技術面は自信があるけれど、接客は苦手……。そんなあなたへとっておきの接客術を伝授
技術面は自信があるけれど、接客は苦手という方も多いのでは?お客様に喜んでいただくためには、接客もマストです!今回は、ちょっとした気遣いで差がつく接客のプチメソッドをキャビンアテンダント(以下:CA)流美容コンサルタントの清水裕美子さんにレクチャーしていただきます。
CAクオリティ接客のプチメソッド(2)
人と話すときは目を見るのが基本ですが、CAさんはできる限り体ごと向き合おうとします。なぜわざわざそこまでするのでしょう? また、うつぶせのお客様への接客など、施術中に気をつけたいことも教えていただきます。
人と話すときは「正体(せいたい)」で
顔を正面に向けて、両手を視界の限界まで広げます。この範囲が「正体」。
「CAの間では、顔を正面に向けたときに視界に入る範囲を『正体』と呼んでいて、お客様と接するときは、この『正体』で向き合うようにしています。例えば機内でカートを押しながらお客様と接する場合、体はカートに向いていますから首だけを動かしたほうが楽なのですが、真正面を向くことは不可能でも、お客様にちゃんと『正体』を向けることで丁寧な印象になります。ほんのひと手間ですが、労を惜しまずに向き合ってくれている、というふうに感じていただけます」
接客とポジショニング
「前は誠実なポジション、横は『情』のポジション、相手の視界に入っていない後ろは恐れのポジションと言われ、後ろから話しかけるのは本当は失礼とされています。どうしても後ろから話しかけなければならないときは、相手を驚かせないように、『後ろから失礼いたします』と断ってから話しかけるようにしましょう。ヘアサロンでお客様にお茶を出すときは、前に鏡があれば鏡越しに会釈したり、横からお客様の視界に入るようにするといいと思います」
言葉でしっかりフォローを
「うつぶせのお客様に施術をする場合は、目を見て話すことは不可能ですよね。お客様にとっても無防備な姿勢なので、より気を使っていただきたいと思います。施術を始める前に全体の流れを説明するとか、『次はここをさわりますね』と一言言うとか。お客様もどこを触られるのかイメージすることで、不安感が軽くなり心の準備ができると思います。背中は恐れの位置で、お客様からは何をやっているか全く見えないので、言葉でしっかりフォローすることが大切だと思います」
接客のきっかけは『いつ?』
接客のアプローチをする上で、お客様の「心理状態」を掴むことが大切です。ショップなどであれば「何を欲しているのか」、サロンであれば「どのようなことを望んでいるのか」といったことになります。このような心理状態をキャッチすることで、お客様に対してより良い接客をすることになります。
また、お客様へアプローチするタイミングもあります。ショップであれば「前見た商品のところに戻ってきた」や「何度も同じ商品を見ている」など。これはサロン内での商品販売にも通ずるものがあり、「パンフレットを何度も見ている」「商品を手にとって見ている」といった行動です。このようなタイミングを見逃さずに、接客へのアプローチをしていきましょう。
さらに、早めにアプローチした方が良い場合もあります。例えば「捜し物をしているお客様」「高齢のお客様」などです。お客様の行動から、どのような心理状態なのかを読み取ることが、接客のきっかけとなります。
最後にお見送りです。お客様が買い物や施術を終え、ショップ・サロンを出る際、お見送りをすることがあると思います。
お見送りの心がけとして、
1.お客様の正対して、顔を見て、笑顔で心から挨拶する。
2.その際に「今日はありがとうございました。又どうぞお越しくださいませ。」と最後の挨拶をする。
このような気持ちでお客様を送り出し、最後まで接客をすることで、今後の結果とし良い形で自分に返ってくることと思います。日本の接客とサービスは世界でもトップレベルです。このような接客を、自身のスキルとして身に付けることをおすすめします。
Profile
清水 裕美子さん
CA流美容コンサルタント/CA Media Agency代表
CA(キャビンアテンダント)として約5年乗務。自身が敏感肌、アレルギーなどの美容トラブルを抱えていたことがきっかけで、在職中に熱心にCAの美容法を観察・分析。退職後はそれを体系化し、CA流美容コンサルタントとしてセミナー、メディアなどで活動。また、シーエーメディアエージェンシー代表取締役として、日本初のキャビンアテンダントがおすすめする総合情報サイト「CAメディア」(http://ca-media.jp/)を運営。1000人以上のCAネットワークから、美容、旅、グルメ、ライフスタイルなどの情報を発信している。
著書:「キャビンアテンダント5000人の24時間美しさが続くきれいの手抜き」(青春出版社)