アイリストの専門用語事典ま行
アイリストとして働くならば、しっかりと身に付けておきたい業界用語。今回はアイリスト専門用語の「ま」行をお送りします。
まつ育
まつ育とは、「まつ毛を育てること」の略で、生活習慣に気を付けながら、日ごろのケアを行うことによって、長く綺麗なまつ毛を手に入れることです。まつ毛の育毛剤であるまつ毛美容液の広告を行うにあたって、「育毛」という言葉を使う代わりに、「まつ育」という言葉を使ったところ、これが評判になって広く使用されるようになりました。このような由来であるため、まつ育の方法としては、まつ毛美容液を利用する方法が一般的です。さらに、クレンジングの際に強く擦る必要がなく、専用のリムーバーをコットンや綿棒につけて優しく擦るように行うことができます。その上、高い費用をかけずにまつげの負担を減らし、太く艶のあるまつ毛を育てることができるのです。
まつ毛エクステンション
「まつエク」とも略される、まつ毛エクステンション(eyelash extension)とは、自分のまつ毛に化学繊維等から作られた人工のまつ毛をグルーと呼ばれる専用の接着剤で装着していく技術のことをいいます。まつ毛1本に対して1本を装着し、両目で数十本から百数十本のまつ毛をつけます。これを行うことで、まつ毛を長く濃く見せることができるのです。目元をはっきりさせるためのマスカラやまつ毛を上向きにするマスカラを必要とせず、まつ毛への負担も軽減され毎日のメイク時間が短縮します。施術時間は、目の大きさ、本人の元のまつげの本数、毛質、デザインによって異なります。日本では美容師免許を持つ人のみに施術は限られていています。
まつ毛パーマ
まつ毛パーマとは、ビューラー等を使用しなくても自然な形でカールするように、専用のパーマ液でまつ毛を持ち上げる技術です。まつ毛パーマを行うことにより、メイク時間を短縮して、さらに、綺麗なカールを維持できるようになります。まつ毛パーマには、まつ毛にロッドを巻き付けてカールさせる方法とまつ毛をビューラーで挟んでカールさせる方法の2種類があります。よりしっかりカールをさせたい場合にはロッドを使用した方が良く、さまざまなタイプのロットの中から施術するまつ毛にあったものを選ぶ必要があるのです。まつ毛エクステと異なり、まつ毛パーマはまつ毛の長さや量が増えるわけではありませんが、まつ毛の癖に悩んでいる方やメイク時間を短縮したい人に向いています。
まつげ貧毛症
まつげ貧毛症とは、まつ毛が少なくなったり、細くなったり、短くなったりして、その本来の機能を十分に果たせない状態のことです。マスカラ、ビューラー、つけまつ毛など、まつ毛ケアによるダメージや加齢、アトピー性皮膚炎や乾癬皮膚疾患、治療薬の副作用などが原因となって発症します。通常、まつげ貧毛症に保険は適用されず、その治療費は全額自己負担となるのです。そのため、まつげ貧毛症にならないように予防することが必要になります。また、ビューラーのゴムを定期的に変え、使用時には引っ張らないように注意します。さらに、マスカラを何度も重ね塗りしたり、クレンジングでまつ毛を強く擦ったりしないようにする注意が必要です。ちなみに、まつげ貧毛症の治療は、皮膚科、眼科、アレルギー科などの病院で行われます。
眉マスカラ
眉マスカラとは、眉毛の色をアッシュやダークブラウン、ゴールド、オレンジなど地毛と異なる色に変えるための化粧品の総称です。たとえば、髪を明るい色に染めている場合、眉毛の色の明るさを揃えた方が自然な印象となり、また、髪の毛よりも明るい色にすることで、あか抜けた印象となるケースもあります。 眉マスカラの使用方法は通常のマスカラと同様です。まず、ティッシュを使用してダマと余分な液をとり、眉頭にしっかりと塗ります。その後、眉頭から眉尻に塗るのではなく、眉尻から眉頭に向かってギザギザに塗っていきます。こうすることで、毛の一本一本にしっかりと色を付けることができるのです。最後に乾ききる前に、毛の流れに沿ってブラシを動かして毛の流れを整えます。
