マッサージの専門用語事典な行

マッサージ師として働くならば、しっかりと身に付けておきたい業界用語。今回はマッサージ師専門用語の「な」行をお送りします。

内臓脂肪

内臓脂肪とは、内臓についている脂肪のことです。そして、皮膚の下についている皮下脂肪と合わせて体内脂肪と呼ばれています。内臓脂肪は女性より男性につきやすい脂肪で、糖尿病や動脈硬化・高血圧症など生活習慣病の原因となります。飲酒や食事などの生活習慣の影響をうけやすいため、中年以降になると増えやすく、内臓脂肪の量は、健康診断でお腹まわりのサイズで計るのが一般的です。さらに、腹囲が男性であれば85cm以上、女性であれば90cm以上あると、内臓脂肪が増加していると判断され、生活習慣の見直しなどの対策が必要になります。内臓脂肪は皮下脂肪に比べて、身体につきやすく、落としやすいという性質があり、食事制限や適度な運動、マッサージなどで脂肪を減らすことが可能です。

ナッツオイル

ナッツをしぼって集めたオイルの総称です。ナッツオイルは食用だけでなく、顔や身体のマッサージにも使用されていて、スイートアーモンドオイル、マカデミアナッツオイル、ヘーゼルナッツオイルなどの種類があります。ナッツ油は豊富な栄養成分を含んでおり、肌へ非常に浸透しやすく、皮膚への刺激が少ないという特徴があります。またナッツ特有の香ばしい芳香があり、肌につけて伸ばした時にリラックス効果が高いのが人気の秘密です。抗炎症作用や保湿作用、かゆみを抑えるなどの効能が期待できます。手に入りやすく、使用感が良いので人気のオイルですが、ナッツアレルギーの人が使用すると、かゆみや炎症、じんましん、アナフィラキシーショックをおこしてしまう危険があります。したがって、事前にパッチテストをしてから使用すると良いでしょう。

乳酸と疲労

乳酸とは、摂取した糖をエネルギーに分解する過程で作られる有機化合物です。運動後、乳酸が筋肉にたまるため、長い間「乳酸が疲労物質である」と考えられてきました。しかし、研究が進んだ結果、乳酸は重要なエネルギー源で筋肉の疲労を早く回復させる役割を果たしていることが判明しました。運動後の筋肉痛は、疲労物質である乳酸の蓄積が原因で起こるといわれています。そして、マッサージを行うことによって乳酸を押し流すため、増えた乳酸は時間と共に分解されて、筋肉には残らないことが判明しています。したがって、筋肉痛がある場合は、マッサージで患部を揉みほぐすことによって血行を良くし、筋肉そのものの緊張やコリを鎮めることを目的として行っているのです。

尿酸値

尿酸はエネルギー代謝の過程や、細胞内の核に含まれているプリン体が、肝臓で分解される際に発生する老廃物です。尿酸はマッサージで身体をもみほぐすことによって、体外に押し出されます。尿酸は体にとって不要な物質で、通常は腎臓から尿に混じって排泄されます。尿酸が溜まりやすいかそうでないかは、遺伝的な要因や、食生活や飲酒の習慣などで決まるのです。血液中に含まれる尿酸の濃度を尿酸値と呼びますが、尿酸値が高くなると、腎臓の病気や尿管結石の原因になります。中でも尿酸が身体の関節の部分に結晶となって蓄積する「痛風」という病気が有名です。マッサージには尿酸を体外に押し出す効果がありますが、痛風の人が患部をマッサージすると、痛みが強くなるので注意が必要です。

妊娠線

妊娠線とは、妊娠中に主にお腹、二の腕、太もも、お尻の皮膚にできる、ひび割れのような線のことです。妊娠線ができるかどうかは体質によるものが大きく、小柄な人や、痩せ型の人、体重の増加が大きい人、多胎妊娠の人、35歳以上の人、アトピー性皮膚炎の人に比較的妊娠線ができやすいといわれています。 出産を終えてしばらくすると、妊娠線は目立たなくなりますが、完全に消すことはできないので、妊娠線を作らないように妊娠初期から予防的にマッサージをする妊婦さんが増えています。妊娠線の予防マッサージは、皮膚の柔軟性を高めることが目的です。その方法とは、まず、クリームやオイルをつけて手の滑りを良くし、ごく弱い力で優しくなでるような感じで妊娠線ができやすい所のマッサージを行います。

