エレガントな手描きネイルでブライダル特化に成功「Nail&Eyelash LeeB」山道奏さん
4年前に築地でお店を構え、2022年5月には店内を全面改装した「Nail&Eyelash LeeB」。築地駅から徒歩1分という好立地、さらに白を基調とし、洗練された空間は多くのお客さまに支持されてきました。
前編ではマネージャーでネイリストの山道奏さんに、どのようにしてお客さまの途切れない人気のネイルサロンになったのかを伺いました。エレガントなネイルアートをコンセプトにすることで、上質を知る女性経営者にささる打ち出しができたこと。そしてそれぞれのネイリストがコンセプトを守りながらも強みを磨いたことが人気の秘密だと山道さんはいいます。山道さんはすべて手描きで仕上げるネイルアートを打ち出し、特別感を演出。ブライダルのお客さまからの指名が増えたそうです。
今回、お話を伺ったのは…
山道奏さん
長崎県出身で、ネイルスクールで技術を学んだのち、上京。新宿のサロンでネイリストとしてのキャリアをスタートさせ、その後、東銀座のサロンで順調にキャリアを積む。2018年に「Nail&Eyelash LeeB」の立ち上げにマネージャーとして参加し、すべて手描きで仕上げられるエレガントなネイルアートで人気を集めている。現在は小学校1年生の子どもを育てる母でもある。
山道奏さんのInstagram:@leebyamamichi
「エレガント」をコンセプトに打ち出し、大人女性・ブライダルのお客さまに人気に
――「Nail&Eyelash LeeB」の人気の秘密はどこにあるのでしょうか?
ネイルデザインのコンセプトを「エレガント」にし、上質を知る大人女性の方たちに支持をいただいてきました。銀座も近いという地域柄、女性経営者の方が多いこともあり、この打ち出しを喜んでくださる方が多いです。そしてエレガントさという軸はぶらさないようにしながら、それぞれのネイリストの強みをいかすことも大切にしています。そうやって強みを磨いていくことでしか、ほかのサロンではできない独自のアートは生み出せないと思っているからです。
私の場合は、元々自分が好きで追求していたエレガントテイストのネイルアートを手描きで提供することをコンセプトに。豪華で特別なデザインという印象付けができて、私自身にもお店全体にもブライダルのお客さまのご予約が多くなり、これもお店の人気につながっていると思います。
――ほかにもサロンの強みはありますでしょうか。
これもブライダルに関係したことになるのですが、アイラッシュサロンも併設しているため、ネイルとまつエクの同時施術が可能なことも強みです。プレ花嫁の方は、結婚式の準備などで忙しく、あまり時間もないなかでいらっしゃるので同時施術で時間を短縮できることを喜んでいただけます。
インスタをギャラリーに。世界観のある投稿でフォロワー数増加
――山道さんのインスタグラムでは、ネイルデザインを美しく発信されていますが、投稿する際に心がけていることはありますでしょうか?
インスタグラムは自分の「ギャラリー・画廊」という感覚があるので、世界観をしっかり作ったギャラリーに見えるように心がけています。1つのネイルデザインを投稿する際にも、ネイルデザインを2枚、その間にそのネイルデザインにつながった、旅行先の風景やアートなどを1枚入れて、3枚を1セットにして投稿しています。このように統一された世界観を打ち出すようになってから、海外のフォロワーさんがとても増えました。
――すべて手描きとなると施術時間も長くなるのではないかと思うのですが、その点はいかがですか?
そうですね。最初に入ったサロンがかなり忙しいお店だったこともあり、施術が早い方だとは思うのですが、シンプルなデザインと比べると時間はかかります。平均してお客さまお1人あたり3時間はかかっているかなと。実は一度、時短のためデザインシールを使ってみようとしたこともあったのですが、爪の大きさがそれぞれ違うのに同じシールを使っていたのではデザインに違和感が出ることがあって。高いクオリティで仕上げるためには、自分で描いてしまったほうがいいと思って、それ以降はすべて手描きで仕上げるようになりました。
時間はかかっても、すべて手描きで仕上げる特別感がありますし、ほかではできないネイルアートとしてお客さまにも好評です。
お客さまが言葉にしていない好みのテイストをつかみ、満足度アップ!
――お客さまの満足度をあげるために、山道さんがやられていることは?
お客さまが好きなテイストを探り、そのイメージ通りに仕上げることです。私のお客さまはネイルチップを見て、「こういう雰囲気であとはお任せ」という方が多いんです。なので、お客さまが言語化していないお好きなテイストを見極めて仕上げることが大切になってきます。その見極めのためには、話しやすい雰囲気を作ってなるべくお客さまとお話し、お客さまのことを知ることが重要ですね。私は話しやすい雰囲気をつくるために、なるべくこちらから話しかけ、相づちをしっかり打つようにしています。
また話しやすい雰囲気を作ることで、好きなテイスト以外にもお客さまが言いづらいことを話していただけるきっかけにもなるのかなと。なかには本当はやってみたいことがあるけれど、お値段を気にして言っていないという方もいるので、そういう本音をくみとれることも満足度につながっていると思います。とくにブライダルを担当するのは責任重大で、一生に一度の晴れ舞台ですから、お客さまの満足度が少しでも高くなるよう、全力で施術をしています。
――2019年からはネイルパートナーさん主催のコンテストに、8作品入賞されたそうですね。技術力はどのようにしてあげてきましたか?
とにかく描くことでしか、技術は身につかないということを痛感しています。どんなにノウハウを教えてもらって知識はあっても、それを実際に自分が作れるかということの間には大きな壁があって。なので今でも日々の練習は怠らないようにしています。あとはこのサロンを立ち上げたばかりのころ、今のようにたくさんのお客さまが入っていたわけではなかったので、空いている時間をアートの練習や作品作りにあてられたことも大きかったです。オーナーが材料も好きなものを使っていいと言ってくれたので、手描きネイルアートに適した材料や道具を使うことができ、それも技術力アップにつながっていきました。
「Nail&Eyelash LeeB」が人気になった3つのポイント
1.エレガントをコンセプトにし、上質を知る大人女子に好評を得た
2.ネイリストそれぞれの強みをいかし、ほかではできないネイルアートを提供した
3.お客さまが言葉にしていない好みを把握し、満足度をアップさせた
後編では山道さんがネイリストとして、どのようにキャリアアップしてきたかを伺います。元々は絵に携わる仕事をしたかったという山道さん。なかなか仕事にするきっかけがつかめずネイルの道に進んだそうですが、その後はひたむきにネイル技術を磨いたといいます。そうして高い技術が身に付いたことで、今のネイルサロンのオーナーから声をかけられ、子育てをしながらも好条件で働くことができているそうです。後編もお楽しみに!