オーナー業だけでなく、ヘアメイクから動画編集までひとりで行い、質の高い結婚式オープニングムービーで人気に!山口一人さん

トリートメント特化型サロンとして、人気を集めている「新・私のトリートメント」。前編ではオーナーの山口さんに、その秘密を伺いました。トリートメント特化型サロンでほかと差別化し、お客さまひとりひとりにあったトリートメントを提供するという「特別扱い」によってリピートにつながり、経営を安定させているそうです。

後編ではオーナーとしてサロンを経営しながら、結婚式のオープニングムービー作成など新たな仕事を広げている山口さんにそのコツを伺います。経営をしながら新しいことに挑戦するためには、スタッフの育成も不可欠。お店を任せるにあたってスタッフには100点を求めなくなったこと、葛藤をしながらもスタッフ育成への姿勢に試行錯誤されている点もお話しいただきました。

今回お話を伺ったのは…

山口一人さん


美容師・ビデオグラファー

理容師として5年ほど働いたのち、美容師に転身。2017年にトリートメント特化型サロン「新・私のトリートメント」をオープンさせると、今までになかった形態が人気を呼び、リピーターを増やしてきた。現在はオーナー業のほかにも、ヘアメイクから動画作成・編集までひとりで行う結婚式のオープニングムービー作成を仕事にしており、そのクオリティの高さで話題を集めている。
山口さんのInstagram:guchiyama_wedding

反響の大きかったヘアアレンジ動画からブライダルの道へ

新郎新婦の一瞬の表情を見逃さず、ムービーに落とし込んでいるという山口さん

──なぜブライダルの道に進もうと思ったのですか?

インスタを始めて、ヘアアレンジが得意な人とつながったことが大きかったです。元々ブライダルに興味があったのと、その方たちがみなさんブライダルの方向に進み始めたので、自分もやりたいと思いました。今はやめてしまったのですが、最初はブライダルのヘアメイク事務所に所属し、経験を積ませてもらいましたね。

──結婚式のオープニングムービー作成を始められた理由は?

コロナ禍になって、副業的に何か始められないかを考えたときに、動画を学んでみようと思ったのがきっかけです。これからは動画の時代だと言われていたので、編集技術さえ身につけてしまえば、自分でYouTubeチャンネルを作って集客をしたり、ほかの方の動画編集をしたり、仕事が広がっていくかなと思いまして。

副業はお金になるまで時間がかかりますし、そこまでやり続けないといけないので、やっぱり好きで続けられることを仕事に選ぼうという思いもありましたね。過去に一度ブライダルのヘアメイクを担当した方の動画を作ったことがあって、そのときにすごく喜んでもらえて、「美容師以外にもこんなに喜んでもらえることがあるんだ」とうれしかったので、動画の可能性を感じていました。

──今はオープニングムービー作成が、主なお仕事ということですね。仕事として成り立たせることができたのはなぜでしょうか?

ヘアアレンジ動画を出していたときに自分のテイストを好きだと思ってくれていた人が、結婚するときに「お願いしたい」と声をかけてくれることも多かったですし、ヘアメイクをやっていたときにドレスも買っていたので、ドレス、ヘアメイク、ムービーと全部提供できることが大きかったかもしれないです。同時期に動画を学び始めた人でもなかなか仕事になっていない人が多いなか、お客さんが付くのも早かったですね。

信頼するスタッフを傷つけた経験から、自分のあり方を見直した過去

プレ花嫁さんにヘアメイクを施す山口さん。ブライダルの仕事の間はスタッフに現場を任せることになるが、信頼のおけるスタッフのおかげでとくに問題は感じていないそう

──山口さんが動画の仕事をしている間は、サロンはスタッフの方に任せていたのですか?

そうですね。とくに問題は起きずに、スタッフに任せられていました。お店が暇になってしまうと、バックルームで休む人が増えたり、たばこを吸いに行く時間が増えたり(笑)、いろいろな問題が起きるかなと思ったので、お客さまの予約が入るようには気をつけていました。

──業務委託のときとは違って、スタッフの方の育成も考えていかなくてはならないと思いますが、心がけていることはありますでしょうか?

ここ数年の変化なのですが、スタッフに100点を求めないようにしています。自分自身が上からギャンギャン言われるかなり厳しい環境で仕事をしてきたので、昔は僕もかなり厳しく接してきたのですが、100点を求めると、いろいろ言いたくなってしまうんです。それではやはりスタッフは育たないなと最近は思っています。

──そのように考えるようになったきっかけがあったのでしょうか?

6、7年前に自分をしたってくれていて、仲の良いスタッフとけんかになったことがありまして。彼が僕のためにがんばりたいと言ってくれたのに、お酒が入っていたこともあって「いや、そういうのはいいから、自分のためにがんばって」と言ってしまったんです。それでそのスタッフを傷つけてしまい、ものすごく反省して。次の日、彼は出社しなかったのですが、僕から連絡をとって謝って、結局戻ってきてくれました。そこからはスタッフの気持ちにも寄り添っていきたいと、考えるようになったんです。とはいえ、なかなか難しいのですが(笑)。

人として成長するため、新しい環境に飛び込み続ける

山口さんが撮影したブライダルムービーの一部。美しい光の使い方が印象的。

──お話を聞いていると次々と挑戦されていますね。新しいことに飛び込むのが好きなんですか?

いえ、好きではないですね(笑)。ただ、新しいことに挑戦しないと人として成長しないと思うので、飛び込み続けています。成長できていればたとえお店が潰れてしまったとしてもまた何か始めればいいやと思えるし、スタッフにも任せやすくなりますしね。

──ではあまりお店の経営に執着しないようにされているんですか?

これまではそうだったんです。僕が一番良いと思う経営の形って、お店の終わりを決めておくことだと思っていて。美容室ってかならずつぶれるんですよね。一代でつぶれないお店って本当にごくわずかで、そのつぶれてしまう2、3年前はかなり悲惨なことになる。そうなるくらいなら、年間どれくらい利益を出して、資金を何年で回収するか計画を立てておいて、回収してしまったら、あとはいい時期に売ってしまったほうがいいのかなと。そうすればまた利益が出て新しいこともできますし。

ただスタッフ全員が独立をするわけではないですし、スタッフ目線で考えたらそんな店で働きたくないよなと、気づいて(笑)。ブライダルの仕事は楽しいので動画作りは続けていきつつ、先ほどもお話しした通りサロンの経営ではもう少しスタッフに寄り添っていきたいなと思っています。
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山口さんが考える、経営者になっても成長するための3つのポイント

山口さんが考える、経営者になっても成長するためのポイントは以下の3つでした。

1.新しい挑戦をするときは、自分が好きで続けられることを選ぶ

2.留守を任せるスタッフには100点は求めず、結果には執着しない

3.何歳になっても新しい環境に飛び込み、学ぶ続ける

長い美容師人生でさまざまな経験をしてきた山口さん。ユーモラスに語ってくれましたが、窮地に陥っても学んだり考えたりしながら、現状を打破してきたことがうかがえました。経営者としてもっと成長したい方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

Salon Data

新・私のトリートメント
住所:東京都新宿区西新宿7-9-13 大国屋15ビル3F

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