マッサージの専門用語事典や行
マッサージ師として働くならば、しっかりと身に付けておきたい業界用語。今回はマッサージ師専門用語の「や」行をお送りします。
腰腸肋筋
腰腸肋筋は第6〜12肋骨のちょうど裏側に位置する筋肉です。別名、脊柱起立筋とも呼ばれています。この腰腸肋筋が緊張すると腰痛を感じやすく、慢性的な腰痛に悩まされている人の多くは腰腸肋筋が過緊張の状態にあるといわれています。腰腸肋筋は背筋を伸ばしたり、上体を横に倒したりするときに使われる筋肉で、日常でもよく使われる筋肉です。そのため、重い荷物を持つなどの重労働、立ったままの姿勢や座ったままの姿勢を長時間続けているような場合には、腰腸肋筋は緊張しやすく、腰痛を引き起こしやすいといわれています。腰腸肋筋による腰痛が悪化すると内臓やお腹側にも痛みを発することがあるため、別の病気と勘違いされやすいというのも特徴的です。
有酸素運動
体内に取り込んだ酸素を使って糖質や脂肪を燃焼させ、それをエネルギー源とする運動のことを一般的に有酸素運動と呼んでいます。代表的なものには、ウォーキングやランニング、縄跳びなどがあげられ、心肺機能を高める運動ともいえるでしょう。有酸素運動の多くは下半身を使うため、血行促進に繋がって、さらにダイエットや美容にも大きな効果をもたらしてくれるといわれています。また、マッサージで体の脂肪が分解・燃焼されやすい状態になったあとには有酸素運動をすることで大きなダイエット効果が得られるとされています。これは血中の遊離脂肪酸が燃焼されるためには、酸素が必要になるからです。その他に、心肺機能の改善やストレス発散の効果もあるとされています。
腰方形筋
腰方形筋とは、腹筋群のひとつを構成する筋肉で、腰椎の両側にある長方形の筋肉のことをいいます。この筋肉は座った状態で上体を左右横に倒す側屈という動作に大きく関与しています。このような動作以外にも、上半身をまっすぐに支える役割も果たしているのです。そのため、腰方形筋が弱まると姿勢を保つことができなくなり、体のゆがみの原因になります。実際に、腰方形筋が衰えてしまったことによって体が歪み、腰回りの筋肉やそれに関連する筋肉群が緊張して痛みを引き起こしているという人も多いです。また、両側についているため、腰方形筋の強さのバランスが強い場合も同様に体の歪みを引き起こします。バランスの悪さや衰えた筋肉を復活させるためには、腰方形筋の抵抗に逆らった側屈を行うのが良いとされています。
よもぎ蒸し
よもぎ蒸しとは、マッサージサロンやエステサロンなどで行われている韓国に伝わる民間療法です。よもぎを煎じて蒸気を発生させ、スチームを体に当てることにより、さまざまな症状に効果があるとされています。発祥の地・韓国ではスチームを下半身に当てることによって婦人病や手足の冷えなどに効果があるとされ、古くから女性を中心に愛用されてきました。よもぎ蒸しを専門で提供しているサロンもあるほど人気になっており、発汗作用や血行促進作用を得ることが可能です。また、マッサージによる血行促進とよもぎ蒸しによる血行促進プラス、ヨモギの薬効成分により、綺麗で美しい体を目指すことができるとされています。さらに、よもぎ蒸し後のリフレッシュ感はストレス解消にもつながるとされています。
ヨーロッパ式マッサージ
ヨーロッパ式マッサージは主に深いリラグゼーション効果を目的に行われ、オイルを使用しながら筋肉に対して施術を行うのが特徴的です。マッサージというものは世界各国で独自の発展を遂げてきましたが、ヨーロッパ式マッサージはその歴史の中でもかなり古い歴史をもっています。また、良い香りのするアロマオイルを用いたマッサージは筋肉だけでなく、心の緊張もほぐれ、精神的なリラックス効果を得ることも出来るとされています。さらに、リラックスした状態でのマッサージは自然と筋肉の緊張も和らぐため、通常のマッサージよりも高い効果が期待できるといわれているのです。 ヨーロッパ式マッサージはエステにも応用されており、ヨーロピアンフェイシャルなどに取り入れられています。
