美容師がカミソリを使うレザーカットとは?メリットや注意点について紹介
美容師が行うカット技術には、カミソリを使った「レザーカット」と呼ばれるカット手法もあります。しかし、具体的にどのようなカット方法で、どんなメリット・デメリットがあるのかについて、よくわからないという方も少なくないでしょう。
本記事では、美容師がカットに取り入れるカミソリを使ったレザーカットの特徴やメリット、デメリット、手入れ方法について紹介します。美容師として働くにあたって必要となるカミソリを使ったカット方法について知って、サービスに取り入れてみましょう。
美容師がカミソリを使うレザーカットとは?
レザーカットとは、カミソリを使って髪の毛をそぐようにカットする手法です。髪に対してナナメ方向にカットするので、柔らかい印象の仕上がりに。
対して、ハサミを使ったシザーカットは、髪の毛に対してまっすぐカットするのでキレイなラインができて、変に動きがですぎない髪型になるのが特徴。髪型に軽やかさを出すためには、スキバサミなどで毛量を調節する必要があります。
お客様が求める髪型に仕上げるために、どちらのカットも併用して、その都カット方法を切り替える美容室も少なからず存在します。
カミソリを使った専門の顔・ヒゲ剃りサービスは提供できない
レザーカットを提供する美容室は多いですが、あくまで化粧や美容サービスに付随する形で提供されるサービスに限定されます。顔剃りなどのヒゲソリを使ったサービスを専門に提供する場合は、理容師免許の取得が求められる点に注意しましょう。
ヘアケア・美容サービスを提供するのが美容室です。カミソリを使う場合は、これらのサービスに付随する形でレザーカットをしなければならないという制限があります。
レザーカットを行う3つのメリット
シザーカットではなく、レザーカットを行うことで得られるメリットがあります。レザーカットの強みを確認して、お店で提供するカットサービスにも活かしていきましょう。
1.柔らかい印象の髪型を作れる
レザーカットは髪の毛に対してナナメにカットするので、毛先が細くなり、柔らかくアレンジがしやすい髪型に仕上げられます。ふわふわとして可愛らしい髪型になるので、髪の毛の長さが短いボブカットやショートカットなどの髪型と相性がいいです。
そのため、髪の毛にボリューム感を出して、可愛らしい印象の髪型に仕上げたい方にもおすすめです。また、男性で毛束感を出し、軽いセットでも簡単に髪型を決めることもできます。
2.カット時間を短縮できる
レザーカットを取り入れる大きなメリットの一つが、カット時間の短縮化です。毛量の調整とカットをカミソリを使って同時に行うので、シザーカットよりも時短できます。
シザーカットの場合、カット用のハサミや毛量を調節するスキバサミなど、複数のハサミを使うので、レザーカットよりも長い時間がかかってしまうケースが多いのです。
3.腱鞘炎の予防になる
美容室でシザーカットばかりしていると、腱鞘炎になってしまうことも。しかし、ハサミとカミソリを使い分けることで、腱鞘炎になってしまうリスクを下げられるでしょう。
指と手首を酷使することで発症する腱鞘炎は、美容師の職業病とも言える症状です。そこで、レザーカットを取り入れることで、負荷を分散し、腱鞘炎の予防につなげられます。
レザーカットを行う際のデメリット
レザーカットを行うデメリットは、お客様の髪質や求めている髪型によっては、レザーカットが適さないケースもある点です。どんな場合にレザーカットをすべきではないのか、また、どんな点に注意すべきかを確認しましょう。
1.髪質によっては不向きな場合もある
レザーカットは、くせ毛の方や毛先が細くふんわりした印象の髪型の方には不向きです。レザーカットは髪型がふんわりとまとまりやすくなるのがメリットですが、くせ毛の毛先を細くしてしまうと毛がはねてしまい、かえってまとまりづらくなってしまうことも。
また、元々髪の毛が細い方は、レザーカットで軽やかに仕上げる必要性は薄いです。
2.髪の毛が傷んでしまうことも
レザーカットのデメリットに、髪の毛が傷んでしまうリスクが挙げられます。これは、カミソリを使う美容師のスキルが低い、もしくは切れ味の悪いカミソリを使用することが原因です。
毛先が枝毛になってしまったり、髪の毛が傷んでしまわないように、レザーカットのスキルを上げ、きちんと手入れをして切れ味を維持しておくことが大切だといえます。
3.カミソリには手入れが必要
レザーカットの質を上げるためには、カミソリの手入れは必須です。一般的な手入れ方法としては、砥石や水、タオルを用意し、下記の方法で手入れしていきます。
1.砥石とカミソリを水でぬらす
2.カミソリを砥石につけ、切刃を垂直にして研ぐ
3.研いでいる最中に出る泥はタオルでこまめに拭き取る
4.裏側も同様に研いでいく
毎日手入れをするのが基本ですが、切れ味しだいでは毎日やる必要がないことも。カミソリを使用したあとは、必ず熱湯を使って殺菌・消毒をするようにしましょう。
カミソリの種類と手入れ方法
一口にカミソリと言っても、いくつかの種類があります。それぞれの特徴と手入れ方法をおさえて、準備万端の状態にしておきましょう。
おすすめのカミソリと手入れ方法については、以下の記事も参考にしてみてください。
理容師におすすめのカミソリ5選|カミソリの種類やメンテナンス方法についても詳しく解説
電気シェーバー
外刃で肌を押し、内刃で長くなった毛をカットするカミソリです。一般的なカミソリと比較すると、肌に与えるダメージが少ないのがポイントだといえます。理容師免許を保有していなくても、美容室での施術に問題なく使える点も特徴です。
お手入れの仕方は、まずクリーニング剤やハンドソープをつけて、外刃を泡立てながら洗浄します。内刃は流水ですすぎ洗いをします。その後は本体を乾かし、オイルで刃をコーティングしたらお手入れは完了です。
T字カミソリ
T字カミソリは、見た目どおりT字型のカミソリです。ムダ毛の処理に幅広く使われます。
お手入れの仕方は、まずお湯をくぐらせ、タオルを当てて刃の方向にすべらせます。歯ブラシなどで隙間に入った毛をキレイにして、タオルで拭いたらお手入れは完了です。
一枚刃
一枚刃は、美容室・理容室でカットの際に使われるカミソリ。美容室で使われる場合は、美容・メイクサービスに付随する形で提供されることが大前提です。
砥石を使って切れ味を維持する必要があり、殺菌・消毒のプロセスも重要です。きちんと手入れして使うことで、長く使えるカミソリだといえます。
美容師がカミソリで施術する際のポイントをおさえて、業務につなげていこう!
美容師がカミソリを使ってカットをするレザーカットは、シザーカットとは異なる軽やかで可愛らしい印象の髪型に仕上がるのが特徴です。また、腱鞘炎の予防やサービスの提供時間の短縮につながるという可能性もあります。
ただし、お客様の髪質や希望する髪型によっては、レザーカットが向かない点があるのと、きちんとカミソリを手入れしないと髪が傷んでしまう原因になる点に注意です。
カミソリを使ったレザーカットをうまく取り入れて、お客様の満足度を向上させ、多くの人から愛されるお店づくりを目指していきましょう。