結婚相談所で成婚するには?いまどきの婚活『お見合いのすすめ』#2
独身のモアリジョブ読者のみなさま、「婚活」していますか?
この「婚活」という言葉が流行語大賞の候補に上がったのは2008年のこと。それからわずか10年足らずで、世の中はすっかり「婚活」をしないと結婚できない空気すらあるような……。
そもそも、婚活って何をすればいいんでしょうか?
今回は、結婚相談所のオーナーで、ご自身も「結婚相談所」での100回のお見合いの末に成婚したという高須和彦さんにお話を伺いながら、「婚活」について、考えてみたいと思います。
「結婚相談所」ってどんなところ?
いま「婚活」ビジネスは花盛り。さまざまな企業やお店が婚活をテーマにサービスを開発したり提供していますし、他業種から「結婚情報サービス業」に参入する大手企業やIT企業もたくさん。そんな中、個人で開業する「結婚相談所」も、増えつつあります。
広告代理店の社長から一転、奥様と立ち上げた結婚相談所で、仲人業を行なっている高須和彦さんもそんなおひとりです。
「『結婚相談所』と『結婚情報サービス』は、どちらも、結婚したい人のサポートをするところ。婚活パーティを主催したり、お見合いのセッティングや、その前のカウンセリング、マナー教室、メイクレッスンやコーディネートなどのサービスを行う点では、大きな違いはありません。一番の違いは、仲人さんがずっと寄り添ってくれるところですね」
大手の結婚情報サービスと比べて、候補相手が少ないのでは、という心配も要らないそうです。
「全国規模の会員ネットワーク網には7万5千人が登録しているので、出身地や地元に近い人という条件で探すこともできます」
ただし、高須さんの相談所の特徴は「会員さん自身には検索させない」ことだそう。
「結婚相談所の中には、ネットの検索をご本人にさせたり、お相手の個人情報を自由に見られるようにしているところもありますが、うちでは、あえて、やりません。じっくりとカウンセリングして、本人の結婚観や生活観を掘り下げてから、ふさわしい相手をこちらで探して、そのお相手が所属している相談所の先生に人柄を伺い、うちの会員さんのことも伝えて、互いにいいなと思ったら、お見合いのセッティングをするんです。その方が、うまくいく可能性が高いんですよ」
ネットの情報だけでは、結婚観はわからない
高須さんが、結婚したい人に一番伝えたいのは、「結婚観」をしっかり持つことだそうです。
インターネットで自由に自分で検索しようとすると、欲張って色々な条件をつけがちなんだとか。特に、年収や職業、見た目などから選んでいくパターンが多いそうですが、「登録された個人情報からは、年収や職業、もしかしたら、好みの相手や相手に望むことなどまでは書かれているかもしれません。でも、そこから、相手の結婚観まではわからないんです。それに、まずご自身の結婚観が分かっていない人が少なくありません」
高須さんのいう結婚観とは、人生そのもの。
生活、出産や育児、仕事、家庭、趣味など、いろいろなものに対する価値観のことで、これを擦り合わせていくのが結婚生活だと言います。
「その全てをマッチングさせるのは無理ですが、自分にとっての優先順位の高いもの、譲れないものをはっきりさせることで、相手は見つかりやすくなります」
実は高須さんご自身も、そのことに気づいたのは、結婚相談所に登録して5年近く経ってからだそうです。
「最初は、好みの外見とか、いわゆる“物欲”で相手を選んでいたんです。写真やパーティでの外見に惹かれてお付き合いして、何か違うなと思ったり、相手に思われたり、その繰り返しでした。途中、面倒になって誰にも紹介をお願いしない時期もありました。2,3人、結婚してもいいかなと思ったことはありましたが、その人と一緒に生活をして生涯を送るというイメージが湧かなかったんですね。自分の意識が間違っている、結婚観をちゃんと持たなくては、と気づいたのは、通算で80人くらいの方とお会いしてからです」
その後、心を入れ替えた高須さん、ほぼ100人目に出会った女性と結婚できたのだそうです。
ちなみに、結婚相談所に入っても、すぐにお相手が見つかるとは限らないそう。
「最初のうちは、いい人が見つからないと落ち込むこともあると思いますが、それが普通なんです。人にもよりますが、2,30人はお会いしてみたほうがいいですよ。それに、そのために仲人がサポートしているので、なんでも相談するといいです。モチベーションが落ちている問いはお休みしたっていいんですよ」
いろいろな人とお会いするうちに、当初思っていた結婚観が変わったり、優先順位が変わることもあるそう。
「例えば、どんなにいい会社でも、突然破綻することもある。事故や病気に遭う事もある。そんな時、譲れない価値観が収入しかなかったら、別れることになりますよね。“病める時も、健やかなる時も”という誓いの言葉がありますが、どういう相手となら一緒にいたいか、一緒に乗り越えられるか、それが大切なんです」
譲れない結婚観はアイデンティティそのもの
でも、結婚相手には、見た目や収入も大事ですよね。高須さんは、どんな条件をつけたのでしょう?
