【コロナ禍の今、美容業界の「働く」が変わる!】Vol.1/サロンでの技術+αの展開がこれからの定番に/JENO 若奈さん #2

コロナ禍での働き方は、「時短で高パフォーマンス」がキーワード。そんなwithコロナ時代を生き抜くための、美容室の次なる戦略とは?

後編では、JENOで副店長を務める若奈さんの1日のタイムスケジュールを取材。これまでとの変化や改めて見直した点、今後の動向などについてお聞きしました。

お話を伺ったのは…

JENO 副店長 若奈さん

代表の堀江昌樹氏のアシスタントとして、一般誌・業界誌・ヘアショー・セミナー等の現場で数多くの経験を積む。現在は副店長として、後輩の指導も行いながらサロンワークを盛り上げる売れっ子スタイリストに。明るく親しみやすい性格、それでいて頼りになる技術力を持ち合わせていることから、男女問わず幅広いお客様から支持を得ている。

若奈さんの1日の流れ/重なりは最大3席、ロスタイムはできるだけカット

——サロンワークの流れとして、変えたことや意識していることは?

今は、1日平均するとだいたい8人くらいですかね。以前はお客様がこの日を希望すると言ったら、少し無理してでも予約を入れていたのですがそれはやめました。予約時間からきっちりスタートして、お待たせする時間を作らないのが目標です。とはいえ、お客様の考え方もいろいろなので、とにかく早く終わらせたいのか、ゆっくりでも大丈夫なのか、OUT時間を最初にしっかり確認するようになりました。混み合うのを避けるために、お客様の重なりは最大3人くらいで留めるように。重いメニュー&簡単なメニューのバランスも偏らないように意識しています。

サロンを閉めるのは19時、20時くらい。コロナ禍で、表参道は街全体の夜の引きが早くなっているので、終わりの時間帯に混み合っていることはだいぶ少なくなりました。1日を通して空き時間が出てくることもあるので、できるだけ無駄にしないように。自分の時間もそうですが、アシスタントたちも時間が空きそうだったらその間にできることを指示したり、休憩時間をきちんと取るよう伝えています。若い子たちが手持ち無沙汰でモチベーションが下がってしまう、そうならないように時間のやりくりや調整はしっかりしていきたいです。

——コストカットしたことは何かありますか?

他のサロンさんもそうだと思いますが、接触を避けるために雑誌やドリンクの提供は中止しています。それらをカットして気づいたのは、今まで雑誌に結構助けられていたんだな、ということ。待ち時間に雑誌を読んでいてくれたこと、施術中の会話が読んでいた雑誌の内容で広がっていたこと……そういのが全部なくなって、現場でのコミュニケーションはトークが勝負。もう基本しゃべるしか手段がない(笑)。そういう意味では、スタッフのコミュ力が上がってきたかもしれません。

お客様がただ席に座ってじっと待っている。それが目に入ると、あ! 早く急いでいかなきゃ! となる。そして、そういう状況を作っていないか常に目配り、気配りするようになる。もしお待たせするようになってしまったら、アシスタントにちょっと話をしてきて、とお願いしたり。当たり前のことかもしれませんが、お客様をより大切にしながら、しっかりコミュニケーションを取ってよい関係性を続けていくことが大事だなと常々感じています。

今後の展望/技術+自宅ケアの流れを強化していきたい

——これから、どのような働き方が求められると思いますか?

まずは、感染対策を飽きずにしっかり続けていけるかどうか。自分でご飯を食べにお店に行ったりする時もそうだと思うんですが、味がおいしいことだけでなく、そのお店が基本的な感染対策をしているか、きちんとしているか、そういう部分を見ると思います。美容室もそれと同じで、スタッフのプライベートも含めて、感染対策はなあなあにならないように徹底していきたいです。

働き方としては、営業スタイルや時間帯もこれからもっと変化していくのかもしれませんね。平日と休日の垣根がなくなってきたので、営業の仕方もそれに合わせてフットワーク軽くやっていくこと。スタッフの休みを分散させることで土日に休むという概念も生まれ、このあたりは業界にとっては結構大きな変化だと思っています。

——お客様へのサービス面でもいろいろと変わっていくのでしょうか?

サロンでの施術+おうちでヘアケアアイテムを使ってもらう、それをセットの流れにするのは今後の定番になっていくかもしれません。そういうメニューは今までもあったのですが、コロナを機に店販がしっかり根付いてきたのもあり、セットでの流れはもっと充実させていきたいですね。JENOでは前まではお店にほとんど商品を並べていませんでしたけど、そこは変えて、お客様がお店に来た時に気軽に見られるように、分かりやすく並べるようにしました。SNSで気になっていたヘアケア製品をお店で見かけて購入してくださったり、会話が広がったり、そういう展開もあります。

店販を充実させ自宅ケアの流れを作ることは、お店での滞在時間や人件費のカットにつながるのはもちろん、実際にお客様の髪や頭皮の状態もめちゃくちゃよくなるんですよね。トータルで考えても、結果すごく効率がいいのではないかと思います。

待ち合いブース横の棚には、ヘアケア製品やメイクアイテムを陳列。
お客様に興味を持ってもらえるよう、スタッフ手書きのポップを付ける工夫も。

コロナ時代、効率的に働く3つのコツ

1. SNSでコミュニケーションをとる

2. お客様との関わりをさらに大切に

3. 技術と店販はセットにする

あんなに賑わっていた街から人が消え、待ち時間さえも楽しみと思えるような美容室だったはずが、一気にゼロになった。「お店のこれまでのあり方やお客様との関係性をどうキープしていくべきか、スタッフ全員で話し合って、改めて深く見直しました」と若奈さん。

時短や接触頻度を意識しなければならない環境下、SNSというツールは美容師とお客様をつなぐ心強い味方に。サロンだけの完結型ではなく、+自宅ケアの提案、+店販の充実、+オンライン活用など、営業スタイルの幅を柔軟に広げていくことが今後のキーになりそうです。

▽前編はこちら▽
【コロナ禍の今、美容業界の「働く」が変わる!】Vol.1/SNS活用でお客様との関係構築&売り上げもキープ/JENO 若奈さん #1>>

取材・文:青木麻理(tokiwa)
撮影:mika

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Salon Data

JENO(ジェノ)

住所:東京都渋谷区神宮前5-47-12 パインビレッジアネックスB1F
TEL:03-6419-3855
若奈さんのInstagram:@wakana_jeno

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