あん摩マッサージ指圧師はやめとけと言われる理由は?目指すメリットや向いている人の特徴も紹介
あん摩マッサージ指圧師を目指す人のなかには、あん摩マッサージ指圧師についての情報をインターネット上で探す際、予測検索に「やめとけ」と表示されるのを見て戸惑った経験を持つ人もいるかもしれません。
このまま目指しても大丈夫か、不安になる人もいることでしょう。
そこで今回は、あん摩マッサージ指圧師はやめとけと言われる理由と資格取得のメリット、そして活躍の場や向いている人の特徴を紹介します。
あん摩マッサージ指圧師はやめとけと言われる7つの理由
国家資格のひとつでもあるあん摩マッサージ指圧師ですが、さまざまな理由から「やめとけ」と言われることが少なくないようです。
なぜそのように言われてしまうのか、その理由を詳しく紹介します。
収入が低いケースがある
厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査」から導かれる、あん摩マッサージ指圧師を含む「その他の保健医療従事者」の2022年度平均年収は443.3万円です。一方、国税庁民間給与実態統計調査によると、同じく2022年の給与所得者全体の平均給与は458万円となっています。
引用元
厚生労働省:賃金構造基本統計調査1 一般_職種(小分類)DB
国税庁:令和4年分 民間給与実態統計調査
あん摩マッサージ指圧師は国家資格を取らなければなれない職業にも関わらず、平均よりも年収が低いことが、「やめとけ」と言われる一因にあるようです。
しかし厚生労働省のデータは、あん摩マッサージ指圧師のみではなく、栄養士や柔道整復師なども含んだ平均年収である点には注意が必要です。
より職種に特化したデータとして、2024年7月に求人サイト「リジョブ」に掲載されていたあん摩マッサージ指圧師の正社員求人情報があります。
月給下限 | 月給上限 | 平均 |
249,306円 | 614,462円 | 431,884円 |
統計データの2年後の求人であるため、単純比較は適切ではありませんが、この平均月収を年換算すると約518万円となり、先の統計よりも高くなります。
また大前提として、あん摩マッサージ指圧師は、働き方によって給与形態も異なります。そのため、あん摩マッサージ指圧師の収入は働き方や勤務先、そして勤続年数やスキルなどによって大きく変わることは覚えておくと良いでしょう。
資格取得に時間やコストがかかる
あん摩マッサージ指圧師になるためには、国家資格の取得が必須です。
国家資格を取得するためには、当然ですが国家試験に合格する必要があります。あん摩マッサージ指圧師の国家試験は誰でも受けられるものではなく、所定の養成機関(大学や専門学校など)で3年以上、あん摩マッサージ指圧師としての知識や技術を学んだ人しか受験できません。
そのため、あん摩マッサージ指圧師になるためには、最低でも3年の学習期間と、そのための学費が必要となります。
長時間労働になりがち
治療院などに勤務する場合、診療前の準備から診療後の後片付けまでを含めると、長時間労働になるケースもあります。また、患者のニーズに対応するために早朝や深夜、土日祝日も営業している場合は、それらの時間にも出勤しなくてはいけません。
労働環境を改善するためにシフト制を取り入れている場合はその限りではありませんが、少人数で経営している治療院などシフト制を取ることが難しい環境もあります。
身体的な負担が大きい
あん摩マッサージ指圧師は、手指を使って施術を行うため、腱鞘炎になることがあります。
また、1日中立ちっぱなしでいることが多いため、足腰にも負担がかかるなど、身体的な負担が大きい職業と言えるでしょう。
競争が激しい
日々の疲れやストレスを癒す場所として、リラクゼーションサロンなどの出店も増えたことにより、業界内での競争が激化しています。
競争が激しい環境で安定した収入を得るために、他店との差別化や集客・マーケティングに関するスキルも求められるようになっています。
マッサージの内容によっては無資格でも行える
マッサージには医療行為となる「治療」目的のものと、リラクゼーション目的の「もみほぐし」があります。