眉脱毛
眉脱毛とは、眉上、眉間、眉周りなどの脱毛をすることです。眉脱毛には、レーザー脱毛、糸脱毛(スレッディング)、針脱毛、ブラジリアンワックス脱毛などがあります。糸脱毛とは、顔にパウダーを塗り、産毛を専用の糸で絡めとるという方法です。しかも、眉毛の脱毛に向いていますが、永久脱毛ではないため、継続的に通う必要があります。 眉脱毛を行うことにより、日々の手入れが楽になり、希望通りの眉になれた上に余分な毛に悩まされる心配が少なくなります。一方、目に近い部分を脱毛するため、レーザー脱毛では視力の低下などを引き起こすリスクの可能性もあり、眉脱毛を行っているサロンは少ないです。したがって、サロンの中には眉毛の上のみ施術を行い、眉下の施術に対応していないところもあります。
ミネラルファンデーション
ミネラルファンデーションとは、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、マイカなどのミネラルが配合されているルースパウダー状のファンデーションのことです。ミネラルとは無機質という意味で、一般のファンデーションとは異なり、界面活性剤やシリコン、油剤などを含んでいません。このため、夜に付けたまま眠っていても大丈夫といわれる通り、肌への負担が少なく、しかも、素肌のような自然なツヤ感を演出できるのが魅力的だといわれています。ただし、ミネラルファンデーションの定義は曖昧で、中にはミネラル成分は入っているものの、ミネラル以外の成分も含まれている場合があります。したがって、成分を確認してから購入するようにした方が良いでしょう。
ミンクエクステ
「ミンクラッシュ」とも呼ばれるミンクエクステとは、まつげエクステンションの種類のひとつで、シルクエクステよりも柔らかく、セーブルエクステよりは固い素材を使用した技術です。 実際に、イタチ科の哺乳類であるミンクの毛を使用したエクステも存在しますが、一般的にミンクエクステと呼ぶ場合、その質感がミンクの毛のように仕上がるにすぎず、ナイロン製の人工毛を利用しています。そして、羽のように付け心地が軽く、地まつ毛にも馴染みやすいため、3種類あるエクステの中でも人気が高いといわれています。シルクエクステに比べて、リーズナブルで、ナチュラルな仕上がりとなりますので、初めてまつ毛エクステンションをする方にも向いている方法です。
メンテナンス
メンテナンス(maintenance)とは、正常な状態を維持できるように手入れをすることです。通常、アイリストが使用する場合は、まつ毛エクステンションを行った後、その状態を長期間維持できるように手入れすることを意味します。 一般的に約2,3週間ごとにリペアを行い、3か月後に1度のペースですべてのエクステを付け替えるのが良いとされています。リペアとは、外れかかっているエクステや他の毛の向きと異なる方を向いているエクステを付け直して、エクステ直後のまつ毛の状態に戻すことです。もっとも、メンテナンスの時期は普段のケアや寝る姿勢、季節や湿度など個々の状況によって変わりますので、気になり始めた時に行くのが良いでしょう。
毛周期
毛周期(もうしゅうき)とは、毛の成長サイクルのことです。大きく分けて、毛の伸びる成長期、細胞分裂が停止し抜ける準備をする退行期、抜けるまでの期間である休止期の3つに区別することができます。その1本1本がどの段階にあるのかが異なり、隣り合う毛であっても関連性はほとんどありません。また、体の部位によって毛周期の長さは異なり、髪の毛やわきの下の毛の毛周期は約4か月です。それに対して、体毛の中でもかなり短いまつ毛や眉毛は毛周期も短く、個人差があるものの、一日で約0.18ミリ伸び、2週間から3か月で生え変わります。自分の毛周期を把握しておくことで、まつ毛エクステンションを行うときやまつげ美容液を使用する際に役立ちます。