セラピストってどんな仕事? 資格や職種と目指す方法を解説!【国家資格・民間資格】
セラピストというお仕事は、CMや広告などでも見かける場面が増えてきています。セラピストを目指す人も多く、働きながら資格を取ろうと考える人も多いようです。
ただ仕事内容や資格の詳細に関しては、あまり知られていません。セラピストには複数の職業があり、それぞれ必要な資格は異なります。資格なし求人もありますが、業種によっては資格を持たずにセラピストと名乗ると違法になるのでご注意ください。
セラピストに向いている人はどんな人なのでしょうか。今回は、セラピストに興味がある人や、これからセラピストになろうとしている人のために詳しく解説していきます。
セラピストってどんなお仕事?
セラピストとは、心と身体をさまざまな方法で癒す人のことで、療法士、治療士と呼ばれることもあります。施術の対象となるのは年齢や性別などは問わず、学校や会社などにいけなくなってしまった人や、家庭内での虐待やDVを受けて心にキズを負ってしまった人など。
またセラピストには複数の種類があり、目的別に医療系、美容系、メンタル系、リラクゼーション系の4つに分けられます。
さらにセラピストの資格には国家資格と民間資格があります。国家資格を取得して仕事に従事しているセラピストは、理学療法士やあん摩マッサージ指圧師など。
近年、広く知られるようになったアロマセラピスト、カラーセラピストなどには国家資格がなく民間資格となりますが、資格がなくても開業することが可能です。
セラピストの資格を取得してどんな人が活躍している?
実際にセラピスト業界で活躍している方々をご紹介します。生の声を聞くことでよりセラピストがどんなお仕事かイメージできるのではないでしょうか。
セラピストの仕事内容とは?|心と体を癒す
セラピストは、心へのアプローチを目的とした心理治療や、体へのアプローチを目的とした整体・マッサージなどの2つに分ける事ができます。
一般的に、セラピストはサロンなどでお仕事をしている方が多いのですが、サロン以外で働いている方達もいてそういった人達を別の呼び方で呼んだりもします。
・ボディセラピスト
・メディカルセラピスト
・心理セラピスト
・リラクゼーションセラピスト
・エネルギーセラピスト
・フードセラピスト
…etc
など大まかに分けてもこれだけのさまざまなセラピストが存在しています。
ボディ・美容系セラピスト3職紹介
ボディ・美容系セラピストは、体の痛みや美容の悩みを解決することを目的としています。なかでもよく知られているボディ・美容系セラピストは次の3つです。
1)カイロプラクター(民間資格)
カイロプラクティックはアメリカ発祥の手技療法です。体に圧をかけたり歪みを調節したりして、人体にもともとある自然治癒力という体を改善する機能を高め、体の不調を改善していきます。特殊な機材を使うこともあるため、体に関する専門知識と医療器具の知識が必要です。
体の大きな男性に施術をおこなうこともありますから、体力に自信がないと続けることはむずかしいでしょう。
・資格取得方法:通学または通信講座
・費用相場:通学 約10万円~、通信講座 約3万円~
2)リフレクソロジスト(民間資格)
人体には、臓器や器官を反射投影する「反射区」というものがあります。リフレクソロジーは手や足などにある「反射区」に刺激を与えて自然治癒力を引き出し、体の不調を改善したり癒しを与えたりするものです。
利用者の話を聞くことも多いので、リフレクソロジストはコミュニケーション能力が高い人に向いています。リフレクソロジーは体の疲れを癒すため会社帰りに利用する方が多いことから、勤務時間は不規則になりやすいです。
・資格取得方法:通学または通信講座
・費用相場:通学 約30~100万円、通信講座は 約4~10万円
3)エステティシャン(民間資格)
ボディケア、フェイシャルケア、脱毛などをおこない、体と肌を健康な状態へ導く仕事です。施術内容はサロンによって異なりますが、施術に関する知識のほかに栄養学や皮膚科学などの知識も求められます。
美容や化粧品に興味がある人に向いています。カウンセリングで悩みを相談されることも多いので、知識だけでなくコミュニケーション能力も必要です。
・資格取得方法:通学または通信講座、サロンで実務を積む
・費用相場:通学2年制 約100~120万円、通学短期 約12万円~、通信講座 約20~30万円
メンタル系セラピスト2職紹介
心理セラピストは、心の病に悩む方への精神的なケアをおこなう仕事です。ここでは、よく知られているメンタルセラピストを2職種ご紹介します。
1)臨床心理士(民間資格)
臨床心理士は臨床心理学にもとづき、人の心にアプローチして精神の回復をサポートする職業です。対象者は学生、社会人、主婦など幅広いので、相談内容も多岐に渡ります。
