エステとはどんな施術?リラクゼーションとの違いは?必須資格や仕事の流れ・活躍の場も紹介
街中で見かけることも多いエステサロンやリラクゼーションサロン。この二つには、明確な違いがあります。しかし、その違いが分からないという人もいるのではないでしょうか。
エステとリラクゼーションには似ている部分もあることから、この二つの違いを明確にしつつ、それぞれの施術についてこの記事でくわしく紹介します。必須の資格の有無や仕事の流れ、活躍の場についてもお伝えしますので、参考にしてください。
エステとは?リラクゼーションとの違い
エステとリラクゼーションでできるメニューとして、「マッサージ」をイメージする人もいるかもしれませんが、「マッサージ」は、あん摩マッサージ指圧師の資格を持っていなければおこなうことができません。
また、「治療」や「改善」といった言葉も医療行為と誤認されてしまうため、使用できない決まりです。ほかにも使用できない言葉があるため、「もみほぐし」「和らげる」「整える」など表現を変えてサービスの提供をしています。
上記を踏まえて、エステとリラクゼーションの定義・目的・特徴の違いをお伝えします。
エステ|美容のため
エステの正式名称は「エステティック」です。日本エステティック振興協議会では、エステティックについて次のように定義しています。
「エステティック」とは一人ひとりの異なる肌、身体、心の特徴や状態を踏まえながら、手技、化粧品、栄養補助食品および、機器、用具、等を用いて、人の心に満足と心地よさと安らぎを与えるとともに、肌や身体を健康的で美しい状態に保持、保護する行為をいう。
つまりエステは、肌や体の美容目的でおこなわれます。施術者はエステティシャンと呼ばれ、化粧品・スキンケア・体の引き締めなど、全身美容の知識が豊富です。肌やボディラインなどを今よりもよくしたいという人に適したお店といえるでしょう。
引用元
日本エステティック振興協議会:Ⅰ.エステティックの定義
リラクゼーション|リラックスや癒やしのため
リラクゼーション業協会では、リラクゼーションを次のように定義しています。
・リラックスすることで、心と身体の「休養」「気晴らし」「緊張の緩和」のことを言い、交感神経の興奮が抑えられ、副交感神経の働きが優位になっている状態のこと
・空間演出や音楽で五感に安らぎを与え、心をリラックスさせ、身体へは手指などを使って心と身体が緊張から解放される時間を提供する
・与えるべき価値は五感への安らぎ、リラックス、ストレスからの解放といった満足感
(一部抜粋)
つまりリラクゼーションは、癒やしやリラックスを目的としたお店であることを表しています。施術者はセラピストと呼ばれ、BGM・香り・照明など、空間づくりへのこだわりがあるお店も多いのが特徴です。心身の疲れや不調を和らげたい、という人には適したお店と言えるでしょう。
エステの施術|手技・マシン・化粧品
エステでは、手技・マシン・化粧品を用いた施術がおこなわれます。お店によってメニューに違いがあり、顔からつま先まで全身のトータルケアがおこなえるサロンや、施術する部位ごとに特化した専門サロンもあるのが特徴です。
また、エステサロンによっては、リラクゼーションメニューを扱っていることもあります。
ここでは、一般的なエステサロンの施術を見ていきましょう。
フェイシャル
フェイシャルケアは、顔を中心におこなう施術です。お店によっては、デコルテや首のケアまでおこなうことももあります。
肌の状態や悩みをチェックし、手技・マシン・化粧品などを用いてひとりひとりに合ったケアが受けられるのが特徴です。クレンジング・肌や毛穴の引き締め・乾燥予防・保湿などで肌を整えます。
また、エステティシャンは美容に関する豊富な知識を活かして、お客様にアドバイスをおこなうのも仕事の一環です。です。
ボディ
ボディケアは、全身や体の気になる部分におこなう施術です。全身まとめてできるメニューや気になるパーツだけを集中的にケアするメニューなど、サロンによって異なり、痩身メニューを売りにしているところもあります。
血のめぐりを整えたり体をほぐしたりする施術があり、手技やマシンを使うのが一般的です。マシンだけでも多くの種類があり、メニューや目的などに合わせて使い分けます。