「治療」目的のマッサージは本来、国家資格を持ったあん摩マッサージ指圧師にしか許可されていない施術ですが、無資格でも行える「もみほぐし」との違いがあまり一般的に知られていません。
そのため、あん摩マッサージ指圧師の国家資格の取得には意味がないと考える人もいるようです。
引用元
job tag:あんまマッサージ指圧師 – 職業詳細
人間関係が複雑になりがち
治療院などは少人数で運営しているケースも少なくないため、一緒に働くスタッフとの関係が思わしくない場合でも、異動などの選択肢がありません。そのため、どうしても職場の人間関係に我慢できない場合、離職以外の選択肢がない可能性もあります。
あん摩マッサージ指圧師とは
あん摩マッサージ指圧師はあん摩マッサージ指圧師国家資格に合格し、国家資格を得た施術者です。
マッサージによって凝りをほぐしたり、血行を改善したりすることによって、症状の改善や健康増進をサポートするための施術を行います。
働く場所によって求められる施術が異なり、治療院では身体の痛みや凝りの改善、医療施設では医師の指示のもとリハビリ治療を行うこともあります。
引用元
job tag:あんまマッサージ指圧師 – 職業詳細
あん摩マッサージ指圧師を目指すメリット
労働時間や競争率の高さから「やめとけ」と言われることもあるあん摩マッサージ指圧師ですが、この職業にもメリットがあります。
働き方の選択肢が幅広い
あん摩マッサージ指圧師は、正社員以外にも、パートやアルバイト、フリーランスといったさまざまな働き方を選択できます。
自身のライフサイクルに合わせて働き方を選べる点は大きなメリットです。
働く場所の選択肢も幅広く、治療院のほか介護福祉施設での需要もあります。また、介護福祉施設では、機能訓練指導員としても就労できます。
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他の資格の受験資格が得られる
あん摩マッサージ指圧師は、業務経験が5年以上かつ900日を超えると介護支援専門員(ケアマネージャー)試験の受験資格が得られます。
ケアマネージャー資格を取得することで、医療的なケアと福祉的なケアの両方に精通していると証明できるため、介護業界での転職に大きな強みになるでしょう。
お客様の健康をサポートできる
施術によって患者の不調が改善されたり、健康な状態を維持するサポートが可能です。
また、施術に対して患者本人やその家族から、感謝の言葉を直接もらうこともあります。これは、あん摩マッサージ指圧師にとってやりがいを感じられる瞬間のひとつです。
独立開業ができる
資格取得後に治療院などで実務経験を積み、独立開業するあん摩マッサージ指圧師も少なくありません。
あん摩マッサージ指圧師の場合、開業のために特別な設備や器材を必要とせず、自宅での開業や訪問サービスでの営業も可能なことから初期費用をあまりかけずに開業できます。
あん摩マッサージ指圧師が活躍できる場所
あん摩マッサージ指圧師は、治療院をはじめさまざまな活躍の場があります。就職先としてどのような職場があるかを紹介します。
治療院・鍼灸院・接骨院
あん摩マッサージ指圧師は、マッサージ院や整骨院などの治療院で働き、患者の不調改善などの治療を行うことができます。
ただし、治療院によって施術のメニューや方針が異なるため、自分が行いたい施術がその職場でできるかは就職前に確認が必要です。
また、治療院によっては鍼灸師や柔道整復師との連携しての施術を行います。
鍼灸師の仕事内容に興味がある場合は、下記の記事も参考にしてください。
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医療・福祉・介護施設
医療機関や介護福祉施設などで、マッサージの施術を行ったり、リハビリのサポートとして活躍することもできます。
また、 日常生活を送るための身体機能のキープなどのためにリハビリを行うデイサービスなどでは、機能訓練指導員として活躍することも可能です。
機能訓練指導員について詳しく知りたい場合は、下記の記事も参考にしてください。
