美容師のブローテクニック!うまい乾かし方&セットのコツは?

美容師のスタイリング技術は、カット・カラー・パーマだけで決まるわけではありません。シャンプーをした後のブローも極めて重要な技術です。まったく同じヘアスタイルで同じワックスやスプレーを使っていても、ブローの技術によって印象が大きく変わるのです。また、正しいブローのやり方をお客様に教えることは、お客様が毎日髪の健康を保つ上でも大きなプラスになります。ここでは美容師が知るべきブローのテクニックをまとめます。

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髪が濡れている時は低温で乾き始めたら高温にする

美容師がブローをする場面は、ほとんどがお客様のシャンプーの後です。髪の毛が濡れた状態から始めるわけですが、最初の温度は60℃などの低温にします。濡れた状態の髪の毛は冷えているので熱風を与えると急激な温度変化が起きます。

髪の毛はケラチンというタンパク質で構成されていますが、急激な温度変化はタンパク質の組織にダメージを与えます。たとえば「肉を凍らせた後で暖かい場所に置く」ことを繰り返したら、肉がすぐに傷むことは想像できるでしょう。冷えた状態の髪にいきなり熱風を当てることも、同様にケラチンにダメージを与えるのです。

こうした理由で、まずは冷風で髪を乾かします。そして、ある程度髪の温度が上がったらドライヤーの温度を上げます。温度調整が2段階のドライヤーだと温風は大体130℃に設定されています。冷風の60℃から一気に70℃上がるため、ドライヤーを離して当てるようにしましょう。

業務用ドライヤーの中には温度調整が5~6段階でできるものもあります。これだけ細かく調整できるとドライヤーの距離を変える必要がありません。お客様の髪に近づけたまま使えるのでドライヤーの風力が落ちません。そのため、風力による髪のセットがしやすくなります。2段階のドライヤーでもブローが上手い美容師は多くいますが、5~6段階のドライヤーも一度は試してみるといいでしょう。

段階の多いドライヤーを使う場合でも、最後は130℃前後の高温で終わります。これは早く乾かすためという理由もありますが、最後に熱風で形を整えるためでもあります。形を整えるのは大事ですが髪は熱に弱いので、熱風を当てる時間は極力短くする必要があります。お客様の髪の健康を守るためにも、ムダのない動きですばやくセットできるようにしましょう。

ブラッシングのタイミングは髪が乾き始めた時

ブローで髪型を整えるためにはブラッシングが必要です。ブラッシングのタイミングは髪が乾き始めた時です。乾いていない状態でブラシを入れてもドライヤーの風を妨げて、乾くのが遅れるだけです。乾き始めの時に一番セットが決まりやすくなるので、このタイミングでブラシを入れましょう。

ブラシをどのようにかけるかは、お客様のヘアスタイルや髪質によって違います。同じヘアスタイルでも、お客様の髪の毛が太くて強い場合と細くて弱い場合では、ブラッシングの仕方はまったく異なります。特に髪質は個人差が激しいので、実際に多数のお客様にブローをしながら感覚を磨く必要があります。

特にボリュームを出したいセッティングの時は、ブラシを髪に絡めてかなり強く引っ張ることがあります。髪の根本から引っ張るわけではなく、根本を手などで抑えて髪の上部だけを引っ張っているので、頭皮や毛根を痛めることはありません。しかし、お客様によっては「乱暴にされている」と勘違いしてしまうこともあります。特に美容師が無表情だとこの誤解が生まれやすくなります。また、お客様の髪が加齢などで薄くなっている時も、髪を引っ張ることに神経質になっているので、誤解が生じやすいものです。こうした誤解を避けるためにも、髪を強く引っ張るブラッシングをする時は、頭皮や毛根を痛める心配はないことや、ボリュームを出すために効果的な方法だということを説明するといいでしょう。また、常ににこやかにしていることも大切です。美容師が終始楽しそうにしていることは、ブラッシングだけでなくすべての動作で誤解を避ける最良の方法なのでぜひ意識してください。

