歯科技工士になるにはどんな資格がいるの?就職先や仕事内容、求人の探し方を解説

歯科技工士は、歯科治療に欠かせない重要な職種で、高い専門性が求められます。そんな歯科技工士になりたいけれど、具体的にどんな資格が必要で、就職先や仕事内容はどうなっているのか分からない、という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、歯科技工士になるために必要な資格や、具体的な仕事内容、さらに求人の探し方について詳しく解説します。これから歯科技工士を目指す方は、ぜひ参考にしてください。

履歴書なしで応募可能!

実際の求人を見てみる

歯科技工士とは?

歯科技工士は、歯科医師の指示に基づいて、入れ歯や歯の被せ物・インプラント・マウスガードなど、口内に装着する補綴物(ほてつぶつ)の設計・作成・修繕をおこなう専門職です。

こういった器具は患者の口内環境や治療計画に合わせて作成しなければならないため、歯科技工士には高い技術力と精密な作業が求められます。

歯科技工士になるには、国家資格である歯科技工士の国家試験に合格する必要があります。この資格を取得することで、専門的な知識と技術を持つ歯科技工士としての活躍が可能です。

引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))歯科技工士 – 職業詳細

歯科技工士の資格を取得するには?

歯科技工士の資格を取得するには国家試験に合格しなければなりません。加えて、国家試験の受験にも要件があります。歯科技工士の資格を取得するまでの流れについて、見ていきましょう。

引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))歯科技工士 – 職業詳細

1.高校卒業後、歯科技工士教育機関に入学する

歯科技工士を目指すには、高校卒業後、まず歯科技工士教育機関に入学します。歯科技工士教育機関とは、文部科学大臣が指定した専門学校や、都道府県知事が認可した歯科技工士養成所のこと。専門学校・短期大学・大学などがあり、修学期間は2年から4年と、学校によって異なります。

入学後は、歯科技工士としての専門知識や技術を学びます。

引用元
厚生労働省|歯科技工士国家試験の施行

2.国家試験を受験する

必要な理論や技術を学んだら、国家試験を受験します。この試験は年に1回実施され、一般的には2月におこなわれます。

たとえば、令和5年度の歯科技工士国家試験は、令和6年2月18日(日)でした。知識を問われる学説試験と、実技を問われる実地試験があり、それぞれの合否基準を満たす必要があります。

引用元
厚生労働省|令和5年度歯科技工士国家試験の合格発表について

なお、直近3年の合格率は、以下の通りです。

回数(年度) 受験者数 合格者数 合格率
第9回(令和5年度) 835名 799名 95.7%
第8回(令和4年度) 904名 820名 90.7%
第7回(令和3年度) 872名 827名 94.8%

引用元
一般社団法人 歯科医療振興財団|歯科技工士国家試験

3.歯科技工士名簿に登録申請する

国家試験に合格しただけでは、まだ歯科技工士として就業することはできません。国家試験合格後は、一般財団法人歯科医療振興財団に名簿登録申請も必要です。登録申請が受理されて名簿に登録されることで、晴れて歯科技工士免許が交付されます。

歯科技工士免許の交付をもって、正式に歯科技工士として働くことができるようになります。

引用元
一般財団法人 歯科医療振興財団|歯科技工士登録

履歴書なしで応募可能!

実際の求人を見てみる

歯科衛生士、歯科助手とはどう違うの?

歯科技工士とよく似た職業に、歯科衛生士と歯科助手があります。どの職業も歯科医院で働き、患者の歯科治療に関わる点は共通していますが、厳密にはさまざまな違いがあります。

ここからは、歯科技工士と歯科衛生士・歯科助手との違いについて見ていきましょう。

歯科衛生士とは

歯科衛生士は、歯科技工士と同じく、国家資格が必要な専門職です。主に「歯科予防処置」「歯科診療補助」「歯科保健指導」の、3つの業務を担います。

歯科予防処置では、歯のクリーニングやフッ素塗布などの処置をおこないます。今ある健康な歯に対する、虫歯や歯周病の予防です。歯科診療補助では、歯科医師の診療をサポートし、治療中の器具の準備や患者のケアなどをおこないます。

歯科保健指導は、患者に対して適切な歯磨き方法や口腔ケアのアドバイスなど、患者が自分でおこなえる歯の健康維持方法についての指導やサポートです。

引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|歯科衛生士 – 職業詳細

歯科助手とは

歯科助手は、歯科医院内の診療補助や管理業務を担当します。歯科技工士・歯科衛生士と大きく異なる点に、国家資格が不要なことが挙げられます。

主な業務は、患者の受付などの窓口対応・診療予約の管理・レセプト(診療報酬請求書)の作成などです。

また、診療中には、歯科医師や歯科衛生士のサポートを担当することも。患者の口腔内に直接触れる行為はおこなえませんが、治療器具の準備や片付けなど、さまざまな面から歯科治療を支えます。歯科助手は、歯科診療の運営をスムーズに進めるための重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|歯科助手 – 職業詳細

関連記事
歯科助手の仕事はきつい?仕事内容や働くメリット、大変といわれる理由を解説

歯科技工士はどんな場所で働いているの?

