前原さん

トレンドを創る人Vol.9 Violet・前原穂高さんの裾野を広げる美容経営とは #3

「Violet」(バイオレット)の代表・前原穂高さん第三回目のインタビューは、彼の美容論についてお伺いします。
「afloat」(アフロート)で活躍し、今でも宮村浩気さんを師と仰ぐ前原さん。
独立し、今までとは違うお客様層の施術を経験した現在、afloat時代より間口を広げた経営に挑戦しています。そこで見えてきた新たな美容観とは…?

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テレビ出演で違うタイプのお客様層に触れる

「独立して2年が経ちますが、あるときテレビ出演のお話しをいただきました。それは、ごく一般的な主婦層の方をヘアメイクで変身させる企画です。担当させていただいた方も一見すると普通の主婦の方。でも、この方に普段とは違うヘアとメイクを施すことでグンと美しくなられました。これは非常に反響がありましたね。放送後、50代以上の新規のお客様がとても増えたんです」

テレビ出演の影響力により、それまでほとんど担当することのなかった世代を取り込むことができたという前原さん。そのとき、あることに気づいたと言います。

「それまでの僕はafroatの世界しか知りません。afroatに来店されるお客様は、美容を理解している人だったり、自分をきれいに見せる術のわかっている、いわゆる美容意識の高い人たち。それってピラミッドで例えたら頂点の部分にいる方なんですよね。
でもテレビに出演し、それを見て予約される方は全くタイプの違う方々。簡単に言うとキレイになる方法を自分ではわからない、自分の魅力に気が付いていない方がほとんどでした。この層の広さには、僕も正直びっくりしましたね。そして施術し、その方たちの美しさを引き出す作業にやりがいを感じました。afloat時代にはなかった違う美容を経験できて、美容の幅を広げることができたと感じています」

この経験から『幅広い層に愛されるサロン作り』を、それまで以上に意識するようになったそう。

幅広い層が集うように。そんな願いをサロン名に込めて

前原さん

「バイオレットカラーって、赤と青を混ぜた色ですよね。サロン名をvioletにしたのはお客様を赤~青へのグラデーションに例える意味もあるんです。時代やその人に会わせたデザインだったり、女性ファッション誌でも赤文字系、青文字系とあるようにいろいろなタイプの方が訪れるサロンにしたいという願いも込めました。

僕はいわゆるカリスマサロンと呼ばれる所で美容を学び、そこでお客様に支持される腕を磨きました。でも、独立してからはカリスマサロンの敷居を下げることをコンセプトのひとつにしたんです」

2回目のインタビューでも語っていたように、前原さんは“美容の本質”に触れることで自らの美容観を今一度律し、それを経営に取り入れている。髪をカットし、パーマやカラーを施すことで内面や気分まで美しくなった姿を感じること、また、その人たちの笑顔に出会うことに、とても喜びを感じられるタイプの方です。

「青山で美容に挑戦するということは、ターゲットを絞った経営のほうが絶対的に有利だと思います。巻き髪ならココ!とか、ショートならこの店!など、お客様に明確なイメージを与えることがスムーズな集客につながる一面もあります。

でも、僕はあえて幅広く、なんでも受け入れるサロン作りを目指しているんですね。これって、認知されるのに時間がかかることだと思います。でもそれも仕方がないこと。一歩ずつ階段を上るような経営で僕はいいと思っています」

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美容師は国家資格のいる仕事。もっと誇りを持っていい

前原さん

現代はSNSと美容が切り離せない時代。この現象を前原さんはどのように考えているのか伺ってみました。

「昔は美容界にアイコンがあって、みんながそちらを目指すという流れでした。でも今は全くそうではない。人それぞれです。また、SNSの普及によりプロの仕事を一般の人がこなす時代にもなっていますね。美容関連の広告だってインフルエンサーの力も借りているわけですし。
このようにプロと素人の境い目がない中で、それでも美容師になるには国家資格が必要です。これは強みだと考えます。なのに医者、調理師、弁護士、看護師、美容師、この中で見ても美容師は社会的地位が低い。もっと誇りを持つべきかと。
僕自身は美容師の社会的地位を向上させたいと思っています。流行のインフルエンサーでも、国家資格を持っていなければ美容師という職業は決してできませんから」

また、離職率の多い美容業に対し『もっと美容を楽しんでほしい』とエールを送る前原さん。

「美容業はやりがいのある仕事ですが、そこに気づくまでには時間がかかる人も多くいます。“辛いからやめる”では、本当にもったいない。今いる職場が楽しくないなら、楽しくなる方向に会社を動かしたほうがよっぽどいい。文句や不満を言うエネルギーがあるなら、会社を変えるパワーに変換してみるといいですよ。その先には絶対やりがいや充実感が待っていますから。美容の仕事は楽しい。このことに気付かないまま辞めちゃうなんて、本当にもったいない。みんな、もっと美容を楽しんでほしいですね」

美容を心から愛し、美容を通して人を笑顔にすることに充実感を感じている前原さんの姿が、3回のインタビューから見えてきました。彼の活動や言葉から、美容が持つパワーについて今一度再確認できた人は多いのではないでしょうか。

前原さん

取材・文/小澤佐知子
撮影/田中大三

Salon data

店内

Violet(バイオレット)

雑誌やTVからも撮影のオファーが絶えない人気ヘアサロン。
欲求不満のカラーである紫色をテーマに「お客様の欲求に応える」、「女性のなりたいに応える」そんな思いが込められている。ナチュラルウッドな印象の店内は吹き抜けになっていて、2フロアーで施術が可能。Ipadの貸し出しやドリンクサービスもあり、まるでカフェのような解放感のある空間は至福の時間が楽しめます。

http://violet.tokyo/

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