ネット上での営業活動は比較的安価でできて、うまくできればHPやブログ上で勝手に集客する仕組みを構築できますので、人を雇えないひとり開業の治療家にとっては、なくてはならない広告方法となっています。ただ、ネットでの集客方法にはPPC広告やSEO対策などの専門的な知識も必要になりますし、HP制作を外注する場合は10万円程度の費用もかかってきます。

このほかにもチラシを配ってみたり、タウン誌に広告を出してみたりといった、アナログな方法も試してみる価値はあります。いずれの集客方法を選択するにせよ、大事なのは自分のお客様の属性を絞り込むことです。どのような年齢層で、性別は男性向けなのか女性向けなのか、どのような部位のどんな痛みに対して施術するのか、また対象となる地域はどこかといった属性を絞っていくと、有効な集客方法が見えてくるのではないでしょうか。

開業するかは自分次第。自分のキャリアに合ったスタイルで整体師としての一歩を

整体師としての開業は、ほかの職種での開業と比べるとほとんど初期投資をしなくても開業することができる場合があるわけですが、それは同時にデメリットにもつながっていきます。初期投資や融資などを受けずに、自宅で開業したり訪問サービス型の開業をしたりしていると、どうしても経済的な危機感なく営業してしまいます。しかしながら、事業経営においては現状維持のつもりで事業経営をするのはかなり危険です。必ず、集客の面で経営的な行き詰まりに直面することになります。新規の顧客を開拓すること、来ていただいたお客様には必ずリピーターになっていただくことを、常に意識して経営していかなければなりません。また、自分が経営者として事業を展開するわけですから、その社会的・経済的な責任はすべて自分で負う覚悟が必要です。会社勤めを辞めて開業する場合は、会社員としての社会的信用を捨てて独立開業するわけですから、住宅ローンやカードの審査に通りにくくなるといった現実的な厳しさに接することもあるでしょう。

そうしたデメリットやリスクと向き合いながら、人々の役に立つ技術によって社会貢献をしつつ事業を展開していくところに、整体師としての開業のやりがいはあります。ぜひ、自身に合ったキャリアプランを立てて、整体師としてのキャリアをスタートさせましょう。

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