ゆずオイル
ゆずオイルとは、ゆずの種から抽出されたオイルのことをいいます。ゆずの種から抽出される油分は非常に少なく、1kgのゆずに対しておよそ100mg程度のオイルしか抽出することができないといわれています。このため、ゆずオイルは非常に希少価値が高く、高級品として扱われることが多いです。ゆずオイルはヘアマッサージによく使われ、髪や頭皮に対して良い効果をもたらすとされています。具体的には、頭皮の血行促進、頭皮環境の正常化、髪のキューティクルを保護しつやのある髪に導いてくれる効果などが期待されています。 ヘアマッサージというと女性というイメージが強いですが、柑橘系の香りで得られるリラックス効果は男性にも好まれています。
湯屋(銭湯)
湯屋とは、一般的に銭湯などと呼ばれている公衆浴場のことです。広い大浴場をはじめ、ジャグジーや露天風呂、サウナなどを兼ね備えている施設もあります。特に、水圧でマッサージを行ってくれるジャグジーが設置されている湯屋では高いマッサージ効果とリラックス効果を得ることができます。入浴時には体全体が温められることによって筋肉が和らぎます。その体にマッサージを行うことによって、普段のマッサージよりも筋肉の緊張がほぐれやすくコリも解消しやすくなるのです。また、入浴そのものにも血行促進効果があるため、ジャグジーを併用すればより高い血行促進効果が期待できます。さらに、全身の血行を促進することはダイエットにもつながる効果があります。
予防医学
予防医学とは、その名の通り病気を未然に防ぐための医学のことをいいます。命にかかわるような重篤な疾患のなかには、日々の生活習慣が原因で発症するものが数多くあります。たとえば、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などの血管系の疾患はその代表例です。先天的な病や遺伝による疾患に対しては自分の意志で予防することは困難でも、このような生活習慣が原因の疾患に対して予防医学は非常に大きな意味を持ちます。また、特定の病気を未然に防ぐという以外にも、生活の質を向上させ、健康で楽しい生活を実現するためにも予防医学は非常に重要だと考えられています。さらに、後遺症からの回復や、リハビリテーションなども大きな意味では予防医学の一環として考えられているのです。
腰椎(腰椎ヘルニア)
腰椎とは、脊椎の下部に位置している腰周辺の骨のことです。脊椎は一般的に背骨といわれている部分で、脊椎は複数の椎骨というものが重なり合って構成されています。椎骨と椎骨の間には椎間板というものが挟まっており、上下の椎骨の間でクッションのような働きをしてくれています。何らかの影響によって、この椎間板が外側に押し出された状態の呼称が腰椎ヘルニア、もしくは腰椎椎間板ヘルニアです。ヘルニアを発症すると腰や足に対して強い痛みを引き起こし、運動機能障害を引き起こします。特に、はみ出した椎間板が坐骨神経などに触れると足に対して強い痛みが走り、歩行や同じ姿勢を保つことが困難になります。治療には手術のほか、牽引や温熱療法、電気療法の使用が可能です。
ヨガ(ヨーガ)
ヨガ(ヨーガ)とは体を動かすことによって、心身のバランスをコントロールすることを目的に行われる、古代インドで生まれた修行法のことをいいます。もともとはヒンドゥー教の修行法のひとつであったものが民間の人々に親しまれ広まりました。日本でもヨガは非常に人気があり、美容や健康目的で行う人も数多くいます。ヨガの方法にはさまざまな種類や方法がありますが、日本で広く馴染んでいるのは姿勢や呼吸法に重点を置いたハタヨガというものです。その他にも、瞑想などにより精神統一を図るラージャヨガや、心の浄化を目的に行われるカルマヨガなどがあります。 医学的にもヨガによる健康効果は認められつつあり、スポーツクラブやスパなどでもヨガ教室が開かれているところも多くあります。