「似合わせカット」動画が大バズり! ゼロスタートから100人を突破【yori代表・スタイリスト 坂本広大さん】#1
SNSでの発信が当たり前になった美容業界。採用に向けてSNSアカウントを聞くサロンも増え、その活用方法が就職活動に与える影響も大きくなってきました。そこで本企画では、就活に効果的なSNSの活用法について、熟練者へのインタビューを通して学んでいきます。
今回は、yori代表・スタイリストの坂本広大さんにインタビュー。坂本さんの「似合わせカット」動画は、再生回数が多いもので500万回超えを記録し、注目を集めています。SNSを利用し始めた目的と閲覧数が上がる投稿のポイントなど、詳しく伺います。
お話を伺ったのは…
yori代表・スタイリスト 坂本広大さん
地元の北海道美容専門学校に進学し、サロンに就職。その後フリーランスに転身し、約4年後に上京。都内にあるサロンにて店舗マネージャーの経験もしたのち、独立を決意。2024年9月には、サロン「yori」をオープン。店舗拡大に向けて精力的に取り組んでいる。
@yori_hair_kodai
@sakamoto_cut_
地元の北海道から上京しSNSをスタート! お客様ゼロから100名の人気スタイリストに
――SNSを始めるまでの経緯をお聞かせください。
僕は地元の北海道でスタイリストデビューをしました。デビューと同時に、集客用にインストールしていましたが、あまり投稿はしていませんでした。口コミや友人知人の紹介で集客ができていたので、そこまでSNSに入れ込む必要がなかったんです。
SNSに本格的に取り組み始めたのは、上京してから。地元でスタイリストを4年経験したあと、自分の力を試してみたい気持ちが生まれて東京のサロンに就職しました。北海道でスタイリストをしていたため、東京でのお客様はゼロの状態。自ら動かなければ、お客様は獲得できません。そこで本格的にInstagramに取り組むことにしたんです。
――集客するために、どんな投稿をしていたのですか?
「似合わせカット」の動画を中心に投稿していました。
――「似合わせカット」にした理由をお聞かせください。
当時所属していたサロンの料金が決して安価ではなかったため、お客様が高額な料金を払って求めているものは何なのか、しっかり考えて応える必要があると感じていました。当然、高いお金をかけているからこそ失敗したくないじゃないですか。そうした層に選んでもらうためには、「この人なら大丈夫だ」と思ってもらえるようにアピールすることが必要だと考えたんです。
あとは僕自身、文字に想いをのせることが苦手。感情や雰囲気って、なかなか文字では伝えられないと思うんです。でも、事前に動画で動いている僕を見てもらえれば、親近感も湧いて安心して依頼できるんじゃないかと。いろいろな考えから「似合わせカット」というコンテンツを考案するに至りました。
SNSへの投稿もリアルな接客でも大事なのはお客様の「立場」に立って考えること

動画内に出演されているお客様について。「全てがリアルなお客様なんです。撮影用に取り繕うようなことはせずに、いつもと変わらぬ施術を心がけています」。と坂本さん。そのフラットな姿勢が次々にお客様を惹きつけるのでしょう。
――「似合わせカット」をコンテンツに決めてから、準備したことは?
顔タイプ診断の資格を取得しました。骨格タイプごとに似合う髪型を学ぶことでお客様の要望に対して幅広く対応できるし、コンテンツのクオリティを守ることにもつながると思い、資格を取得しました。
――その結果、反応は?
動画を見た方から、かなり反響をいただいて。お客様がゼロだったところ、2ヶ月後には約150名ほどの予約をもらえるほどになりました。
反響を受け、Instagramのリールから始め、YouTube、Tik Tokの順に着手していきました。
――特に反響が大きかった内容についてお聞かせください。
ヘアドネーションをしたお客様の動画は、かなり注目されましたね。
内容は、40センチくらいあった髪をバッサリ切って、ショートヘアに変身させたもの。ヘアドネーションというキーワードにも関心があったと思いますが、その方に似合うショートヘアをしっかり提案できたところも、多く好評いただいたポイントだったと分析しています。
――たくさんの人に見てもらう投稿にするために心がけていることは?
SNSに限らず普段からお客様と接するうえで気をつけていることなのですが…相手の目線に立って考えるようにしています。例えばショートカットをした方でいうと、次にどのような髪型を考えているのか、ロングにしようとしているならどんな風に伸ばしていくのがベストなのか…その人の立場になって考え、提案しています。
一人一人、髪のクセや理想などがあるはずです。それに対しての対処方法やケアの仕方を丁寧にサポートすることはもちろん、僕のカウンセリングから完成までの様子を動画で発信することで、来店へのきっかけにもなると思いますから。
SNSがなければ出会えなかった人たちと関われたことが最大のメリット!

北海道で暮らす坂本さんの家族もアカウントをチェックしているのだそう。「投稿が止まると心配の電話が来ます。家族にとっては、僕の生存確認のツールとして認識しているようです(笑)」。
――SNSをやっていてメリットに感じたことは?
お客様と深いつながりが持てるところでしょうか。
僕を指名いただくお客様は、SNSの投稿を見ていらっしゃる方がほとんど。施術後にInstagramのストーリーズなどでタグ付けをしてくださるので、喜んでいる様子を見ることができるんです。施術に関して、直に感想がもらえるのはとても嬉しいです。
普段の施術に関しての感想のほかに、独立をしたときもたくさんのエールをいただいて。大変な時も楽しい時もいつもフォロワーの方に支えられてきたと強く感じています。
どれもSNSを始めていなければなかった出会いです。これからもつながりを大切に、真摯に向き合っていきたいです。
ゼロから100人越えも夢じゃない! SNSを有効的に活用するポイント
1.客層を把握し、求められているものは何なのか理解する
2.常にお客様の目線に立って必要なアプローチを行う
3.撮影用と日常で取り繕ろうことなく、自然体を心がける
取材・文/東 菜々(レ・キャトル)