28歳で銀行員から施術家へ転身!高齢化社会での必要性を感じて「KEiROW 目黒ステーション」川喜多玲子さん
日本の健康を支える施術業の魅力を紹介する本企画。今回は、ハウスクリーニングや皮革製品の修理など暮らしにまつわるサービスを提供する会社「HITOWAライフパートナー」の訪問鍼灸マッサージ事業「KEiROW」で働くみなさんにお話をお聞きします。
前編では「KEiROW事業部」の事業責任者を務める牧野鉄兵さんにインタビューし、「KEiROW」の成り立ちや大切にしている想いなどを伺いました。
後編では「KEiROW」フランチャイズ加盟店で働いている施術家の川喜多さんにお話を聞かせていただきます。7年の銀行員勤務を経て、施術業へと大きくキャリアチェンジした川喜多さん。はじめての訪問施術に不安があったそうですが、研修やサポートの充実に安心感を覚え「KEiROW フランチャイズ加盟店」に応募を決めたそうです。研修や現在の1日のスケジュールは一体どのようなものなのでしょうか?語っていただきました。
今回、お話を伺ったのは…
「KEiROW 目黒ステーション」鍼灸・あん摩マッサージ指圧師
川喜多玲子さん
東京都出身。大学卒業後、大手メガバンクに就職。施術業への興味が高まり資格の取得のため専門学校を経て、接骨院に就職。その4年後、「訪問鍼灸マッサージKEiROW」の施術家として活動を始める。
高齢化社会での必要性を感じて訪問施術家への転身を決意
――まずは川喜多さんが施術家になろうと思ったきっかけは?
きっかけは大学時代に先輩がマッサージの仕事に就くと聞いたことです。私は中学から大学までバスケットボールをしていて接骨院に通うことも多かったのですが、先輩の話を聞くまでは施術家を仕事としてあまり認識していませんでした。興味が湧いてリサーチしたところ就職には専門学校に通って資格を取らなければいけなかったため、学費やプライベートを理由に諦めて、もともと夢だった銀行に一度就職したんです。
でもそこで働いていると、たまに施術家への興味が湧き出てくることがあって。銀行員7年目のとき多忙だった業務が落ち着いた時期があったので、「転職するなら今かもしれない」と直感を信じて施術家を目指すようになりました。
――もともとは銀行員だったのですね。
はい。退職後はまず資格を取るために専門学校に入学しました。当時28歳だったこともあり、同級生は10歳くらい歳下の人が多かったです。在学中に「私と同じ年齢で施術家として活躍している人に比べたら遅れをとっている」とよく思っていたので、卒業後は多くの経験を積める接骨院に就職しました。1日約30人もの施術を行い、さらにさまざまな症例の人が利用するという点が私にぴったりだと思ったんです。
――そこから訪問施術家に転身しようと思った理由は?
高齢化社会での訪問施術の必要性を実感したからです。既に来院歴のある年配の患者さんが接骨院で体調不良になってしまい、自宅にお送りすることがあったんです。そのときに患者さんが一人暮らしだということを初めて知って。自分の足で移動することはできても体調不良になってしまうリスクを抱えて来院する方はこの患者さん以外にもたくさんいるのだろうと思い、訪問施術家への転身を考えるようになりました。
はじめての訪問業。研修内容の充実が応募の決め手
――「KEiROW」を就職先に選んだ理由は?
ここなら不安なく働けると思ったからです。訪問施術家としての就職先を探すときに専門学校でお世話になった先生に相談したのですが、いくつか就職先をリストアップしてくださったんです。そのなかの1つに「KEiROW」があり、学校の卒業生にも就職している人がいることから興味を持ったところ、KEiROWフランチャイズ本部の方を呼んでくださって。研修内容やサポートなど情報を詳しく教えていただき、はじめての訪問業ということで抱えていた不安が解消できたので応募を決めました。
――なるほど。実際に受けた研修はどのような内容でしたか?