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スポーツ施設
スポーツトレーナーとしてスポーツ施設で働いたり、プロスポーツチームに帯同したりすることも可能です。
また、アスリートへの施術を多く行っている整体院などの治療院もあり、職場によっては必要なタイミングでスポーツトレーナーとして派遣される、専属ではない働き方もあります。
これらの現場では、あん摩マッサージ指圧師の技術を活かし、アスリートのケガの予防や応急処置、パフォーマンス向上のためのサポートを行います。
あん摩マッサージ指圧師の資格に加え、アスレティックトレーナーなどの資格も持っていると対応できる業務の幅が広がり、より活躍の機会が増えるでしょう。
エステサロン・美容サロン
エステサロンや美容サロンでの施術は、必ずしも資格が必要なものではありません。しかし、さまざまな施術メニューに対応するため、あん摩マッサージ指圧師のほか鍼灸師や柔道整復師も活躍しているサロンもあります。
あん摩マッサージ指圧師に向いている人の特徴
あん摩マッサージ指圧師になりたいと考えている人のなかには、自分が向いているのか気になる人も少なくないでしょう。
ここでは、どのような人があん摩マッサージ指圧師に向いているかを紹介します。
コミュニケーション能力が高い人
患者の不調や悩みをていねいに聞いて施術を行う必要があるため、コミュニケーション能力は欠かせません。
特に患者が必ずしも的確に症状を説明できるとは限らないため、上手に引き出すスキルが施術者側に求められるケースもあります。
体力に自信がある人
長時間に及ぶ勤務や不規則なシフト制勤務は、体力のない人にとっては継続が難しいでしょう。
また、施術中は基本的に立ちっぱなしであるほか、腰や手指にも負担のかかる職業です。
これらの点を加味すると、体力に自信のある人に向いていると言えます。
根気強く努力を続けられる人
国家資格の取得に時間がかかるほか、資格取得後も常に新しい技術・知識についての勉強が欠かせません。そのため、向上心を持って根気強く努力ができる人に向いている職業かもしれません。
あん摩マッサージ指圧師の求人を見つける方法は?
あん摩マッサージ指圧師の求人は、ハローワークの利用や求人情報誌のチェックなど、さまざまな方法で探すことができます。
しかし自分の条件に合った求人探しはかんたんなことではありません。ここでは、自分の希望に沿った求人を探す方法として、就職・転職エージェントと求人サイトの利用について紹介します。
就職・転職エージェントに登録する
就職・転職エージェントでは、希望条件に沿った求人とのマッチングのほか、面接日程の調整や履歴書など提出書類についてのアドバイスも行ってくれます。
エージェントは数多くありますが、登録の際は自分が希望する職種に強いエージェントを選ぶと良いでしょう。
求人サイトを利用する
すきま時間など自分の好きなタイミングで求人を探すなら、求人サイトの活用がおすすめです。
なかでも、美容業界に特化した求人サイト「リジョブ」なら、業界の就業条件に対応した検索条件が豊富にあるため、自分のこだわりに沿った求人が探しやすくなっています。
また、会員登録し、希望職種や条件を登録しておくことで、企業からスカウト(オファー)を受けられる機能もあります。
国家資格を取得してあん摩マッサージ指圧師を目指そう
あん摩マッサージ指圧師は労働時間の長さなどから「やめとけ」と言われることもあるようです。しかしその理由を知った上で、その条件に当てはまらない職場を探すことも不可能ではありません。
また、あん摩マッサージ指圧師は活躍の場も広がっていることから、職場の選択肢も広がってきていると言えるでしょう。
あん摩マッサージ指圧師としての就職・転職には、美容業界に特化した求人サイト「リジョブ」の利用がおすすめです。リジョブは転職満足度が98%※と非常に高いサービスです。
ぜひリジョブで自分に合った求人を探して、あん摩マッサージ指圧師になるという夢を叶えてください。
※転職満足度98%|リジョブ経由で採用された1,242名を対象に実施した満足度自社調査より(実施期間:2023年2月8日〜2023年3月8日)