ナディ

ナディは、サンスクリット語で経路を意味する言葉です。アーユルヴェーダの考え方をベースにしてうまれたタイ古式マッサージでもなじみの深い概念で、タイではナディのことを「セン」とも呼んでいます。「ナディ」や「セン」というエネルギーラインを、マッサージによって刺激することで、身体のコリをほぐし、痛みやストレスから解放することができると考えられています。 身体の中に管のような形になっていて、中を宇宙からのエネルギーが通る仕組みとされているのがナディです。さらに、ナディは無数に通っていて、中でも脊椎中枢神経を通る「スシュムナー」と体の左側にある「イダー」、体の右側にある「ピンガラ」という3つのラインは重要なラインであるといわれています。

乳腺マッサージ

乳腺マッサージは、バストアップに効くマッサージの方法で、「乳腺刺激マッサージ」と呼ぶこともあります。マッサージで乳腺を刺激し、女性ホルモンの分泌を増やすことで、乳腺のまわりに脂肪がつきやすくなるという性質を利用した手法です。手にクリームやオイルをつけて滑りをよくし、バストを支える靭帯を伸ばさないように、ソフトな力で乳房のまわりに円を描くようにマッサージしていきます。脇の下から乳房の下を通って、胸の谷間を通過し、デコルテの方向までリンパを流していくようなイメージでおこないます。乳腺をマッサージすることで、ホルモンバランスがかわり、子宮が収縮することがあるので、妊娠中や授乳中の人は、乳腺マッサージをうけるのを控えるようにするのが賢明です。

ネロリ

エッセンシャルオイルのひとつで、ビターオレンジの花から水蒸気蒸留法で抽出されます。ネロリはビターオレンジの花からほんのわずかな量しかとれないため、希少で高価なエッセンシャルオイルで、さわやかな柑橘系の香りが特徴です。肌の新陳代謝を促し、皮膚を柔らかく整える作用があるといわれており、妊娠線予防のマッサージに使われることがあります。皮膚の健康だけでなく、イライラや緊張を鎮めて、気持ちの落ち込みを改善するメンタル面の症状改善のためにも使用されています。安全性の高いエッセンシャルオイルです。さらに、柑橘の皮から作られる精油にある光毒性もなく、マッサージオイルやクリーム、入浴剤、美容液など幅広い用途で使用されています。

二指軽擦法

マッサージの手法のひとつで、ひとさし指と中指の2本の指の腹部を皮膚に密着させて、ごく軽い二指軽擦法は、力でなでたりさすったりするマッサージ法です。「にしけいさつほう」と読みます。顔などごく狭いスペースのマッサージで使われる手技で、指の滑りをよくするためにクリームやオイルを使用することもあります。軽擦法は手や指で皮膚の神経を刺激して血管をひろげ、血行を良くする目的で行われます。皮膚のごく浅い所を流れているリンパ液の流れをよくする効果があるので、リンパマッサージで使用されることが多いテクニックです。なでる方向は末端から中央に向かって行うのが一般的で、軽擦法はマッサージの最初と最後に行われることが多い手法です。

二指揉捏法

二指揉捏法は、マッサージの手法のひとつで、ひとさし指と中指の2本の指を使い、筋肉をもんだりねじったりするマッサージ法です。「にしじゅうねつほう」と読みます。二指揉捏法では、痛みや違和感がある部分を2本の指ではさみ、筋をつかむようにもみほぐしていきます。腕や首などやや狭くて細い筋肉に対して用いられる手法です。揉捏法とはかたくこわばった筋肉をもみほぐして、疲労をやわらげたり、皮下脂肪を減らしたり、セルライトの改善や防止する目的で使われることの多いテクニックです。こねるようにもみほぐすことで新陳代謝が活発になり、体内の老廃物を押し流す効果も期待できます。一定の圧で身体をもみほぐしていくため、リラクゼーションの効果を得ることができます。

 

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