「KEiROW」では基本的に、スタッフ1人につき1つタブレットが貸与され、その端末で動画を見て学びます。症状別の詳しい対応や施術の際の注意点、先輩たちの失敗例などを動画で見ることができるんです。ネットでアクセスすれば自分のスマホからでも見ることができるので、施術後に振り返って反省、改善につながりやすくなっています。
実技においては、先輩と現場に同行して一緒に施術することがほとんどです。コロナ禍の間は中止していましたが、今後は理学療法士さんによる機能訓練の授業や、施術に同行してアドバイスしてくださる研修も復活する予定です。
――川喜多さんの1日のスケジュールを教えてください。
私は9時〜18時で勤務しています。午前中に4、5件施術した後に昼休憩に入って午後も4、5件、1日あたりだいたい8〜10件の施術を行うスケジュールです。施術は1件あたり30分程度で、次の訪問先への移動には自分のバイクを利用します。
新人時代は1日の件数も少なく、事務所で練習したり先輩に同行したりすることが多かったです。仕事に慣れてきたら徐々に件数が増えていくという形だったので、プレッシャーや不安を感じづらかったと思います。
――移動が多いと大変なイメージがありますが実際はどうですか?
私にはとても合っていたんです。接骨院で働いているときは患者さんが来院されるのを待つ形で、他スタッフと一緒に過ごす時間がほとんどでした。でも訪問は1人の時間が多いので気兼ねなく過ごせ、落ち着いた気持ちで仕事ができています。
不安は伝染する。自信を持つことが質のいい施術につながる
――新人時代に失敗したことはありますか?
はじめて施術をするときに不安から恐る恐る取り組んでしまい、利用者様を怯えさせてしまったことがあったんです。施術者の不安は利用者様にも伝染すると感じた経験から、動画の視聴や練習を繰り返し行い、自信を持って施術に取り組めるようにしました。
――訪問鍼灸マッサージのやりがいは何ですか?
利用者様が笑顔で接してくれるようになったときにやりがいを感じます。利用者様本人から依頼があった場合は問題ないのですが本人以外のご家族などからの依頼の場合、利用者様にとっては突然自分のプライベート空間に知らない人が来るという恐怖から「来ないで」、「やめて」と拒否されることがあります。過去にそれが半年続いた利用者様がいたのですが、根気よくコミュニケーションをとっていたところ徐々に関係がよくなり、笑顔で接してくれるまでになったんです。そのときはやりがいを強く感じました。
あとは「ありがとう」と感謝してもらえたときです。訪問鍼灸マッサージは利用者様の身体状態を改善することができます。当初はできなかった動作ができるようになるまで体が回復すると本人だけでなくご家族にも喜んでいただけて、その表情や姿を見るたびに「この仕事をしていてよかった」と感じるんです。
――大きなやりがいですね。訪問鍼灸マッサージはどんな人が向いていますか?
まず前提として人の役に立ちたいという気持ちが強い人だと思います。そして、学びに貪欲でいられることも重要だと思います。利用者様に常により良いサービスを提供することが目的なので、とくにスキルアップを心がけられる人が向いているのではないでしょうか。
――最後に「KEiROW」を目指す人へのメッセージをお願いいたします。
新たな仕事を始める際、不安は多くあると思います。ただ「KEiROW」はサポートも充実しているので、そこまで不安がらずに挑戦していただきたいです。私も最初は不安でしたが、さまざまな人の力を借りながら成長し、今では問題なく一人で訪問施術に取り組めています。やる気があるならきっと大丈夫なはずです。
銀行員から接骨院、そして訪問施術家と深いキャリアを積んできた川喜多さんだからこそのエピソードを多く伺えました。なかでも、訪問施術家への転身を考えるきっかけになった一人暮らしの患者さんのお話からは、高齢化社会の実情がわかり危機感を感じました。いつかは自分が利用者様になるという想いで、訪問施術の必要性を広めていかなければならないと考えさせられる貴重なインタビューでした。ぜひ「KEiROW」への応募を考えている方、訪問施術に興味のある方は参考にしてみてくださいね。