ジェルネイルのフィルインとは?メリットや注意点・施術の方法・おすすめのレッスンを紹介
ジェルネイルは、発色がよくきれいに仕上がり、はがれにくく長持ちしやすいというメリットがあります。しかし、ジェルネイルは長持ちしやすい分、ネイルオフのときに爪に負担がかかりやすいのです。
なるべく爪に負担をかけずネイルオフするときは、「フィルイン」という方法がおすすめです。このフィルインの目的や方法、メリットと注意点・おすすめのレッスンなどもご紹介します。
ジェルネイルのフィルイン(一層残し)とは?
フィルインは、ジェルネイルを施してから、爪の根元が伸びて露出しているときにお直しをする施術です。一般的に一層だけ残してジェルをオフし、生えてきた地爪を整えて新しいジェルを塗布します。
ベースジェルだけを残すことから、「一層の残し」とも言われています。
ジェルオフとの違い
ジェルネイルをオフするときには、「アセトン」というネイルリムーバーが使われます。アセトンには油脂や物質を溶かす性質があり、強固なジェルネイルをオフすることが可能です。しかし、爪や指の水分、油分までも除去してしまうというデメリットがあります。
一方でフィルインは、アセトンを使わずにジェルをオフすることができるのが特徴です。塗ったジェルを全部取り除いてしまうのではなく、ベースジェルの層を残して上に塗り直します。
そのため、ジェルをすべて落とすか一層残すかという違いだけでなく、地爪への負担のかかり方も違うのです。
フィルインのメリット
ジェルオフとの違いもふまえて、フィルインのメリットについて見ていきましょう。
地爪や皮膚への負担を軽減できる
ジェルネイルをオフするときに使うアセトンは非常に強い薬品なので、爪にダメージを与えてしまいます。ダメージを受けた爪は非常に乾燥するので、二枚爪やひび割れなどを引き起こす可能性も。
しかしフィルインでは、アセトンを使ったり爪の表面を削ったりせず、一層残した上からジェルを重ねるため、地爪が乾燥したり薄くなったりすることを避けられます。アセトンにアレルギーがある人にも利点といえるでしょう。
ネイルの持ちがよくなる
フィルインは、専用のベースジェルを使ってしっかりと作るので、上のジェルを塗りなおしてもネイル自体が長持ちしやすいというメリットもあります。
フィルイン専用のベースジェルは、通常のベースジェルより密着度が高く、根元や先端が浮きにくくなるのが特徴です。また、完全にオフしないことで地爪への負担が避けられ、健康的な地爪をキープできることも、持ちのよさに繋がります。
長くジェルネイルを楽しむことができる
ジェルネイルとオフを繰り返すと、地爪が傷んだり薄くなったりしてしまうため、通常はネイルをオフして爪を休ませる期間が必要です。しかし、フィルインだと地爪を削らないため、いつでも好きなときにジェルネイルを楽しむことができます。
フィルインの注意点
地爪にやさしくメリットの多いフィルインですが、注意点もあります。メリットとあわせて注意点も理解したうえで、お客様の希望や爪の状態に合った方法を提案することが大切です。
3~4週間おきにメンテナンスが必要
フィルインネイルをキープするには、3~4週間ごとにベースジェルの付け替えが必要で、この定期的なメンテナンスを怠ると、ベースジェルがはがれてしまう可能性があります。
爪は時間とともに伸びていくもので、4週間も経てば3mm近く根元の地爪が見えてしまいます。根元が伸びることで地爪とベースジェルとの間に隙間ができ、ベースジェルが浮いたりはがれたりしてしまうのです。
ベースジェルがはがれてしまうと、その後フィルインができなくなることもあるため、短いスパンでの施術が欠かせないことを念頭に置いて置きましょう。
高度な技術が必要なためセルフでオフするのは難しい
これはお客様の立場での話ですが、ジェルネイルはセルフでも楽しむことができます。しかし、自分で一層だけ残してオフすることは難しいです。さらに、フィルイン用のジェルは密着性が高く、それをお客様自身でオフするには高度な技術が必要不可欠。
無理にオフしようとすると、地爪を傷めたり薄くなったりしてしまう可能性もあるため、サロンでオフすることをおすすめしましょう。
料金が高め
高度な技術が必要なフィルインは、ネイリストでもできる人が限られており、専用のジェルを使用するという兼ね合いもあって、通常のジェルネイルよりも料金が高めです。サロンによっては、別料金のところもあります。
付け心地が変わる可能性もある
フィルインのジェルは耐久性を重視してジェルネイルの強度を高めるので、ジェルの付け心地が当初のものとは変わる可能性があります。お客様によっては、硬くなったなどと違和感を覚えることもあるでしょう。
グリーンネイルを発症するリスクもある
フィルインには、グリーンネイルを発症するリスクがあります。グリーンネイルとは、爪とジェルの間で繁殖した「緑膿菌」によって、爪が緑色に変色してしまう病気のことです。
ジェルが浮いて爪との間に隙間ができてしまうと、湿気がたまって菌が繁殖しやすくなってしまいます。
フィルインはベースジェルを落とすことなく継続的に使用するため、気づかないうちにグリーンネイルを発症している可能性も。施術の際は、ベースジェルが浮いていないかよく確認しましょう。
フィルインが向いている人の特徴
