未経験からエステ・マッサージ業界へ。転職を決めたポイントは?
エステティック業界は独立までの期間が短いため店舗数が増えている一方、人材不足に悩むサロンは少なくありません。(日本エステティック研究財団、ミュウ美容学院WEBサイト参照)
エステティシャンになるためには国が指定する資格はありませんし、通信教育や養成スクールは3ヶ月〜1年程度と短期間で卒業できるクラスも多く、生涯の仕事として手に職をつけたいと願う人たちに注目度が高まっている職業です。
今回は、未経験からエステティック・マッサージ業界に転身した皆さんに、転職でぶつかった壁や乗り越え方を伺いました。現在転職活動中の方、いつかは転職したいと考えている人、エステティック・マッサージ業に興味のある方も……必見です!!
“好き”を職業にしたい。大人になってから夢を叶えるために乗り越えてきたこと――
PROFILE
右から徳重裕太さん 27歳/ストレッチ・ボディメイクのトレーナー歴3年。転職歴は2回。現在はボディメイクのパートナートレーナーとして勤務中。
須藤理沙さん 43歳/派遣の仕事をしながらアロママッサージの勉強中。
滝村慎吾さん 39歳/サービス業からパーソナルトレーナーに転身。現在は足つぼマッサージのサロンで勤務中。
人見智美さん 46歳/化粧品会社勤務から痩身・リラクゼーションサロンへ転身し実務経験3年。子育てが落ち着いたので復職を目指して転職活動中。
増田千紘さん 26歳/高校卒業後、フェイシャルエステティックサロンに就職。数年勤務したのち一旦別業界へ転身。現在は復職に向けて転職活動中。
-皆さんなぜ美容業界に就こうと思ったのですか?
増田「もともとお客さんとしてサロンに通うのが好きでした。エステティシャンのきちんとした接客対応に感動し、このような人になりたいと思ったのがきっかけです」。
人見「私もサロンに通っていました。美容のことが好きで勉強すること自体が楽しいし、人をキレイにして“ありがとう”と言われるなんて素敵な職業だと憧れていました。
自分がキレイになりたいし、キレイになる方法を知りたいし、人と話すのも好き。私の好きなことが全部詰まった職業がエステティシャンでした」。
須藤「私は喘息で苦しんでいたときにアロマで癒されたことがきっかけで勉強を始めました」。
徳重「僕は昔野球をやっていて、怪我で苦しんだ時期がありました。そのときに体を改善して怪我を治してくれた先生の腕に感動したんです。“神”のような存在に見えました。僕も誰かの“神”になれたらと思っています」。
滝村「自分の体を鍛えるのが趣味で、自然と体のことに興味を持ち始めたのが入り口です」。
-未経験からエステティック・マッサージ業界に入ってみて難しいと感じたこと、壁にぶつかったことはありますか?
滝村「はじめの頃は力加減がわからず、恐る恐るやっていました。強すぎたり弱すぎたり、お客さんによって同じ力でも感じ方が違うんですよね。クレームもたくさんもらいましたよ」。
人見「私もお客さんから怒られたことあります。“別のスタッフさんはもう少し力入れてくれたのに”と人と比べられることもありました。お客さまの情報はスタッフ間で共有していますが、力加減って伝えにくいんです。“力いっぱい”といっても人によって圧が違いますよね。圧の感覚を覚えていくことが大変でした」。
徳重「僕もコミュニケーションの取り方に苦労しました。ボディメイクはお客さまのパートナーとなって体をつくっていくものだから、信頼関係が何より大事なんです。
接客トークが盛り上がらないとお客さまの本心を聞き出せないし、モチベーションを高めてあげられない。やる気をキープしていただけるような、“押し”と“引き”のコミュニケーションが求められるんです。
技術はある程度努力でカバーできますが、コミュニケーションを身につけるのには時間がかかりますよね」。
-コミュニケーション力をつけるためにはどうすればいいのでしょうか?
徳重「ルールや方程式はないので、やはりたくさん接客することでしょうか。
僕は電車や街で人をよく見るようにしています。体つきを観察して生活習慣や筋肉の使い方を想像するんです。体を見る目がついて、カウンセリングに役立ちますよ」。
人見「私は接客ノートをつけていました。
スマホを1日どれくらい見ているか、休日はどうやって過ごすのかなど少しずつ聞き出した情報を書き留めておくんです。次のご来店時に前回話したことを持ち出すと“覚えていてくれた”と喜んでいただけました」。
徳重「今でも難しいと感じるのは、即効性を求めるお客さまへの対応かな。1回マッサージして効かないと諦めてしまう人が多いんです。どのくらい続けてどんな体づくりをしていくプランなのかをキチンと理解していただき、こちらとお客さまの認識がズレないよう気をつけています」。