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上手くブローをするコツは?ドライヤーの方向が基本

上手くブローするための基本の1つは、ドライヤーを当てる方向です。「ボリュームアップをしたい時は下から」「ボリュームダウンをしたい時は上から」というのが基本です。髪の根本からドライヤーをかければ、髪が逆立ちボリュームが増えます。一方、上から押さえつけるようにかければ髪の毛のボリュームは落ちます。お客様の髪型や髪の量に応じて、ブローの方向を効果的に使い分けましょう。

1人のお客様に多めに時間をかけられる場合は、ブローの前のタオルドライを徹底するというのもコツです。濡れた髪は極力タオルドライで乾かすのがベストなのです。ドライヤーも冷風であればダメージは小さいのですが、それでも自然界にはない風がずっと頭皮に当たるわけですから、あまり多用すると頭皮と髪を乾燥させてしまうのです。マイクロファイバーなどの素材で吸水性の高いタオルを使うと、タオルドライにかかる時間も短縮できます。サロンの方針でタオルドライに時間をかけさせてくれるようであれば、タオルの素材にもこだわってみるといいでしょう。

髪を痛めずに早く乾かす方法では「タオルをかぶせたままドライヤーをかける」という方法があります。サロンでお客様に対してする方法ではありませんが、お客様の自宅でのブローの方法として教えるのもいいでしょう。この方法だと髪が乾く速度が2倍近くになります。

早く乾く理由は、タオルが吸収した水分をドライヤーが乾かすため、タオルドライがどんどん進むからです。また、頭皮に直接風が当たらないため、頭皮が痛みにくい方法でもあります。このような自宅でのブローの裏技も教えられると、お客様の満足度も高まるでしょう。

ブローのために知っておきたい髪の毛の構造

ブローの技術を極めるには、毛髪の構造も理解しておく必要があります。毛髪は3層構造で「メデュラ・コルテックス・キューティクル」で構成されています。メデュラ(毛髄質)は髪の芯です。メデュラが多い人ほど毛髪が太くて強くなります。うぶ毛や赤ちゃんの髪の毛など、薄い体毛にはメデュラがありません。

キューティクル(毛小皮)は毛髪の一番外の部分です。毛髪を外部の刺激から守り、内部の水分やタンパク質が失われないように閉じ込める働きもしています。キューティクルを顕微鏡で拡大して見ると、ウロコのようになっています。このウロコが綺麗に並んでいるとツヤ髪に見えます。一方、キューティクルが熱などで開いてしまっているとウロコの並び方がバラバラになります。この状態だと髪がパサパサに見えます。

メデュラとキューティクルの間を満たしているのがコルテックス(毛皮質)です。毛髪の85~90%を占めていて、毛髪の太さ・強さ・硬さはすべてコルテックスの状態によって決まります。コルテックスは12~13%程度の水分を含んでおり、キューティクルが開いている時はこの水分が逃げてしまいます。髪の色もコルテックスが決定するものです。コルテックスにはメラニン色素があり、この種類によって髪の色が決まります。白髪はコルテックスのメラニン色素が失われた状態です。

毛髪の3層構造を理解していると、ブローの温度調整など1つ1つの動作の意味を深く理解できます。また、お客様に対しても「毛髪学的に正しいケアをしている」という説明が可能です。科学的な説明をわかりやすく受ければお客様の満足度も高まり、日常生活でのケアも正しくできるようになるでしょう。少し注意すべき点をあげると、ブロー中はドライヤーの音で会話がしづらくなります。通常より聞き取りやすくする工夫をする、別の時間にさりげなく話すなどしましょう。

ブローの技術でも髪に関する知識でも、身近にレベルの高いスタイリストがいればその人から学ぶことでさらに技術・知識が向上します。スタイリストのレベルが高いサロンは大抵お客様の人気も高いため、実際の接客でブローやその他の技術が向上しやすくなるでしょう。

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