フィルインにはメリットも注意点もありますが、爪が薄い人や傷んでいる人にはおすすめです。また、爪や指先の乾燥が気になる人も、アセトンを使わないため向いているでしょう。
さらに、爪の休息期間が不要なフィルインは、長期間ジェルネイルを楽しみたい人にも適しています。
フィルインの施術方法
ここからはジェルオフしない「フィルイン」の工程を簡単に紹介します。一見すると簡単そうに見えるかもしれませんが、実は卓越したプロの技術が必要です。
①ジェルの表面を削ってデザインなどをのぞく
最初におこなうのは、トップジェルやカラージェルの表面を削る作業ですす。ストーンなどがあればそれらをすべて取り除きます。次にファイルを使って表面のカラージェルまでを削り、ベースジェルは残します。
削りすぎるとベースジェルまで取り除いてしまうので、少しずつ丁寧におこなってください。ダストをブラシで取り除けば、ジェル一層分だけ残った状態になります。
②プレパレーション(下処理)や爪の長さ・形を整える
ベースジェルのみが残った状態になったら、ジェルを乗せる準備をします。
キューティクルリムーバーを付け、プッシャーで甘皮を押し上げます。このとき、甘皮から爪の表面に張り付いているルーズスキンも取り除いてください。その後、ニッパーで甘皮を切り、爪の根元をきれいにしましょう。
甘皮処理が終わったら、ファイルで爪の長さや形を、バッファーで爪の表面を整えます。
③クリアジェルでコーティング
ダストと油分を取り除いたら、伸びた爪の根元部分からクリアジェルを塗ってベースを整えます。ストレスポイントを残してしまうとそこから亀裂が生じる場合があるので注意しましょう。爪の根元から段差ができないよう、きれいにベースを塗るのがポイントです。
フィルインで爪とジェルとの段差がなくなれば、再度上からクリアジェルを塗ってもきれいなベースに仕上がります。次回もフィルインをするのであれば、爪全体にビルダージェルを塗りましょう。ライトで硬化させたらベースの出来上がりです。
④新しいデザインを作る
できあがったベースの上から新しいデザインを施し、最後にコーティングを塗ります。ジェルを硬化させれば新しいジェルネイルの出来上がりです。ひとつひとつの工程を丁寧におこなえばフィルインはきれいに仕上がります。
初心者も経験者も! おすすめのフィルインレッスンを紹介!
プロのネイリストになるには、フィルインの技術は最低限必要不可欠です。プロはもちろんのこと、プロでなくとも自分でその技術を身につけたいという方におすすめしたいレッスンをご紹介します。
日本ネイルフィルイン協会
日本ネイルフィルイン協会(JNFA協会)は、正しい技術と確かなスキルを提供し、安心安全なジェルネイルを普及・発展させています。
JNFA協会ではフィルインの認定制度を設けており、「ネイルフィルイン検定」に合格すると、フィルイストとして認定されます。「フィルイスト認定講師」に合格するとフィリスト講師としてセミナーやスクールでレッスンを担当することができます。
また、同協会ではフィルインの講座も豊富です。以下のようなものがあります。
・ネイルフィルイン 一層残しスクール
・マシーンフィルイン 一層残しセミナー
・フィルイスト認定講師養成講座
・フォローアップレッスン
引用元
日本ネイルフィルイン協会
日本ネイルフィルイン協会|JNFA認定制度
日本ネイルフィルイン協会|JNFA認定講座
日本ネイルマシン技術協会|ネイルマシン基礎+フィルイン講座
日本ネイルマシン技術協会では、ネイルマシンの基礎とフィルインについて学べる「ネイルマシン基礎+フィルイン講座」を実施しています。
講座の内容は、ネイルマシンで使うビットの選び方や、ビットを用いたジェルオフの方法をはじめ、ビットを使ったフィルインで、安全にストーンオフをする方法などです。
講座は2日間に分けておこなわれます。受講料は、材料やテキスト込みで6万8,000円(税別)です。
引用元
日本ネイルマシン技術協会|【ネイルマシンフィルイン講座】セミナー一覧
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とても高度な技術を必要とするフィルイン。そのスキルを習得するには、ネイルスクールや講座で学ぶ以外にも、フィルインを売りにしているサロンで学ぶ方法もあります。
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地爪にやさしいフィルインの技術を身につけネイリストとしてスキルアップしよう
フィルインはジェルネイルを長持ちさせる上に、爪の負担を大きく減らして健康に保つこともできます。しかし、高い専門技術や知識が必要なので、誰もが簡単に習得できる技術ではありません。修得後もフィルインを上達させるためには、日々の練習をしっかりとおこないましょう。
フィルイン技術を習得あるいはスキルアップするには、JNFA協会などが開催するセミナーやレッスンを受けてみるのもおすすめです。
自分に合った方法で、地爪にやさしいフィルインの技術を身につければ、ネイリストとしてスキルアップが目指せます。
なお、フィルインを売りにしているサロンによっては研修制度もあるので、就職・転職後にフィルインの技術を学ぶことも可能です。
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