アーティフィシャルネイル攻略のポイント!
ネイリストとしてお客様に満足してもらうためには、接客技術などのほかに確かな技術が必要です。ネイリスト検定1級では、アーティフィシャルネイルの技術が問われる実技試験があります。この実技試験をクリアしなければ、ネイリスト検定1級に合格することはできません。
そこで、アーティフィシャルネイルとは何かを理解したあと、フォームを用意するポイントやアプリケーションの1ボール目から3ボール目までのコツや注意点についてご紹介します。
アーティフィシャルネイルとは何か?
アーティフィシャルネイルは、直訳すると芸術的なネイルということになりますが、ようするに人工爪の総称だと理解すればいいでしょう。具体的には、アクリルリキッドやアクリルパウダーを使用したスカルプチャーや、ネイルチップを使用したチップアンドラップ、チップアンドオーバーレイのことを指します。
また、広くネイルアート全般のことを指すこともあります。ネイルアートの実物を見ればわかるように、出来上がったネイルは芸術作品そのものです。そのため、ネイルアートには高度な技術が要求されます。ネイリスト検定1級は、その技術レベルを認定する最高峰の資格ですので、当然求められる技術レベルは高いです。お客様の多様な要望に応えるためには、ネイリストは高度な技術を身につけている必要がありますので当然といえます。
スカルプチャーは、人工爪を作り出して自爪に取り付けることそのものを指すネイルアートのひとつで、爪の長さを出すために欠かせない技術です。スカルプチャーは人工爪というよりも、ネイルアートを彫刻になぞらえた言葉だと理解した方がわかりやすいかもしれません。
アーティフシャルネイルの代表は、スカルプチャーといっても過言ではないでしょう。ネイリストは、スカルプチャーのフォームやアプリケーションについてポイントや注意点、コツなどをしっかりマスターする必要があるといえます。ネイリスト検定1級では、スカルプチャーの出来が合否に大きな影響を与えるといわれています。
アーティフィシャルネイルのフォームを用意する
ネイリスト検定1級の実技は全体的に高度な技術が求められますが、そのなかでも5本の指すべてにスカルプチャーを施すステップが重要になります。ポイントはフォームとアプリケーションですが、まずフォームについてです。
フォームはあらかじめ仕込んでいくことが許されていますので、万全の準備をして臨みましょう。ただし、モデルになる人の指や爪によって試験時に最終調整する必要がある点は覚悟しておく必要があります。モデルの指や爪の状態に合わせてフォームをカットする際のコツは、まず上部からあてがって左右の幅を決めることです。そのあとで、ストレスポイントからイエローラインの中心までを目安に、上下の長さを決めるというステップでカットするといいでしょう。
自分が思っているよりも狭く浅くカットしてから微調整をするという流れでやっていくと、モデルの人の指や爪にピッタリとはまりやすくなります。また、カットする際に使用するハサミにも気を使いたいところです。
切れ味が良いものを選ぶことは当然ですが、使用するハサミでフォーム以外のものをカットしないようにすることも大切です。料理人の包丁と、ある意味共通する部分があるかもしれません。切れ味が悪ければカットの断面がつぶれてしまいます。それがフォームと自爪の隙間の原因になる可能性がありますので注意が必要です。
スカルプチャーなどの攻略はアプリケーションの1ボール目が大切
スカルプチャーの作業のなかでも、フォームの上にアクリルボールを使って爪の形を作るアプリケーション作成のステップは非常に重要です。一般的には、アクリルボールを3つ使ってスカルプチャーを作り上げます。まずひとつ目のボールのポイントです。
ひとつ目のボールの役割は爪先の長さを出す部分を作ることです。そのため、ひとつ目のボールはスカルプチャー全体の出来栄えに大きな影響を与えることになります。慎重にクリアする必要があるでしょう。最初にフォームを装着したら、横から見てまっすぐになっていることを確認しましょう。
続いてひとつ目のアクリルボールを作ってフォームの上にのせますが、ボールの大きさと置く場所がポイントになります。スマイルラインを消したい場合、ひとつ目のボールは大きくなりがちですが、大きくのせてたくさん削ることになるとムダですので、大きくなりすぎないように注意しましょう。
また、置く場所ですが、イエローラインの少し内側に置くのがポイントです。ボールを置いたら、境目をしっかりつぶすように、ブラシの腹の部分を使って伸ばします。境目に壁ができないように注意しましょう。壁ができると磨いたときにラインが出てしまうことになります。
最後はブラシの先を使って滑らかに仕上げます。ナチュラルでスマイルラインを作る場合は、ボールの量は少し多めにしてイエローラインから少し離して置くことがポイントです。そのあとで、ブラシの圧をかけずにストレスラインに向かってボールを伸ばしていくことで、スマイルラインを作ります。スマイルラインを作る方が技術的には難しいといわれています。
アプリケーション2ボール目のポイントは?
アプリケーションの1ボール目が完了したら、アプリケーションの2ボール目の作業に移ります。2ボール目の役割は、1ボール目で作った爪先部分と自爪の部分をつなぐことです。2ボール目は、出来上がりの全体像をイメージしながら作業することを忘れないようにしましょう。そのため、2ボール目の大きさを決めるにあたっては、1ボール目が完了した状態で横から形状を確認することをおすすめします。横から見ることによって、2ボール目で作る形のイメージがわきやすくなり、大きさと位置を迷わず決定できるようになるでしょう。
モデルの指は立てないで作業した方がやりやすいかもしれません。指を立ててしまうと、重力でミクスチュアが1ボール目で作った爪先に流れてしまいます。注意すべき点は、ハイポイントをつぶしてしまわないことです。そのためには、ブラシを立てすぎないように注意しましょう。何度も横から見て、ハイポイントの高さがすべて揃うように仕上げるのがコツです。5本の指を見比べながら慎重に作業を進めましょう。
また、キューティクル側については、段差がつかないように心がけます。ハイポイントを仕上げる前にキューティクル側を仕上げることをおすすめします。
3ボール目でアーティフィシャルネイルのアプリケーション完成
2ボール目が終了したら、いよいよアプリケーションの仕上げである3ボール目の作業に入ります。3ボール目では主に、キューティクル側の部分を作りこむことになります。2ボール目と同じく、まずは横顔をよく確認して出来上りのフォルムをイメージすることが大切です。注意点は、3ボール目を厚くしてしまうと指の皮膚に近い部分ですので、ファイルがけが難しくなってしまうことです。厚みが出すぎないように、軽くブラシで伸ばしながら作業を進めることがポイントといえます。
スカルプチャーは親指と小指も行う必要がありますが、小指は多くのせすぎ、親指は少なくのせすぎになりがちですので、その点を注意することがコツです。特に親指は面積が大きく、少なくのせすぎるとラウンドシェープが出せずフラットになってしまいますので気をつけましょう。指は少し立てて作業した方がやりやすいです。少し指を立てることによって、ミクスチュアがキューティクル側に流れるのを避けることができます。ストレスポイントまでブラシで誘導できたら、あとは素早く上澄みを伸ばしてなじませます。
作業スピードが遅いとボールのつなぎ目が段差になりやすいため、何度も練習してスピードをつけることも重要でしょう。