常にカッコイイ自分でいられるか、それが『パパ美容師』のプライド！

パパ美容師企画、第2回目は「RiTa」の山下大輔さん。中学生の時に美容師を志して以来、今日まで美容師街道を邁進してきた、いわば職人のような方。山野美容芸術短期大学を卒業後、大型チェーン店と個人サロンを2店舗経験。2016年10月にかねてからの念願叶ってプライベートサロン「RiTa」を開業しました。そんな山下さんが考える美容師とは？　また、パパになることでご本人のビジョンはどう変わっていったのか。お話をお聞きしました。

――中学生の頃に、もう美容師になると決めていたんですね。

いわゆる「将来の夢」という漠然なイメージではありましたが、それでもハッキリと覚えています。中学1年生の時に、友達からもらった「紹介カード」を手に、初めて「美容室」なるところに足を踏み入れたのですが、髪を切ってもらってとても嬉しかった当時の記憶が忘れられません。まわりのお客さんを見ても、みんなが笑顔で帰って行くんですよね。その時なんとなく「美容師っていいなあ」と思ったんです。それくらいふんわりとした動機ではあるんですが。

――でも、そこから今日まで、夢に突き進んで来たのがすごいですね。途中で迷いや挫折はなかったのですか？

それは当然いろいろありました。でもなんとなく「自分は美容師になるんだ」という確信があったので、芯はブレずに今日までやって来れました。最初から独立することを目標に、1店舗目はあえて大型チェーン店を選び、美容師の仕事をとにかく一から学ぶことに専念し、逆に2店舗目は、独立を前提に個人店のオーナーにつく形で、より親切なサービスから経営ノウハウまで、いろいろなことを習得しました。

――すべて計画通りなんですね。パパになったのも計画的に？

いや、こればっかりは天からの授かりものなので笑。でも子供がいるということはすごくプラスなことだと思います。まず第一に、子供ができることで、言い訳の余地なく無条件に大人になれます。独立して美容師になる、と決意できたのも、もしかしたら子供のお陰かもしれません。自分の気持ちにいろいろ整理がついて、最終的には「自分がやりたいことをやろう」と決められました。今も仕事中のどの瞬間も、「子供から見て、カッコイイ自分でいられているか」という緊張感が持てています。だからこそ、前にも増してお客さま１人ひとりを大切に、そして一瞬一瞬を勝負できていると思っています。

――お子さんとは普段どのように過ごされていますか？

平日は早起きをして、一緒に朝食を食べ、小学校に登校するのを見送ってからサロンに出勤しています。帰りが早ければ夜、宿題を見てあげることもあります。休日は所属しているクラブチームのサッカーの練習につきあったり、一緒にショッピングに出掛けたり。男の子なので、親子というよりも友達の感覚に近いかもしれませんね。

――忙しいのに、すごいですね。お客さまも子供が多いのですか？

多いですね。ウチのサロンのコンセプトが“お客さまが大切にされる場所”なので、子連れのママのお客様にとくにリピートしていただいています。電車の中とか子供が泣いただけで気まずいみたいな雰囲気あるじゃないですか。そういうことを一切気にしないで、心からリラックスしていただきたい場所、それが「RiTa」なんです。

――いいですね。山下さんの美容師としてのこだわりは？

私は接客にわりと時間をかけています。中途半端で帰すようなことは、頭を下げてもできないと思っていて、そのために人一倍丁寧なサービスを心掛けています。お客さまにはやっぱり、サービスを通して心から喜んでもらいたいと思っていますね。そのために、技術にも言葉にも嘘がなく、お客さまと真摯に向き合うこと、これを大切にしています。

――熱い想いですね。そんな山下さんの将来の夢を聞かせてください。

一生美容師でありたいと思っています。信頼していただけるお客さまが一人でもいれば、私はずっとハサミを握り続けると思います。また、人を育てて共に働く仲間もつくっていきたいです。さらには美容師を中心に、人との繋がりをもっと広げていきたい。ファッションやアート、音楽などを通して地域を盛り上げたり、喫茶店や小物の輸入、水墨画なんかもやってみたいですね。

――最後に未来の“パパ美容師”にひとこと！

美容師は人が好きでないと務まらない職業です。そんな美容師だからこそ、子育てを通して、人に対する愛情や理解、興味を今まで以上に持つことができ、仕事でも人をもっと好きになれると思います。さらに子供がいるからこそ気づく世の中の知らないことや、初めて行く場所、出会う人など、暮らしの幅もグンと広がり、単純に楽しいことが増えますね。子育てを通して、仕事も人生も豊かになるのであれば、それはもうためらう理由なんてひとつもないんです。

profile

山下大輔さん
美容師
RiTa代表

出身地：東京都
趣味：サッカー、音楽、芸術鑑賞
座右の銘：なにはともあれ生かされている
将来の夢：一生美容師
Instagram：daisuke_yamashita

中学生の時に美容師を志し、山野美容芸術短期大学卒業後、都内大手チェーン「TOMY’S STAR」に就職。ここでカットの基礎技術・理論・接客などを学び、独立を念頭に、世田谷区松原の個人サロン「Mikyo」に転職。より高度な技術や経営ノウハウを学ぶ。トータル12年の下積みを経て、2016年10月に独立、府中にプライベートサロン「RiTa」を開業。コンセプトは「お客さまが大切にされる場所」。7歳の息子を持つ1児の父でもある。

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