もしかして心理学? ビジネスでも使える『大和言葉』とは

ここ最近「大和言葉を見直そう」という記事などをチラホラ見かけます。でも大和言葉って何でしょう?

調べてみると、「外来語が入ってくる以前の日本固有の言葉」、「和歌のこと」という2つの意味があるようです。日本は海に浮かんだ島国にもかかわらず、古来から外国の文化・文明をかなり積極的に取り入れてきたわけですが、そのはじまりは中国や朝鮮半島を経由したものでしょう。文化や文明を輸入していくと、言葉や文字なども入ってきます。ご存知のとおり、漢字も中国で生まれた文字ですね。

では、海外の影響を受けてない頃の日本ってどんな漢字じゃなかった、感じなのでしょう? また影響を受けたといっても、まだ固有のものが残っていることだってありますよね? 今回は、「言葉」から日本のオリジナルを探ってみます…あ、外来語使っちゃった!

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まずは「漢字」から

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外来語、まあたくさんありますけど、その古株はやはり中国や朝鮮半島の言葉でしょう。特に漢字という中国の文字が伝わった頃から、日本の言葉にも漢語が本格的に混じってきたと思います。

漢字が日本に伝わったのは紀元前3世紀、弥生時代! という説があります。でも当時の日本人にとっては外国語なので、すぐには普及しなかったようです。もっと一般的に伝わってきたのは1500年前、古墳時代からといわれています。そして、当時は大激動時代。何しろ日本にはまだ文字がなかった頃なので、諸説ありますけど、複数の王様が争ったり、連合したりしながら段々とひとつになっていく、つまり天皇家ができあがっていく、という私たちの国がもっとも大きな変化をしていたかもしれない時期なのです。

そして、大激動時代だからこそ漢字が広まった可能性もあるのです。なぜか? その時代、中国は最先進の強大な帝国でした。睨まれたら大変ですが、好かれるとメリットは大(はあと)! 特にバックについてくれたりすると、もう周囲は逆らえません。現代でもありそうなお話ですね。中国側(宋王朝)の記録によれば、日本にいた王様たち(倭の五王)全員が宋王朝と交流をもっています。王の中の王になるため、中国の先進文化・文明を取り入れることとコネ作りが重要ミッションだった。それには漢字が欠かせなくなってきたという見方もできるのでは?

漢字と大和言葉の合体

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漢字の伝来が記述として残っているのが、実は「古事記」と「日本書紀」。5世紀(西暦404年)に、王仁(わに)という中国人(?)が、「論語」と「千字文(せんじもん)」の2冊の本を持ってきた、とあります。この2冊に載っている漢字は2000種類、ほぼ現代の日本で使われている漢字の数と同じです。つまりこの2冊の本が日本で漢字が普及するようになったきっかけ=単語帳だった可能性もありますね。

さて、漢字は漢語という外国語を伝えただけでなく、もうひとつ超重要なことをやってくれます。それは、私たちの日本語を「形」にして残せるようになったこと。
カンタンにいえば、それまで日本には文字がなかったのです。大和言葉が記録としてわかるのも、当時の日本人が漢字の音を当てはめて書き始めた(万葉仮名)からなんです。例えば、「名津蚊為」で「なつかし(懐かしい)」。そう、「夜露死苦」みたいなものですね。その後、日本人は漢字から「ひらがな」、「カタカナ」を生み出して、今に至るわけです。

では、やっと字でも表現できるようになった大和言葉とはどんなものなのでしょう? その特徴はずばり、やわらかさ! 漢語と並べてみると、その違いがよくわかります。そして、実は現代の私たちでも普通に使っているものが多々あります。
漢語→「ご通知」、大和言葉→「お知らせ」。漢語→「ご多忙」、大和言葉→「お忙しい」。今でも使いますよね。もうひとつわかりました? そう、アタマに「ご」がついたら漢語、「お」なら大和言葉と思って、ほぼほぼオーケー。さらには、「大和言葉は気持ちの表現」、「漢語は事実の表現」に向いているといわれています。

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空気を変える大和言葉。意識して使ってみるのもアリ

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アタマに「お」がつくと大和言葉な可能性が高いのですが、もうひとつは「もじ」。これはオシリにつきます。例えば、「おめもじ」。会う、お目にかかるという意味です。今ではほとん聞かないですね。でも、「しゃもじ(杓子+もじ)」、「ひもじい(ひだるい(空腹である)+もじ)」などは現代でも使っています。これらは「文字詞(もじことば)」ともいわれ、元々は宮中の女官たちが、ものごとをボカすために使いはじめたので、別名「女房言葉」ともいわれます。ちなみに女房とは、本来は女官たちのことです。ルールはカンタン。なんでも略して「もじ」をつければいいのです。「髪→かもじ」、「浴衣→ゆもじ」などなど。

やわらかく、気持ちの表現に向いている、そして実は今でもたくさん使われている大和言葉。(あ、ここは大和言葉の場面! )と意識して、使ってみるのもアリですね。例えば、ガンコな上司(♂)に頼みごとをするとき。漢語→「ご協力願います! 」よりも、大和言葉→「お力添え願えますか」の方が、(俺のチカラが必要? よし、しょうがないなあ)となるのでは? 逆に頼まれたときは、漢語→「了解です! 」よりも、「かしこまりました」と言ってみてください。けっこう空気変わりますよ。そう、空気を変える、相手の気持ちを変えるのも、大和言葉の特徴です。
心理学的な要素を持っているんじゃないでしょうか。

ただし、ポイントは「今でも使われている大和言葉」。(お、大和言葉って効果ある、もっと研究したろ)となって、例えば「それって、古(いにしえ)〜 !」とか、迷ったときに「え〜、たゆたう〜! 」とか、「むべ(=なるほど)」とか言っていると、たぶん陰で「ヤマト」と呼ばれるようになるのでお気を付けください。

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