歯科技工士は、さまざまな場所で活躍できる職業です。ここからは、歯科技工士の主な就職先について、見ていきましょう。

引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|歯科技工士 – 職業詳細

歯科技工所

歯科技工所では、口内に装着する人工物を作成します。歯科医院で型取りやデジタルスキャンした患者の口腔内のデータをもとに、入れ歯やインプラント・マウスガードなどの補綴物の設計・製作が主な業務です。

患者が装着した際に違和感がないように、口腔内のデータに合わせた正確な補綴物を作成するための、高い技術力が求められます。また、治療計画にもとづいた適切な補綴物の提案をすることもあるため、歯科医師との密な連携も重要です。

歯科医院

歯科技工士が歯科医院で働く場合、歯科医師と連携しながら補綴物の製作をおこないます。歯科医院での業務は、患者の口腔内のデータや、ときには状態を直接確認して、補綴物を設計・製作することです。

型取りやデジタルスキャンから得られた情報をもとに、治療計画に合わせた適切な補綴物の提案や調整もおこなって、患者一人ひとりに最適な補綴物を提供します。よい治療結果をもたらすためには、技術はもちろん、細やかな心配りも必要です。

総合病院の歯科技工室

歯科がある総合病院では、通常、あわせて歯科技工室も付随しています。総合病院の歯科技工室でも、歯科技工士は働いています。

総合病院では、個人の歯科医院と比較すると、対応する患者の数が多い傾向にあります。そのため、さまざまな患者の幅広い症例に対応するための、高い技術力と専門知識が求められるでしょう。

総合病院の歯科技工室では、入れ歯や被せ物のようなもののほかに、複雑な口腔外科手術や、重度の歯科疾患に伴う補綴物の製作も担当します。

歯科医師や歯科衛生士はもちろん、口腔外科医や看護師、ときには診療科の垣根をこえてほかの医師たちとの連携を求められることも。医療チームの一員として、連携を図りながら患者のための補綴物を製作します。

総合病院では、医療技術の進化に伴い、新しい材料・機器・技術を取り入れることも多いため、常に最新の知識と技術の学習に務めましょう。

歯科器材・材料関連企業

歯科器材・材料関連企業で働く場合は、歯科用材料や器材の設計・試作・テストから、品質管理まで、幅広い業務に関わります。実際の歯科治療での使用に適した品質と性能を確保する、重要なポジションです。

また、製品の使用方法に関するトレーニングなどもおこない、現場の歯科医師や技工士が効果的に利用できるようサポートすることもあります。

患者との直接的な関わりはないものの、市場のニーズを把握し、新しい材料や技術の研究・開発に関わり、歯科治療の進化に貢献できる職場です。

歯科技工士教育機関

歯科技工士教育機関で、後進の歯科技工士の育成に携わるという働き方もあります。実技指導や講義を通じて、歯科技工の基本技術や最新の技術、現場で求められることなどを伝授します。

また、デジタル技術の導入にともない、最新の機器や材料に関する教育も大切です。これからの業界の進化に対応できる技術者を育成する、重要な仕事と言えるでしょう。

歯科技工所の開業

独立して、自分の歯科技工所を開業することも可能です。開業するにあたっては、歯科技工士としてのスキルだけでなく、経営面のスキルも求められます。就職して働くことと比較すると、自由な働き方ができ、収入が上がる可能性がある一方で、大きな責任も伴います。

歯科技工士の求人を探すには?

さまざまな場所で活躍できる歯科技工士ですが、求人を見つけて就職しなければ、働くことはできませんよね。ここからは、歯科技工士の求人を探す方法について見ていきましょう。

就職・転職エージェントを利用する

歯科技工士の求人を探すには、就職・転職エージェントを利用する方法があります。エージェントには専任のアドバイザーが在籍しており、希望やスキルに合わせた求人を紹介してくれます。さらに履歴書の添削や面接対策など、応募から内定までのサポートも。

エージェントによっては特定の業界に強いところもあるので、なるべく歯科業界に強いエージェントを利用しましょう。

求人サイトで探す

求人サイトを利用すると、より多くの歯科技工士の求人を見つけられるでしょう。求人サイトでは、勤務エリアや給与・福利厚生などの労働条件で絞り込みが可能で、自分に合った求人を簡単に検索できます。

また、更新が頻繁で、最新の情報を取得しやすいことも特徴です。企業の詳細情報や口コミが掲載されていることも多く、職場の雰囲気や待遇について事前に確認できるでしょう。

求人サイトも特定の業界に特化しているものがあるので、歯科業界に強い求人サイトの利用がおすすめです。

歯科技工士のやりがいや魅力

歯科技工士は、歯科医療を通じて患者の美しさや健康をサポートする、やりがいのある仕事です。精密な技術で補綴物を作成し、患者の口腔内の機能と美しさの向上に携わることができます。患者の笑顔に直結し、ときには直接感謝の言葉を受けることで、大きな達成感を得られるでしょう。

また、専門性の高い国家資格が必要な仕事のため、資格を取得すれば全国どこでも就職可能で、地域を問わず安定した需要が見込まれます。高齢化社会が進む昨今では、歯科技工士のニーズは今後さらに高まると期待されているため、長期的なキャリア形成も可能です。

歯科技工士になるには国家資格が必要

歯科技工士は、入れ歯や歯の被せ物・インプラント・マウスガードなど、歯科医院の患者が口腔内に装着する補綴物を作成するのが主な仕事です。国家資格が必要で、資格を取得するためには多くのことを学ばなければならず、さらに試験に合格しなければいけません。

歯科医院をはじめ、さまざまな場所での活躍が期待できる歯科技工士の求人を探すなら、歯科業界に強い求人サイト「リジョブ」の利用がおすすめです。豊富な掲載数の求人情報のなかから、自分に合った求人が見つかるでしょう。

リジョブは転職満足度98%※と非常に高い評価のリジョブを利用して、歯科技工士としての第一歩を踏み出してみてください。

※リジョブ経由で採用された1,242名を対象に実施した満足度自社調査より(実施期間:2023年2月8日〜2023年3月8日)

業界未経験でも企業からスカウトが届く まずは登録
この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事