トレーナーとして心がけているのは、売れないスタッフをほったらかしにしないこと ロレインブロウ トレーナー下山彩子さん#2

3年足らずで全国約100店舗を展開する乗りに乗っているアイサロン、ロレインブロウ。下山彩子さんは、関東エリアのアイリスト150人以上の教育を担当するトレーナーです。

前編では、前職サロンでの新人時代、苦手意識が強かったまつ毛パーマをひたすら練習して指名率を上げたこと、ロレインブロウ転職後はまつ毛パーマ特化のため体の負担が軽減したことなどを伺いました。

この後編では、トレーナーとしての新人時代から現在に至るまでを教えていただきました。下山さんは、教育にあたる全スタッフにアイリストになってよかった、ロレインブロウに来てよかったと思ってほしいのだとか。そのために心がけているのは、売れないスタッフをほったらかしにしないことだそうです。

お話を伺ったのは
ロレインブロウ
トレーナー下山彩子さん

2社を経験した後2021年9月ロレインブロウ入社。ロレインブロウでは3年以内の離職率を下げるため、「美容業界の負のイメージを覆す」をテーマに働き方改革を実施。歩合給38%の高還元率、リピート率80%以上のシステム構築により入社半年で給与30万超えのスタッフも多いとか。現在入社3年目の下山さんはトレーナー業務を担当。

履歴書なしで応募可能!

実際の求人を見てみる

しっかり話を聞き、褒めて伸ばすがモットー

研修施設で。「大変なこと? めっちゃあるような気もしますが、楽しいことのほうが多いです」

――改めてトレーナーとしての仕事内容を教えていただけますか。

関東エリアの約50店舗を担当するトレーナーとして、まずは採用が決まったスタッフにマニュアルを元にアイリストとしての技術を教えます。店舗配属後は対面やオンラインなどで技術の確認を行ったり、接客その他に関する悩み相談の対応にあたります。毎月末には各店舗の売上を確認し、それぞれの課題の洗い出しと課題解決のためのアドバイスをすることが主な業務になります。

――どんな悩み相談があるのですか。

技術や接客面の相談もあれば、ちょっと気分が落ちているので連絡してみましたという内容も。20代前半の女性スタッフが多いので、メンタルの揺れはあって当然。毎日誰かしかからラインが入りますね。でもそうやって頼ってくれるので研修トレーナーとしてメンタルケアしつつ、ちょっとがんばらせたり。もうみんなかわいい自分の子どもみたいに思えてきます。

――トレーナーになってからの失敗談はありますか。

まだマニュアルが確立されていない時期に、何人か離職を出したことでしょうか。

――辞めたい理由にはどんなものが多いのですか。

イメージと違った、伸び悩んで歩合給が出ないからもう少し緩いサロンに移りたいというのもありました。でも、楽して稼げる仕事ってないですよね。やっぱり稼ぐためには何かしら努力が必要。例えば技術向上心がないとお客様がつかない。でもあまり指示をもらいたくないし、ゆるく20万円くらい稼げたらいいんだよね。という方はロレインブロウには合わないのかなと感じています。

――離職を防ぐためにとった対策は?

スタッフ育成マニュアルを確立し、随時マニュアルの更新を図りました。いまでは、未経験でもこれさえ頭に入れておけば絶対売れるという内容のマニュアルを確立しています。定期的にオンラインの勉強会も開催していて、技術はもちろん接客面での悩みもケアするなどアフターフォローも手厚くなっています。

――下山さんはいま31才ですよね。スタッフの方とギャップを感じるほどの年齢差ではないと思いますが、育成にあたり意識していることはありますか。

わたしのアイリスト新人時代は、「背中を見ろ」みたいなスタイルで、褒められることはほぼほぼなかったです。でもZ世代は、いきなり強めにアドバイスすると、もう嫌ってなりやすい子が増えたなと研修を通じて感じています。なので、こちらがしっかりと話を聞いた上で、褒めて伸ばすことを心がけています

とはいえ個人差もあるので、あまり甘やかしてしまうとダレてしまうタイプにはピリッとした態度で。よしよしってしたほうがいい場合はちょっと優しめに。スタッフによって接し方を少し変えるようにしています。

充実したマニュアルでリピート率80%を実現

オリジナルのまつ毛美容液の販売が高いリピート率をさらに後押し。

――リピート率が80%を超える理由はどこに?