きれいなボディラインを目指すだけでなく、むくみや冷えを和らげる施術によって、リラックス効果も期待できます。
脱毛
脱毛は、ムダ毛を生えにくくするケアをおこないます。全身おこなえるメニューや、気になる部分だけの施術が受けられるメニューなどお店によってさまざまです。
光を照射するマシンを使って施術し、終わったら肌の冷却と保湿までおこないます。痛みの感じ方は人によって違いがありますが、痛みを感じにくいように工夫されたマシンが増えているようです。
医療脱毛とは違って永久脱毛はおこなえないため、施術回数を重ねて生えにくくします。
パックやスクラブ
パックやスクラブの施術は、ミネラル・炭酸・コラーゲンなど美容成分を豊富に含んだ、肌の悩みや希望に合ったものを使っておこないます。
古い角質を取り除いたり肌をなめらかに整えたりするだけでなく、美容成分を浸透しやすくする効果が期待できるものもあり、フェイシャルエステのオプションとして取り入れているサロンもあるようです。
リラクゼーション|手技
リラクゼーションは、手技がメインでおこなわれます。先に紹介したように、あん摩マッサージ師の資格がなければ「マッサージ」という言葉がつかえないため、メニューには「もみほぐし」や「リフレ(リフレクソロジーの略称)」などと表記されることが多いです。
ここからは、リラクゼーションの施術について紹介します。
もみほぐし
疲れを感じている部分や硬くなった筋肉などをもみほぐす施術です。おもに、肩・腰・足の疲れやむくみなどにアプローチします。もみほぐしによって血のめぐりを整えるほか、、筋肉の緊張が和らぐ効果をもたらします。
お店によってメニューに違いがありますが、リンパへ刺激を与えたり、筋肉をほぐしたり、アロマオイルの香りで癒やし効果を得たりと、さまざまな種類があるのが特徴です。また、「タイ式」「バリ式」など外国由来の手法でおこなうものもあります。
つぼ押し
不調を感じる部分をつかさどるつぼを押し、体を整える施術です。全身の筋と筋のあいだなどにある「つぼ」は、内臓や器官などにつながっていると考えられています。
手のひらや背中などにもあるつぼですが、リラクゼーションのお店では、足の裏のつぼ1つ1つにアプローチするのが一般的です。
足の裏はつぼがたくさんあるだけでなく、重力によって血液がたまりやすい場所。つぼ押しによって足の裏の血のめぐりが整う効果も期待できます。
リフレクソロジー
リフレクソロジーは西洋式と東洋式の2種類があり、日本のお店では西洋式リフレクソロジーが一般的です。内臓や器官とつながっていると考えられる場所(反射区)を刺激して、心身のバランスを整える目的でおこなう施術です。
つぼ押しと似ていますが、つぼは「点」、リフレクソロジーは「反射区」にアプローチするという違いがあります。また、押すのではなく優しく揉むのも特徴です。
血行をよくして身体を温めたり、自律神経に働きかけてストレスを和らげたりする効果が期待できます。
なお、東洋式リフレクソロジーは指や棒で強い刺激を与える、西洋式よりもつぼ押しに近い施術です。
アロマセラピー
アロマセラピーは、美容や健康の維持・促進を目的に、精油の香りや特性を活かしてお客様に合ったアロマオイルでトリートメントケアをおこないます。
一口に「アロマセラピー」と言っても、精油には幅広い利用方法があり、施術内容にも違いがあるのが特徴です。
たとえば、精油の香りを楽しみながら心身のバランスを整えたり、精油を希釈したトリートメントオイルを顔や体に塗ってケアをしたりする方法があります。
ほかにも、精油成分を含んだ蒸気を顔にあて、血のめぐりを整えたり肌に潤いを与えたりするといったケアもポピュラーです。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|アロマセラピスト – 職業詳細
ヘッドスパ
頭皮にアプローチし血行をよくしたり、頭・首・肩・顔などのコリを和らげたりする施術です。頭皮の血行がよくなることで自律神経が整い、リラックスできます。
美容室では、毛穴の洗浄や髪のケアを目的としています。対して、リラクゼーションのお店では、緊張や疲れを癒やす目的の施術です。ストレスを和らげたり筋肉をほぐしたりできるほか、ぐっすりと眠りにつけるようになる効果も期待できます。
エステティシャンとセラピストに必須の資格はある?