公認心理師とよく比較されますが、公認心理師は国家資格で、2017年に新設された新しい資格です。臨床心理士は民間資格ですが、試験には受験資格があり、大学卒業したあとに指定の大学院、もしくは専門職大学院を修了しなくてはいけません。
・資格取得方法:大学院、通信課程
・費用相場:国立大学 約250万円~、私立大学 約400~600万円、通信課程 約100万円
2)公認心理師(国家資格)
2018年から受験がはじまった公認心理師試験。受験者のほとんどが臨床心理士なため、公認心理師と臨床心理士の仕事内容の違いを明確にするのがむずかしい状況です。
ただし法律上では、公認心理師の業務は「心理査定」「心理面接」「面接」「心の教育と情報提供」で。臨床心理士は「臨床心理学的査定」「臨床心理学的面接」「地域への援助」「臨床心理学の研究」となっています。
公認心理師の試験にも受験資格があり、心理学関係の大学と大学院を卒業しているか、大学で必要な科目を修めて卒業し、規定の施設で一定期間以上の実務を積むことが条件です。
・資格取得方法:通学または通信講座
・費用相場:大学と大学院通学 約500万円、大学通信と大学院通学 約330万円、通信大学と実務経験を積む 約90万円
リラクゼーション系セラピスト4職紹介
リラックス効果のある施術やボディケアをおこなう職業で、医療行為はおこないません。マッサージセラピストなど、リラクゼーション系セラピストでよく知られているのは次の4つです。
1)リラクゼーションセラピスト(民間資格)
リラクゼーションとは緊張緩和のことです。リラクゼーションセラピストは、視覚、聴覚、触覚にアプローチして心と身体をリラックスさせ、日ごろの疲れやストレスを癒します。
具体的な施術はサロンによって異なり、ボディケアや足つぼマッサージ、リンパマッサージ、ストーンマッサージなどさまざまです。
・資格取得方法:通学または通信講座
・費用相場:通学 約15~30万円、通信講座 約5万円~
2)アロマセラピスト(民間資格)
アロマオイルを使って身体の緊張をほぐし、心と身体のバランスを調整します。アロマオイルを使ったマッサージやフットバスなどのサービスも提供します。そのため、アロマオイルだけの知識でなく、全身トリートメントやフットトリートメント、リンパマッサージなどの知識も必要です。
・資格取得方法:通学または通信講座
・費用相場:通学 約10~50万円、通信講座 約5~6万円
3)カラーセラピスト(民間資格)
相談者の好みの色から心理状態を理解し、心の悩みを整理し解決する手助けをする仕事です。色は心理状態を左右するものなので、インテリアやアクセサリー、ファッションの色選びのアドバイスなどもおこないます。
カラーセラピストはカラーセラピーサロンだけでなく、ファッションやエステ業界、介護や医療機関など活躍の場が多いのが特徴です。
・資格取得方法:通学または通信講座
・費用相場:通学 約4万円~、通信講座 約4~8万円
4)ミュージックセラピスト(民間資格)
ミュージックセラピーは音楽療法のことで、音楽を聴かせたり本人に楽器を弾いてもらったりして精神の安定や症状の緩和をうながすものです。音楽療法は、心身の緊張が原因とされる高血圧症や認知症などにも有効とされています。
このため、ミュージックセラピストは子どもの発達支援から健康維持と予防、リハビリ、メンタルケアなどもおこない、活躍の場を広げています。
・資格取得方法:通学または通信講座
・費用相場:通学 約50万円~、通信講座 約5万円~
セラピストになるには①|専門の勉強をする
まず、セラピストになるためには専門学校やセミナーなどに通って勉強するか又は、独学で勉強をして専門的な知識を身に付けなければいけません。
専門学校やセミナーに通う場合には種類がたくさんあるため、自分がどんな目的でスクールに通うのかをしっかり考えて選ばなければいけません。
大学や短大・専門学校で学ぶ
まず、大学や短大・専門学校に進学してセラピストを目指すという方法です。大学や短大・専門学校を卒業してから国家資格や、民間資格などを取得します。
その後、企業の採用試験を受けてセラピストとして採用されるという流れになっています。
セミナーなどで学ぶ
セラピストに関するセミナーなどで専門的な知識を学ぶという方法もあります。日本セラピスト認定協会の認定スクールなどがセミナーを開催しています。
独学で学ぶ
専門的知識を学ぶのに、独学で学ぶという方法もあります。メリットとしては、スクールやセミナーに通う費用などが掛からないところです。
アロマテラピー検定は、公式のテキストが販売されているので比較的独学でも学べますが、セラピストに関しては、公式テキストなどの販売が無いためあまりオススメはできません。
セラピストになるには②|専門資格を取得する【国家資格の一例】
国家資格を取得するにはどういった条件が必要になって来るのでしょうか?
