エステティシャンの離職率は?辞めたい理由や退職しないための方法も紹介
エステティシャンとして働いているうちに、辞めたいと思うときが訪れる人もいるかもしれません。実際のところ、エステティシャンの離職率はどれくらいなのでしょうか。また、辞めたいと思っても、理由によっては続けていける方法もあります。
今回は、エステティシャンの離職状況や対策について詳しく見ていきましょう。
エステティシャンの離職率は高い?
一般的にエステティシャンなど美容業界の離職率は高いとされており、3年以内に辞める人が半数以上ともいわれます。
ホットペッパービューティーアカデミーの調査によると、エステジャンルでの離職率(「過去に従事経験あり」÷「現在従事している+過去に従事経験あり」)は68.9%と、約7割にのぼることがわかりました。
その他の美容職では、美容師46.5%・ネイル64.5%・リラクゼーション53.6%・アイ71.4%です。なお、美容師が他の美容職に比べると低めなのは、国家資格のため就職自体の難易度が他職種より高いからと考えられています。
引用元
【離職・復職①】美容サロンで離職率が改善した理由は?|ホットペッパービューティーアカデミー
【美容就業実態調査2023】チャート集|ホットペッパービューティーアカデミー
エステティシャンが離職したくなる理由
上記のように、エステティシャンのおよそ70%が仕事を辞めてしまいます。では、なぜ辞めようと思うのでしょうか。
1. 勤務時間への不満
エステティシャンの仕事では、予約が多くて満足に休憩もできない・夜遅くまで施術しなければならないなど、勤務時間へのストレスを抱える人が多いです。
長時間労働な上に、サービス業のため土日祝日も休みを取りにくく、家族や友人との予定を合わせにくい傾向があります。また、閉店後や休みの日に研修などを行うサロンもあるので、仕事以外の時間も拘束されてしまいがちです。
2. 体力面できつく感じる
エステティシャンは立ったままや中腰で長時間施術を行うため、肉体的な負担も大きいです。腰痛や腱鞘炎、肩こりなどの症状に悩まされる人も少なくありません。
ハードワークなことに加え、前述のように十分な休憩を取れなかったり、休み返上で研修に参加したりということもあり、限界を感じてしまう人が多くいます。
3. 人間関係の悩み
エステサロンは女性が多い職場なので、先輩後輩の関係性やお客様の取り合い、陰口など、スタッフ内での人間関係がこじれることがあります。職場の空気が悪かったり、店長や上司と意見が合わずに衝突したりすることがあると、ストレスが溜まりやすくなるでしょう。
また、職場内だけでなくお客様との関係性に悩む人も多いです。うまくコミュニケーションを取れない・クレームが発生するなどによって、仕事が苦痛になってしまうケースもあります。
4. 給料が安い
ハードな労働環境のわりに給与水準が低いという実情もあります。勤務先によって待遇が変わり、歩合などによっても差が出ますが、厚生労働省が提供するデータによると、エステティシャンの月収は22.7万円、年収は322.8万円と決して高くはありません。
引用元
エステティシャン – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
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エステティシャンの離職理由に対する対応策
エステティシャンが仕事で悩み、辞めたくなるそれぞれの理由に対し、どうすれば退職しなくてもよくなるかという解決策を見てみましょう。
勤務時間の不満への対策
「働き方改革」という言葉も普及してきたように、労働環境の見直しは重要です。
あまり残業しなくて済むように、上司が率先して定時で帰り、スタッフたちが帰りやすい空気を作ってもらう方法や、シフトになるべく融通を利かせられるようにスタッフ同士で調整し合う方法、業務効率を上げるためのツールを導入してもらう方法などがあります。
離職しないように、少しでも働きやすい環境が整うことが大切といえるでしょう。
体力の問題への対策
体力面での問題に対しては、休憩や休日をきちんと取れるような配慮をしてもらうことが必要です。スタッフが各自でも健康管理を意識するように、上の立場の人がうながしてくれる職場だとよいでしょう。
なお、食事や運動などの面で福利厚生を活用し、スタッフの健康に気遣うための取り組みを行っている美容サロンもあります。
人間関係の悩みへの対策
人間関係においては、スタッフ同士がコミュニケーションを取りやすい環境が欲しいものです。さらに、トラブルが起きたときに、管理職などに相談できる体制が整っている職場が理想でしょう。
また、人によっては、職場内だけの関係と割り切って深いつき合いをしないという方法が向いている可能性もあります。
給料の不満への対策
前述とも関連しますが、美容業界は低賃金であるといわれることも多いです。しかし、スタッフたちが意欲的に働くためには、適切な給与体系であるかを今一度見直してもらうことが重要といえます。
また、ノルマや目標が過剰ではないかも見直してもらったり、退職金制度を導入してもらったりするのも有効でしょう。
働きやすい環境への取り組みが重要
ここで、エステティシャンの辞めたい気持ちへの対策の一環として、スタッフが仲良く楽しく働ける環境づくりに力を入れているエステサロン「アンジェラックス」さんでは、以下のような取り組みを行っています。
・残業削減のための完全2交代制
・来年までに有給消化を100%にする(目標)
・有給と定休日を合わせて長期休暇を取り、海外旅行に行くスタッフがいる
・お盆と年末年始は店休日 など
引用元
離職率の高いエステ業界で、「ワーク・ライフ・バランス」を実現させて人を育てたい『アンジェラックス』
別のサロンに転職する方法も
「エステティシャンの仕事は好きだが職場の環境が合わない」という場合は、エステティシャン自体は辞めずに別のエステサロンなどに転職する方法があります。
1. エステティシャンを続けるメリットを考える
エステティシャンは、お客様に喜んでもらえることでやりがいを得られたり、美容について詳しくなり、自分自身の美にも目を向けられたり、経験を積むと役職に就けて収入も上がったりする仕事です。
このことが自分にとってエステの仕事を続ける理由やメリットになるのかを、今一度考えてみましょう。
2. 自分に合う職場を探す
エステティシャンを続けつつ転職するのであれば、自分が働く際に希望したい条件を出しましょう。勤務時間・給料・福利厚生・勤務地などを挙げ、重視する優先順位を決めてください。
よさそうなところが見つかったら、評判などの下調べをします。面接の際には、気になる点をしっかり確認しておくことも大切です。
3. 退職する旨を早めに伝える
自分の仕事の引き継ぎをしたり、サロンが新しいスタッフを募集したりしなければならないので、退職の意思は早めに伝えましょう。また、3月(卒業・入学など)・6~7月(薄着になる)・12月(年末年始)は繁忙期のため退職を避けたほうがよいでしょう。
離職率の高いエステティシャンだが長続きする方法や転職という手段も!
今回見てきたように、エステティシャンの離職率が高いのは事実です。しかし、辞めたい理由ごとに辞めずに続ける方法があるほか、エステティシャンとして転職するという選択肢もあるので、自分がどうしたいのかを改めて考え直してみてはいかがでしょうか。
なお、エステティシャンとして転職したいなら、美容業界の求人に特化したサイト「リジョブ」がおすすめです。転職を検討している人は、気軽に利用してみてください。