ここまで、エステやリラクゼーションについて紹介しましたが、その施術をおこなうエステティシャンやセラピストになるためには、必須の資格があるのでしょうか?
エステティシャンに必須資格なし|未経験から目指せる
エステをおこなうエステティシャンには、必須資格はありません。そのため、誰でも未経験から目指せます。しかし、施術メニューによって必要な知識や技術が変わるため、民間資格を取得する人も多いです。
資格を取得することで、正しい知識や技術が身につけられるほか、お客様から信頼を得やすいというメリットがあります。
資格取得のメリットやおすすめの資格は、以下の記事でくわしく紹介していますので、あわせてチェックしてください。
エステティシャンになるには資格が必要? 資格の種類と取得方法を紹介
リラクゼーションセラピストには必須資格なし|セラピストによっては資格が必要
リラクゼーションをおこなうセラピストには必須資格がないため、エステティシャン同様に未経験でも目指せます。
しかし、セラピストにはリラクゼーション系以外にも、医療系やメンタル系などの種類があり、医療系や一部のメンタル系セラピストは国家資格が必要です。
リラクゼーションセラピストにも民間資格はあるため、取得しておくのもおすすめ。資格によって給与や待遇が変わる可能性があるだけでなく、自身でサロンを構える際にも、資格を活かしたメニューを提供できます。
セラピストにおすすめの資格については、以下の記事をチェックしてください。
セラピストになるには資格が必要?おすすめの資格や求人の探し方・応募に必要な準備を紹介
エステティシャンとリラクゼーションセラピストの仕事の流れ
エステティシャンと、リラクゼーションセラピストの仕事の流れは大体同じです。お客様来店後、カウンセリング→施術→アフターケアの流れでおこなうのが一般的。
カウンセリングでは、お客様の悩みや不調・現在の体調などをくわしく聞き取り、適切なメニューやコースを提案します。その後、カウンセリングで聞き取った内容をもとに、同意を得たメニューの施術です。
施術後は、施術に使った化粧品やオイルをふき取ったり、脱毛の場合はクールダウンなどをしたりといったアフターケアをおこないます。その際、家でのケア方法をアドバイスすることも。
施術に関する仕事の流れは以上ですが、エステティシャンやセラピストにはお客様対応以外の仕事もあるため、以下の記事もあわせてご覧ください。
未経験でもエステティシャンになれる?エステティシャンの仕事内容や求人を選ぶポイントを解説
未経験でもセラピストになれる?セラピストの仕事内容や求人の探し方を紹介
エステティシャンとリラクゼーションセラピストのおもな活躍の場
エステティシャンとリラクゼーションセラピストは、活躍の場も似ています。おもな活躍の場として挙げられるのは、以下のような施設です。
・エステサロン
・リラクゼーションサロン
・美容室/理容室
・ホテルのスパ
・スポーツ施設 など
【関連記事】
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セラピストの就職先にはどんな職場がある?仕事内容・給料・求人の探し方も紹介
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手技・マシン・化粧品などを用いて全身美容をおこなうエステと、手技をメインに癒しを与えるリラクゼーション。どちらも、お客様の悩みや不調に役立つ魅力的な施術です。
施術には専門的な知識や技術が必要ですが、未経験からでも施術者を目指すことができます。必要に応じて民間資格を取得するのもおすすめです。
まずはどんな施術をしたいかを考え、自分に合った職場を探しましょう。
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