柔道整復師
柔道整復師とは、打撲、捻挫、脱臼および骨折などの各種損傷に対して、外科的手術や投薬といった医療的手技を使用せずに、その回復を図ることを目的に施術を行うのが柔道整復師になります。
柔道整復師の国家資格を取得するためには条件があり、文部科学大臣が指定している学校、又は都道府県知事が指定している柔道整復師養成施設で、3年以上の修行を行い、所定の課程を全て修了させなければいけません。
養成施設内の、大学や短大・専門学校に関しては4年間の通学が必要とされています。
・試験項目
柔道整復師の試験問題は必修問題が全30問と、一般問題が全200問で構成されています。必修問題が8割以上、一般問題が6割以上正解で合格になります。
鍼灸師
はり師ときゅう師の両方を取得している者を一般的に鍼灸師と言います。
そのため鍼灸師に関しては、はり師ときゅう師の2つの資格を取得しなければいけません。条件としては、はり師、きゅう師の養成施設での3年以上の修行を行い、所定の課程を全て修了することです。
こちらにも養成施設があり、大学・短大や専門学校があって4年間の通学が必要とされています。
視覚障害者については、学校教育法第57条の規定により高等学校に入学できる者で、はり師ときゅう師は5年以上の修行を行い、所定の課程を全て修了することが条件になってきます。
・試験項目
はり師ときゅう師の国家試験は、はり理論、きゅう理論と共通学科(西洋医学・東洋医学に関する理論)の3つに分かれています。
はり師ときゅう師どちらも150点満点中90点以上を採れば合格になります。この時、全ての項目が合格ラインに達さないと合格にはならないので3つとも落とさないように気を付けましょう。
公認心理師
公認心理師は、保健医療、福祉、教育などの分野において、専門的知識及び技術をもって4つの項目に沿ってさまざまな援助活動を行うのが主な業務です。
公認心理師にも資格を取得するためには、4年制大学において省令で定める科目を履修する、または、特定の施設(保険医療、福祉、教育など)での5年以上心理職の業務に従事している事が条件になります。
・試験項目
公認心理師の国家試験は、4択または5択の全問マークシート方式になっています。
問題数は、150~200問程度で、正答率は60%以上で合格になります。
セラピストになるには③|専門資格を取得する【民間資格の一例】
次に、セラピストの民間資格を取得するにはどんな条件が必要になって来るのでしょうか。
公益社団法人日本アロマ環境協会|アロマセラピスト
公益社団法人日本アロマ環境協会では、アロマの検定・資格の取得ができます。アロマセラピストの民間資格は、一般の方にアロマテラピートリートメントやコンサルテーションを実践できる能力を認定する資格になっています。
アロマセラピストの資格取得方法は、アロマセラピスト学科試験に合格すること、トリートメント実技試験に合格すること、カルテ講習を修了していること、資格登録手続きを行うことが条件になります。
アロマセラピストとして自分のサロンを経営したい人や、病院や施設でのアロマテラピートリートメントを行いたい人などは資格の取得が絶対条件になって来ます。
日本リフレクソロジスト認定機構|レギュラーライセンスなど
日本リフレクソロジスト認定機構(以下JREC)では、ライセンス認定試験の実施や、合格登録後のリフレクソロジストの育成、活動支援を主に行っています。
JRECでは、専門的な学習を修めた方達に各種ライセンスを発行しています。ライセンスは、レギュラー、マスター、インストラクター、トップインストラクターと何種類かあり、各ライセンスに対応した所定の学習を修了したうえで、JREC主催の各ライセンス認定試験に合格し、会員登録を行わなければいけません。
日本臨床心理士資格認定恊会|臨床心理士
日本臨床心理士資格認定協会では、日本における臨床心理士の普及活動や、地位の確立などを目指して、臨床心理士の資格審査などの活動を行っている団体です。
臨床心理士とは、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が実施する試験に合格し、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、その人の自己実現をお手伝いしようとする専門家になります。
臨床心理士の試験を受けるにはいくつか条件があり、指定大学院(1種・2種)を修了し、所定の条件を満たしている者、臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した者などが該当します。
資格取得をサポートしてくれる通信講座|ユーキャン、キャリカレなど
セラピストになるための資格の取得をサポートしてくれる通信講座として、ユーキャンやキャリカレなどがあります。
これらの通信講座を利用することによって、セラピストとしてのサロン経営者のスキルを習得することが可能です。
わかりやすいイラストや図解が使用されたテキスト、実際の施術の動きを学べるDVDなどでセラピストになるための知識を学べます。
セラピストは心身を癒す重要な仕事!
セラピストというお仕事は、専門的な知識と技術を用いてお客様の心も身体も癒さなければなりません。
国家資格や民間資格を取得している事によって、それがお客様からの信頼に直接繋がって来ます。今回は、セラピストにとって大事な国家資格と民間資格の一例や、セラピストの仕事内容、専門的な知識の勉強方法を紹介しました。
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