特定のスタッフだけでなく全国的にリピート率が80%を超える理由も、充実したマニュアルにあると思います。例えば自分はあまり気が利かないというタイプでも、マニュアル通りの動きをすることで気の利くスタッフだと思ってもらえるような内容になっています。全国的に高水準の数値がとれているのは、やっぱりマニュアルのおかげだと思いますね。

――それほど充実したマニュアルはどうして作れるのですか。

わたしのアイリストとしての経験もありますし、人材育成に関する講習会やオンラインサロンなど学ぶ機会も豊富に与えられているので、そういった学びを大いに反映しています。

それからマニュアルを一回作って完成だと時代に乗り遅れてしまうので、短いスパンで更新しています。最近この部分が不調だから、マニュアルのこの部分を変えてみようというように、常に内容を更新するようにしています。

――下山さんがトレーナーとして心がけていることは?

まだ実現できていないのですが、全員を稼がせてあげたいという気持ちが根本にあります。仕事が楽しいと思ってもらえないと、やりがいを感じることができずに離職につながりますよね。どのスタッフにもロレインブロウでよかった、幸せだと思ってほしい。そのためには、売れない子をほったらかしにしないこと。各スタッフに刺さるような声がけをしているつもりでも、それがマイナスに出てしまったり、逆にプレッシャーになってしまうことも…。そのへんはまだまだ勉強不足で今後の課題でもあります。

スタッフがやりがいを感じて働けることがトレーナーとしての喜び

コロナ禍以降、マツエクより持ちがいいという理由でまつ毛パーマブームが続いているそう。

――3年前と現在を比べて成長したことは?

以前は他人に興味がなかったというか自分さえがんばればいいと思っていました。でもトレーナーは、他人をがんばらせるためにはどうしたらいいのかを常に考えなければいけない仕事。この役職を与えていただき、考え方が柔軟になったと思います。

トレーナーとして関わったスタッフがお客様を喜ばせ、それをやりがいと感じるスタッフを間近で見れることが現在のわたしの最大の喜びであり、トレーナーとしてのやりがいだと感じています。

――新人時代にやっておいたほうがいいことはなんでしょうか。

とにかく数をこなすことと、いろんな人の技術を見て目を養うこと。いまはインスタやYouTubeなど無料で見れるツールがたくさんあります。わたしの新人時代にはまだそういったものがなくて自分のやり方しか知らなかったので、レパートリーが少なかったなと感じます。技術だけでなく、きれいにしている人の動画を見て、これはどうやっているのかなと探求することでも自分の向上につながるのでは。

それから、前職の退職理由のひとつに、聞く人がいなかったということがあるんですね。いつもこれで合っているのかなと不安な気持ちを抱えながら施術していたような気がします。店長が聞く役目を果たす店も多いと思いますが、店長にもお客様がいるので結局時間がなくてそこで悩んでしまうというパターンも多いんですよね。トレーナーがいるサロンであれば、聞きたい時に聞けるし細かいところまで教えてくれるので、どんどん活用してほしいと思います。

――最後に今後アイリストを目指す人にアドバイスをお願いします。

ダイエットやエステはある程度継続しないと結果が出ないので、お客様の反応をその場で見ることはできません。でもまつ毛や眉毛を扱うアイリストは、お客様の喜ぶ姿がその場で見れる。それは、アイリストの最大の喜びです。そういったことをやりがいにがんばってほしいなと思います。

トレーナー下山さんが教える新人時代にやるべきこと

1.とにかく数をこなすこと。それが自信につながる

2.インスタやYouTubeを見て目を養う

3.分からないことはトレーナーなど聞ける人にこまめに聞く

下山さんのアイリスト新人時代とトレーナーとしての新人時代。いますぐ真似したいことがたくさん散りばめられているのでぜひ実践してみて。

撮影/大崎聡
取材・文/永瀬紀子

求人数3万件!リジョブで求人を探してみる

Salon Data

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事

近くのアイリスト求人をリジョブで探す

株式会社リジョブでは、美容・リラクゼーション・治療業界に特化した「リジョブ」も運営しております。
転職をご検討中の場合は、以下の地域からぜひ求人をお探しください。

関東
関西
東海
北海道
東北
甲信越・北陸
中国・四国
九州・沖縄