幸せの時を作る! 人気ウエディングプラナーの仕事を見る
日本では、「ウエディング」というとホテルや結婚式場などのウエディング施設に相談し、用意されたプランに沿って進行するのが一般的ですね。
これに対して、特定の会社や会場に属さず一からウエディングをプロデュースするのがフリーウエディングプランナーです。
会社の利益を追求するのではなく、予算やスケジュールなど二人の都合や希望に合わせ、細かいところまで相談にのってくれるので、より二人らしいウエディングを実現できると注目されています。
ウエディングプランナーとは一体どのような仕事をするのでしょう。
フリーウエディングプランナーの先駆け的存在で、これまで800組を超えるウエディングをつくってきた遠藤佳奈子さんに仕事のこだわりを伺い、全2回にわたって聞いていきます。
ウエディングは「舞台」のよう。大切にすべきポイントに気をつけて。
「ウエディングに集まってくれるのは、今後夫婦を支えてくださる大切な方々ですよね。だからこそそんなゲストとの絆を築く場でもあります。言い方は良くないかもしれませんが、ゲストたちは時間をさき、お金を払って来てくださいます。そんなゲストに“彼らの結婚式は本当に良かった”と思ってもらえることが理想的だと思っています。結婚式を経て、さらにゲストに愛される新郎新婦になってほしいです。」
オペラ歌手の母、サキソフォンプレーヤーの姉、女優の妹という芸術に囲まれた家庭環境で育ったこともあり、参加してくださるゲスト、そして裏方としてお二人を輝かせるスタッフなど、沢山の人が関わるウエディングは「舞台」の様であると、感じているそうです。
コンセプトは無理に作る必要はない。一番大切なことは何のための式か忘れないこと。
「映画○○のようにしたい」「サーカスをテーマにしたい」など、最近はコンセプトを作ってウエディングを企画する新郎新婦が増えています。
そのような依頼に遠藤さんはどのようなアドバイスをされるのでしょう。
「オシャレなコンセプトウエディングの事例がネットやSNSに多数あげられるようになり“ウエディングをするならコンセプトを考えなくちゃ”と考える新郎新婦が増えているように感じます。これって実はここ数年の話です。
実際“私たちのコンセプトは何ですか?”という質問もよく受けます。ですが私は“コンセプトは無理につくる必要はありません。”とお応えしています。コンセプトづくりに捉われすぎると自己満足な結果になりがちです。それよりも、ゲストに感謝や「これから宜しくお願いします」という気持ちを伝えることの方が重要なはず。
その延長線上にコンセプトが浮かべば、それは設定すべきだし、無ければ無理に作る必要はありません。このようにお二人がゲストに何を伝えたいかという思いを出発点として、お二人の気持ちを表現する方法を提案していくのが私のスタイルです。
お二人だけでなく、ゲストの目線で考えることは、あらゆる提案内容に関わってきます。式場選びや、演出、ディスプレイ、お金の掛け方などは勿論ですが、例えば一見ゲストには関係なさそうな新婦のヘアメイクでも、前髪をおろすかアップにするか迷っていたら、“ドレスは非日常。いつもおろしているなら、非日常を感じてもらえるアップにしてみては”と提案します。“ゲストに喜んでいただくことを第一優先にするかしないか”で、全く違うウエディングになると思います。」
まとめ
遠藤さんは冒頭でウエディングは「舞台」だと例えていました。
“役者”である新郎新婦と“スタッフ”である各業者をつなぎ、それぞれが一番いいパフォーマンスができるよう進行するのがウエディングプランナーの仕事の重要な側面であると語ります。
次回は、準備から演出方法まで、具体的な例を伺ってまいります。
profile
遠藤 佳奈子
立命館大学卒業後、(株)ベストブライダル 入社。250組にのぼるアシスタントを経て、ウエディングプランナーとしてのキャリアをスタート。
2005年には東京 青山のセントグレース大聖堂の開業準備チームとしてウエディングサロンの立ち上げに従事。2006年5月のオープニングウェディングをプロデュース。プランナーリーダーとして、各界セレブリティのウエディングを手掛けてきた。その後一旦ウエディング業界を退くも、2010年日本では先駆けとしてフリーウエディングプランナーをスタート。世界的有名レストランやラグジュアリーホテル、ハワイの邸宅などでのウエディングを中心に手がけている。プランニングの他、研修やイベントでの講師、ラジオ、ウエディングに関する企業コンサルティングなど幅広く活動している。監修を務めた実用書「これで安心!結婚準備&マナー」が発売中。
http://www.wedding-lab.com/index.html