お客さまにもスタッフにも徹底した居心地のよい空間を提供する『wagon』
銀座駅から徒歩2分。店内に一歩足を踏み入れると、そこにはモダンアンティーク調の空間が広がり、まさに大人の隠れ家といった雰囲気を漂わせている『wagon』。今年でオープンから10年目を迎え、その店内や接客の居心地のよさに、お客さまから高い支持を獲得し続けています。お店のコンセプトや特徴についてトップスタイリストの小林佳祐さんに伺いました。
作り上げるスタイルは自分次第!自由度の高いサロン
――小林さんのご経歴を教えてください。
「wagonが麻布十番にあった時に働きだして、今年で8年目になります。以前は他のサロンで働いていましたが、制約がほとんどない自由なサロンだというところに惹かれて転職しました。サロンによっては、お店のスタイルを固定しているところも多いと思うのですが、お客さまから支持されるのであれば、自分の好きなスタイルを作っていいというのが魅力だったんです。教育の部分では、それぞれが一美容師として育っていくので、僕がいいと思ったスタイルを後輩がいいと思わないことも当然あるわけですよね。自由ゆえの難しさを感じることもあるのですが、根本の部分ではみんなが自分の力を伸ばして長く美容師として働こうという思いでつながっているので、一体感はあるサロンだと思っています」
――『wagon』という店名にはどのような思いが込められているんですか?
「『wagon』というのはよく美容室においてある、薬剤などを載せるキャスターのようなものをワゴンと言いますが、それと同じ意味合いで『何かを運ぶもの』という意味が込められています。お客さまにお店にお越しいただいて、施術をして、そこで新たな気分になっていただき、新たな場所にお連れする。そういう役目を担った場所という思いが込められています。オーナーの田辺が麻布十番に10年前に作り、その6年後に銀座に拡張移転した形になります」
すべては徹底した居心地のよさのために
――内装のこだわりはありますか?
「中目黒の『ACME』というヴィンテージ家具のお店が監修しており、店内にある家具は特別に卸してもらったり作っていただいたものばかりですね。店内はモダンアンティークをコンセプトとしています」
――このお店のコンセプトを教えてください。
「お客さまにもスタッフにも『徹底した居心地のよさを提供する』ことをコンセプトにしています。こだわりにもなるんですが、アットアロマという会社のアロマディフューザーを使って香りの空間演出をしています。以前に比べると改善されてはいるんですが、美容室はやはりパーマ液などの薬品のにおいがどうしてもしてしまうので、そのにおいができるだけ気にならないようにしています。スタッフに対しては居心地という意味合いが少し変わるのですが、お休みのとりやすさだったり、お給料を多くするということをして、働きやすい環境を提供するようにしています。アシスタントは自分のお金にならない仕事を、ずっとしているという面がどうしてもあると思うんです。もちろんそのなかでも学ぶべきことはあるのですが、体力的にはきついこともあるので、上の人間がフォローするということをしていますね。忙しい時間であっても休憩をきちんととってもらい、アシスタントがいない時間帯は上の人間がしっかりまわしていくようにしています。トップダウン型の経営ではなく、下におりてきて助け合う、助け合いの精神が強いお店だと思います」
――小林さんから見て、オーナーの田辺さんはどんな人ですか?
「芸大を出て美容師をやっているので、ちょっと変わっているというか読めない部分があるかなと思いますね。お店に入ってきて時計をじーっと見ていて、『これ傾いてない?』って時計を直していたり(笑)。ただ、スタッフへの配慮はすごくありますし、いろいろな部分でプロ意識の体現をしてくれる人ですね。口だけではなく自らやってみせてくれるので、信頼しています。すごいなと思うのが、空いてる時間を見つけては誰よりも掃除をするんです。そこは僕たちも見習わないといけないと思いますね」
居心地のよい空間が広がり、スタッフも穏やかな方ばかりの『wagon』ですが、入社の条件は本気度の高さなのだとか。後編で詳しく伺います。
“本気、感謝、思いやり” すべてを兼ね備えたスタッフが切磋琢磨するサロン『wagon』>>