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天神様のご縁日「初天神」は、カワイイ「木鷽(きうそ)」と梅のほころびが彩ります 【縁起物・後編】


お正月にサロンのスタッフの方との会話で、「鷽替えの神事」の話に興味を示される理由は、もちろん、そこで授与いただける縁起物のかわいらしさ。

そこに加えて、天神社・天満宮のもつ美意識のありようが、同じく美を司るシゴトに携わる方のココロの琴線にふれるのじゃあないかなとも思います。というのも……。

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初天神の1月25日は、梅ほころぶ中での「鷽替えの神事」

天神さんを祀る神社の神紋は「梅」。

もうそれからして美しく愛らしい紋で、それが境内のあちらこちらをひそやかに彩っています。

梅
加えて、初春早々には、ホンモノの梅も咲き始める。

神社によっては、晩春には、菜の花を供えたり、初夏には藤(亀戸天神の菜種御供と藤まつり)、秋には菊まつり(湯島天神と亀戸天神)も盛ん……と、美しい花に縁のある場所でもあります。

考えてみれば、天神社・天満宮ほど、自然からいただく美に満たされた神社ってなかなかないのでは? などとも思う。

木鷽チラシ
実は、木鷽を授与いただくのにも、長い列に並んで待つ覚悟がいりますが……。

それも境内に咲き始めた梅の花を愛でつつなので案外平気だったりします。もちろん、その1でご紹介した亀戸天神の境内の梅も見事ですが、湯島天神も負けてはいません。

さて、湯島天神の木鷽さんはこんな風

木鷽

愛くるしさは他の木鷽同様。しかし、そのデザインは、樹皮を付けたままの枝を使い、先っちょはざっくり削って赤く採色。

足元には、梅の神紋が配され、とにかく大胆な意匠が素敵です。しかも大小あって、両方授与いただくのも可能。

木鷽

木鷽
後ろ側には「湯島天満宮」の文字が、底には授与いただいた年の干支が入れられています。

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湯島天神の木鷽さんは、合格祈願のご利益もある?

天神さんはそもそも学問の神様で、学問成就の信仰は共通ですが、近くに大学が多いという場所柄なのか、湯島天神は合格祈願として、特に有名な神社。

実は、昨年並んだ列の前には、偶然にも受験生の方がいて、聞くところによると「鷽」は、「学」の旧字の「學」に字面が似ているので、特に合格祈願のお守りにするんだとか。

それを、後ろで聞いていたのは、またも偶然就活中の大学生の方。

「俄然、木鷽をいただきたくなった!」と、意気込んでもおりました。

「凶事を嘘にし、幸運を招く」以外のご利益がいつのまにか増えているみたいです。

ちなみに、湯島天神の木鷽は、その袋までかわいくて、表には木鷽のイラスト。裏には、「鷽替えの神事」の由来と、梅の枝に止まった鳥の鷽も描かれています。

木鷽袋

湯島天神にお参りしたら、上野五條天神へ

木鷽は、列に並んで授与いただくほどに、とても人気のある縁起物です。授与いただける日は、初天神の1月25日のみだし、数にも限りがあって、朝早起きは必須。

しかし、大人気なので全部授与はやや困難。いずれかの木鷽をひとついただければ良しとしましょう。

それでも、湯島天神にお参りしたなら、五條天神はそこからすぐです。せっかくなので、上野の五條天神へもお参りするのがおススメ。もちろん、その逆もしかりです。

さて、湯島天神から春日通へ出て坂を下り、天神下の四つ角を左折、先に見える木々に囲まれたのが不忍池。五條天神へは、その不忍池の蓮が風流に立ち枯れた様子などを眺めつつ、池に沿ってぐるっと歩けば、もうすぐです。

景色

上野五條天神は、上野公園の中にひっそりとある、普段は静謐な雰囲気が満ちた神社

しかし、この日は、早くから木鷽を求める参拝者の方が三々五々やってきて、やはり社務所前には列ができます。

おそらく、湯島天神の木鷽を授与いただく間に、五條天神の木鷽は、もう授与終了のはずですが、そのお姿はこんな風です。

木鷽

木鷽
ココで木鷽を授与いただく際は、巫女さんから、紙袋に入った木鷽が積まれた三方を差し出され「どうぞ、お選びください」といわれます。

五條天神の木鷽の意匠は、基本、頭に銀紙が配してありますが、中に密かに金の頭の「金鷽」が混ぜられていて、授与いただく側にとってはちょっとした運試し。だから、おみくじのように自分で選ぶのが作法なのです。

もちろん、出現する確率は、かなり低いのだそうですが、当たれば、「将来家運が隆盛に赴く吉兆」であると伝えられています。

となると、ちょっと期待してしまいますよね。が、もちろん写真のように、銀の木鷽さんにしかまだお会いしておりません。

五條天神の木鷽は、「宮司さん自らの手による一刀彫で……」

と、神社のサイトに紹介記事があって、そもそも授与される数は少ないみたい。拝殿で丁寧にお祓いしたのち、いだだけるということもあって、金であろうと銀であろうと、この可愛らしい姿の縁起物がいただけただけでもありがたいような気がします。

ちなみに、五條天神は、医薬の神さまもお祀りしている神社ですので、「健康上の凶事・厄災も嘘にして、カラダ健やかに過ごす」なんて、ご利益も期待できるかもしれません。

さあ、今年は、どちらの木鷽さんを授与いただきにゆこうか

私は、毎年、この3つの神社をアトランダムに廻り、年にひとつだけ木鷽さんをいただくのが習慣になっております。

しかし、1月25日だけ(亀戸天神は、24・25日)の行事なので、お勤めされている方には、ちょっとお参りするにも難しい行事かも。

そんな時はどうすれば?と時々聞かれますが、五條天神では、正月三が日にも木鷽の授与があるみたいなので、初詣をこちらで(といっても、今年はもう過ぎてしまいましたね。すみません。)

あるいは、亀戸天神にて木鷽グッズを入手するのはいかがでしょうとおススメしております。

文・写真

タオミチル

旧暦ライフスタイル研究ライター、ブックレビュアー。ブログ「ミチル日々」http://michiruhibi.com/にて、年中行事、縁起物などを含む、旧暦ライフスタイルを発信中。

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