女性の“居心地”を重視した店づくりを実現したサロン『Le Grand』
若きオーナースタイリストが率いるLe Grandは、地域密着型のサロンとして地元の人から絶大な支持を得ているヘアサロン。オーナー自らが一番に店を開けて掃除をすることから毎日が始まるというこの店は、和気藹々とした雰囲気が店の外にまで漂うような温かさに満ちています。その理由は、ズバリ女性に優しい店づくりにあり、そこかしこに女性やママに対しての思いやりが感じられるから。今回は、そんな店作りの秘訣をオーナースタイリストである三留淳さんにお話を伺いました。
地域のママたちが通い詰めるその魅力とは?
――三留さんは男性ながらも女性の気持ちを重視した店づくりをされていますが、どのような経緯やきっかけがあって現在の形になったのでしょう?
「僕自身が父となったことも大きく影響していますが、現在はスタッフ8名のうち5人が女性。その中でママでもあるスタイリストは2名と、店自体が女性中心なんです。そういった環境もあり、代表としては女性がずっと活躍できる店にしたいと思ったことがきっかけです。そこから女性スタッフの意見や僕自身が気づいた点を反映させ、フロアを男女で分けたり、赤ちゃん連れでも気兼ねなく来店できるママルームを設けるなど、女性目線の店が実現していきました。地元密着だからこそ、お客様の日常の延長戦で気軽にご来店いただける店でありたいと思いますし、来ていただいた以上はくつろいでキレイになってもらいたいですよね。これはお客様に対してだけでなく、女性スタッフに対しても、働き方を選べるようにすることで仕事と家庭が両立できるようにするなどしています。当店は少人数のサロンなので、働く人間同士の空気感がすぐお店に影響します。そのためスタッフの働きやすさみたいなものも重視していますね。」
圧倒的リピート率の理由を紐解く
――お店の雰囲気がお客様にも伝わるのは実際にその通りですね。こちらのお店にはホッとするような温かさを感じますが、実際にそれはどんな形で現れていますか?
「ディーラーからヘアサロンのリピート率というのが毎月数字で出て、上位の店のみランキング形式で発表されるのですが、当店はありがたいことにランキングの常連となっています。これはそれだけお客様に信頼していただいているということなので、すごく嬉しいと同時に身が引き締まりますね。スタッフの仲が良いと自然と店も明るく柔らかい雰囲気になりますし、それが空気感となって伝わっているのでしょうか。ただ、もちろんリピートしていただくには技術が最重要。それもこの店の誰々、ではなく、たとえどのスタイリストが担当しても、Le Grandの仕上がりになること、つまり誰が切っても間違いなくご満足いただける技術が必須。そのため、ひとつの技術に対して教える人間は1人と決めています。何人もがそれぞれのメソッドで教えると学ぶ側も混乱しますから(笑)。こうしたことがもう一度足を運んでいただける理由になっているのではないでしょうか。」
終わりなき練習で技術を研磨
――お客様が多くオーダーされる施術や、得意としているメニューはどういったものでしょうか?
「やはりカット&カラーが多いものの、当店ではエアウェーブを希望されるお客様の比率が高いです。通常のパーマよりもしなやかで柔らかな質感になるエアウェーブはブローだけで自然なカールを再現でき、ナチュラルに仕上がるのが人気の理由ですね。また、実際にパーマを希望するお客様が増えたことでパーマに対する自信がついたのか、スタイリストが提案するヘアアレンジの幅が広がったとも感じます。定番のカットに対しても、ベーシックな技術があってこそ崩しだったりラフさだったりを演出できると考えているので、練習におしまいはない。だから僕自身も未だに練習をしています。逆に、現在メイクに特化したスタッフがいないため、メイクはメニューに載せていません。自分たちが納得できる施術を提供する、それがモットーです。」
スタッフとゲスト、その両方が心地良く過ごせるサロンづくりに邁進し、その結果として顧客からの高いリピート率を誇るLe Grand。後編では新規スタッフを採用する際に求めることや、これから美容業界を目指す人へ伝えたいことを中心に伺います。