「学生」であることが価値あるコンテンツに。自身のウリを見出すことがフォロワー獲得への近道【SAKIYOMI 下村健太さん、川合千晶さん】#2

SNSでの発信が当たり前になった美容業界。採用に向けてSNSアカウントの有無を聞くサロンも増え、SNSの活用が就職活動に与える影響も大きくなってきました。そこで本企画では、就活に効果的なSNSの活用法について、精通者へのインタビューを通して学んでいきます。

前回に引き続き、SNSマーケティング事業を行っている会社「SAKIYOMI」の下村健太さん、川合千晶さんにインタビュー。

前編では学生のうちからSNSを活用するメリットを中心にお話を伺いました。後編では、これからSNSに取り組む学生におすすめのツールやフォロワーが定着するコツについてお聞きします。


お話を伺ったのは…
SAKIYOMI
Instagram運用代行事業 責任者 下村健太さん

サービス納品の責任者として企業に向けて、運用代行事業に携わる。

AI事業部 セールス・マーケティング責任者 川合千晶さん

SAKIYOMI独自AIツール開発の新規事業部立ち上げメンバー(セールス)を担当。前職では採用に関わっていたことから、採用側が求めるポイントを熟知している。

主要SNSツールはこの4つ!学生におすすめなのはInstagram

――学生におすすめのSNSツールは?

下村さん:まず、主要とされているSNSツールは、Instagram、Tik Tok、X(旧Twitter)、YouTube。SNSにはそれぞれ特性があって、資産になるものと認知度を上げるものに分けられます。資産になるものとは、プロダクトを中心に投稿を行い、それにファン(フォロワー)がついてくるようなイメージで、認知度を上げるものはそのままの意味。4つのSNSツールの特性については、InstagramとYouTube、Xは資産になるもの、Tik Tokは認知度を上げるものといった分類になります。

川合さん:総合的にみると、Instagramは認識されやすく資産になり得るツールなので、やっておくべきでしょう。これからSNSを始めようとしている人はInstagramから取り組むと良いですよ。

認知度を上げるために取り組むべきこと

――プロダクトがない学生がSNSを活用するベースで伺います。
認知度を上げるためにするべきことは何でしょう?

下村さん:バズる際のアルゴリズムとしては、ショート動画がキーになってきます。

バズる方法としておすすめするのは、InstagramとTik Tokの両方で同じショート動画をアップしていく方法。Tik Tokはフォロワーの概念が他ツールよりも希薄なので、一過性のバズりしか獲得できない一方、その点をフォローできるのがInstagramなんです。ショート動画の投稿が継続的にできなかったとしても、それ以外の投稿やストーリーズで存在をアピールし続けられますから。一つに絞らず、それぞれのツールの特性を理解したうえで活用したり併用すると認知度もグッと上がりますよ。

――では、フォロワーを増やすためにやるべきことは?

川合さん:ユーザーに見られるコンテンツをストックして、継続的に投稿することが大事です。フォロワー獲得の母数になるのは、コンテンツを見たユーザー数です。継続的にコンテンツを投稿することで、どういった投稿がユーザーからの反応を獲得できるのかなど傾向をつかみ、ユーザーが求める情報を発信するようにしていきましょう。ユーザーからの共感が得られることにより、フォロワー外でもコンテンツに注目する人が拡大していきます。

次に大事なのが、興味を惹くプロフィールかどうか。たまたま流れてきた投稿を見てからフォローする決め手は、実はプロフィールにあります。どんな人なのか、何の情報が得られるのか、明確に分かるようにしていれば、その人にマッチした場合、フォローしてもらえます。

フォローしてもらったあとは、コミュニケーションをとることを心がけること。フォローしてもらったら終わりではありません。一度フォローしてもらったら、定着化してもらうことを目標に密なコミュニケーションを意識してください。やはり、知名度や人気が定着しているインフルエンサーはファンとのコミュニケーションを欠かしません。フォロー後の行動が、ファン化するためには大事なんです。

「自己分析」を追求したコンセプトがサロンプロダクトの発展へ

――SNSを活用するうえで必要とされるプロダクトを生み出すコツを教えてください。

川合さん:そのヒントは、いわゆる自身の強みまたは弱みの部分にあると思っていて。自己分析をし、強み・弱みを見つけて独自のコンテンツを生み出すイメージです。

最近の傾向としては弱みの部分、いわゆるネガティブな感情を全面に打ち出して注目を集める人が多い印象です。「HSP(感覚過敏)な私でも美容師になれた理由」「コミュニケーション能力が高くない僕が美容師デビューをするまで」と、例を挙げると数えきれないほど。注目を集める理由は、何かしらの「困難」がある状態で、その困難をどのように克服して成功できたのかというところだと分析しています。

下村さん:自己分析も大事ですが、既に「学生であること」でコンテンツ化できているんです。学生である時点で、基本的にはまだ何者でもない人がほとんど

だからこそ、食事、買い物、友人との会話で動いた気持ちが全て材料になります。美容師を目指した理由も挫折しそうな瞬間、試験に向けて頑張っている自分など、その人の人間性が見られると、自然と応援したくなるものなんですね。何か目標に向かって頑張る過程を出し惜しみなく発信することで独自色となり、サロンのプロダクトにリンクするのではないでしょうか。

川合さん:正直、美容学生が発信しているジャンルはどのパターンも飽和状態です。大事なのは、その王道のパターンに何を掛け算するのか。かけるもの次第で、独自性が生まれます。新たに注目を集めるコンテンツを生むためには、かけるものを吟味することが求められると思います。

――最後に、SNSと向き合う学生にアドバイスをお願いします!

川合さん:運用していると、どうしてもめんどくさくなったり挫折してしまいそうな瞬間があると思います。そういう問題に直面したときに考えられる原因としては、自分が好きではないことをコンテンツにしていたり、無理をしていたりすると陥りやすい傾向です。結局、自分自身が経験していて語れるジャンルや好きなものごとでないと、長くは続けられないと思います

美容学生だから美容以外の情報を発信しちゃいけない決まりはないですし、初めは何でも注目して、コンテンツ化を試みると良いと思いますよ。発信してみて気づくことの方が多いですから。一発でコンテンツが当たるなんてケースは稀です。根気良く試行錯誤を繰り返す姿勢を持って、取り組んでみてください。

美容学生がSNSで注目を集められるポイント3つ

1.まずはInstagramからスタート。フォロワーとの交流は念入りに

2.自分の強みと弱みを活かしたプロダクトを意識する

3.王道フォーマットに掛け算して独自性のある投稿をする


取材・文/東 菜々(レ・キャトル)

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