独自の魅力を発信し、多くのお客さまを下北沢に引き寄せる『LOAWe』
下北沢駅から徒歩数分、一番街商店街の奥にある『LOAWe(ロウイ)』。そこは落ち着いた色合いのインテリアに囲まれた、心からリラックスできる空間でした。
前編の今回はオーナー・ディレクターの江田有希さんに、サロンをオープンしたきっかけやサービスの特徴についてうかがいました。
「下北沢に来たついで」ではなく、「このお店のために下北沢へ」
――サロンの特徴について教えていただけますか?
「下北沢という土地は、やはり若い世代の人が集まる場所で、流行の発信地でもあります。学校帰りに下北沢で買い物や食事をして、ついでに髪を切っていく……という方が多く、またそういうニーズに合わせた若い世代が行きやすいヘアサロンが多いと思います。しかし、LOAWeは大人の女性をターゲットに『髪を切りたくて来る』『このお店を目的にして下北沢に来る』というお客さまを集めたい、と考えました。だから内装も下北沢に多い明るくカジュアルな雰囲気のものではなく、隠れ家的な立地に木の質感を多めに使い、アンティークなアイテムやインダストリアルなイメージを取り入れることで、このサロンを目指して来たくなるようにデザインしています」
「美容師になる前」から独立するつもりだった
――サロンをオープンされたきっかけを教えてください。
「私は昔から、それこそ美容師になると決める前から『自分で事業をしたい!』という独立願望が強かったんです。だから20歳で美容師として働き始めたときには『3年でスタイリストになって、それから2〜3年で独立できるんじゃないか!?』なんて安易に考えてました。もちろんそう簡単にはいきませんでしたが、年齢を重ねるにつれてお店を出すために必要なことが明確になっていきました。どれだけのお客さんが自分につくようにならないといけないか、お店を出すのに必要なお金はいくらか、そういったことを 1つひとつクリアし、新たに『30歳で独立する』という目標を立てて、無事お店を出すことができました。
お店の場所を下北沢に決めた理由は……最初に美容師として働いたのが下北沢のすぐ近くのお店だったのが一番大きいです。その後いくつか違うサロンで働き、最終的には下北沢でフリーランスを経験して独立まで働いていました。そんな経緯から私のお客さまも下北沢に来やすい方が多く、やはりお店を出すならここだということで、この場所に決めたという流れです」
ブランディングの軸となる“カラー”と“トリートメント”
――提供されているサービスの特徴はなんですか?
「当サロンがブランディングの軸にしているのは、カラーとトリートメントです。まずカラーに関しては、さまざまなカラー剤を独自に考案した配合で使用しており、それを『sea sideカラー』というネーミングで提供しています。このカラーの特徴は、たとえば日本人特有の髪を染めたときに気になる赤味をしっかり打ち消して染めることに重きを置いていることです。また、その配合や施術内容についてはお客さまにすべてお伝えしています。このカラーの配合や施術内容で『なぜ』赤味が消えるのか、『なぜ』透明感が出るのか、『なぜ』ヌケ感が出せるのか、その理由をあまり他のサロンでは具体的に話していないと思います。当店では、それらをしっかりカウンセリング時に理論と経験に基づいて伝えていて、それが当店のオリジナリティのひとつになっていると思います。
トリートメントについても、お客さまの髪質にあわせてさまざまなメーカーのハイスペック製品を配合しています。それに加えて当サロンでは『超音波アイロン』や『マイクロミスト』、『振動コーム』、『炭酸泉』などを使っています。これらを使うことでトリートメントの薬剤を髪の奥まで浸透させることができます。それによりトリートメントの効果が向上し、長持ちするようになるのですが、下北沢エリアで使っているヘアサロンはまだあまりないと思います」
表参道などまで行かなくとも、下北沢で最新のヘアケアが受けられる点をブランディングの軸のひとつとしている同サロン。しかし、特徴はそれだけではありません。後編ではお客さまからの感想や内装へのこだわり、今後のビジョンについてうかがいます。
短期的な集客に頼らず、じっくりとお客さまとの信頼関係を築き上げる『LOAWe』>>