諦めなければ何でもできる! 少しずつ積み重ねていけばいい ヘア&マツエクサロン sora 渡辺そらさん#2
これから「自分の店を持ちたい!」と考えている人に、前編と後編にわたってさまざまな独立の形をご紹介しています。
前編では、さまざまな困難に抗いながら2回目の独立を果たすまでをご紹介しました。
後編では、サロンの経営にとどまらず、カメラマンとして撮影に挑んだり、着物をドレス風に着付ける「きものdeどれす」を考案したり、さらなる飛躍を目指す原動力について伺いました。
お話を伺ったのは…
ヘア&マツエクサロンsora 代表 渡辺そらさん
美容専門学校を卒業後、2つのヘアサロンを経て1回目の独立。その後、3人のお子さんを連れて離婚し、2回目の独立を果たす。現在はカメラマン、メイクアップアーティストとして撮影に参加するほか、着物をドレスのように着付ける「きものdeどれす」を発表するなど、活動は多岐にわたっている。
作品が評判になり、カメラマンとしてオファーを受けることも
──カメラマンとしての仕事も増えているようですね。
もともと撮影するのが好きだったんです。コロナになって、「この機会に何かプラスになることをしたい」と思っていました。オンラインでプロのカメラマンが撮影技術を教える講座が毎晩2時間あって、それに参加していたんです。これで技術を身につけたら、人が集まれない最悪な状態になっても私一人でこなせる…と思っていました。おかげさまで結婚式や七五三の撮影に呼ばれる機会が増えました。
──ご年配の方の撮影もなさってますよね
子どもの時は七五三、二十歳になると成人式という具合に、若いうちはきれいにメイクをして着飾って撮影する機会があります。でも年齢を重ねるとその機会がガクッと減ってしまいますよね。若い方たちはカメラ慣れしてますから「きれいな姿を撮影するのは楽しい」っていうことが分かっています。ご年配の方に、その楽しさを分かっていただきたい!という気持ちから始めました。
私が美容師を目指したきっかけは、七五三のときに着物を着て撮影したのがすごく楽しかったからなんです。きれいになることがすごく楽しくて「毎年でもやりたい!」と思っていました。私がご提案しているのは、敬老の日や誕生日にメイクしてドレスアップして撮影する「長寿式」。最初は「私なんて」っておっしゃっていた方も、メイクしてどんどんきれいになっていくと表情が変わっていくんですよ。
──あざを消したり、顔色を整えるアピアランスケアを身につけたのもこのためですか?
女性は年齢を重ねても誰でも一生プリンセスです。ただ「喜んでもらいたい」という気持ちで勉強して、臨床化粧療法士のアドバイザーの資格を取りました。
いずれ生活の拠点をヨーロッパと日本の2か所に持つのが夢
──「きものdeどれす」を考案したきっかけは何ですか?
ご年配の方のなかには着物をたくさん持っていらっしゃるけれど、ひとりで着るのは大変だし、着る機会がないという方が増えています。着物を現代風に着こなす方法はないか調べてみたら、ドレス風に着こなすスタイルを提案しているところがありました。その方法を教わりたくて問い合わせたら、受講料がとても高くてビックリ! それなら自分でオリジナルの着付け方を考案して、皆さんに楽しんでもらった方がいい…と思い立ちました。それが「きものdeどれす」です。
──着物をドレスに仕立て直したように見えます。
着物にハサミを入れたり、傷つけることは一切ありません。お手持ちの着物でドレス風のスタイルになるので、撮影するときはご自身の着物をお持ちいただいてもいいし、着物をレンタルして着付けしてもいい。
今はカタログを作ったり、周知させるためにいろいろ工夫しています。
──次々と新しいことにチャレンジしていますが、今後の目標は?
来年、私はパリコレでヘアメイクをする予定です。車椅子ユーザーのためのブランド『bottom’all』がパリコレに参加するのに合わせて、私も一緒にパリへ行きます。コロナの自粛期間中、オンラインでいろいろなセミナーを受講していたのですが、その間に日本障がい者ファッション協会の方と知り合いました。そのご縁でパリコレのお手伝いが決まったんですよ。
ゆくゆくは日本とヨーロッパを行き来するような生活をしたいですね。やりたいこと、勉強したいことがたくさんあります。動画の撮影技術をもっと身につけたいし、ダイナミックな動画の撮影をするのにドローンの扱いもマスターしたい。やりたいことがどんどん膨らんでいます
──これから独立を考えている方にアドバイスをお願いします。
まず動くことです。何か行動を起こすことが大事です。でも、勇気がなくて行動を起こせない方もいますよね。その場合は、身近にいる「動いている人」を見つけて、その人のやっていることに乗っかってみるのもひとつの手段です。とにかく一歩でも踏み出すだけで変わりますから、どんどんチャレンジしてください。