「私の場合は、当時から会社を経営していたので、奥さんには家に入って家事をやって欲しい、子どもが好きなこと、長男なので、いずれは親と同居することになることを受け入れてくれる人、というのが条件になりました」
結構、女性から見たら厳しいようですが……、もし、奥さんが子どもを産めなかったら別れることになりません?
「いや、子どもが好きなことが共通していれば良かったんです。もしできなかったら養子をもらってもいいね、ということまで話し合ってから結婚しました」
真実の価値観なら、堂々と条件にするべきという高須さん。
「デメリット要因でも、嘘や隠し事は結婚した後でトラブルの元なります。もちろん、言い方はあると思いますけれど」
ただ、その価値観、結婚観をしっかり持っていない人が多いそう。
「私の場合も、若い頃から結婚したいなあという思いはありましたが、よくよく考えてみると、地方出身で、男は結婚してこそ社会的信用がつくという“常識”が刷り込まれていたんですね。だから、どんな相手とどんな暮らしがしたいかはイメージしていなかった。相談にみえる方々も、そこまで考えてる人は少ないように思います」
そこで重要なのが、カウンセリングなのだと言います。
「うちの場合は、アドラー心理学をベースにした独自のメソッドを作って、まず、会員さんの結婚観を明確にすることから始めるんです。そうすると、迷いがなくなるので、相手も現れやすくなるんですよ」
なお、高須さんが重要視しているのは、相談者さんの育成歴だそうです。
「育った環境や、子ども時代のエピソードなど、本人が忘れているようなことが、本人の価値観を作り上げているんです」
オープンマインドが大切
ちなみに、高須さんも婚活パーティなどのイベントを開催しているそうですが、モテない人の共通点を聞いてみると、
「多いのが、自分を良く見せようとガチガチに力が入りすぎている人。また、極端に消極的で誰にも話しかけない人や、反対に、自分のことばかりアピールしてる人も、モテませんね。女性で言えば、とても美しいのに笑顔が少ない、愛想がないと、せっかくの機会がもったいないですね」
もっとも、自身では気づいていないことも多いので、パーティの後でカウンセリングするのだそうです。
「価値観と同じで、見栄を張って真実の自分を隠してしまうと、相手のことも見えなくなってしまいます。相手の心を知りたいなら、まずは自分が心を開いて、素のままの自分の魅力を伝えましょう」
いかがでしょう。「お見合いなんて古い」「堅苦しい」「結婚相談所って敷居が高そう」なんてイメージは払拭されました?
もし、合コンや婚活アプリを続けても結婚相手が見つからないなら、やり方が違っているか、あっていないか、自分のことを知らないか……。
本気で結婚したいなら、まずは、自分のことを知る、そこからなのかもしれませんね。
取材・文 / 橋本弥司子(あどわいず)
イメージ写真 /AJHAJHA
Profile
高須和彦さん
株式会社なごみプロモーション代表取締役CEO
1967年4月20日、茨城生まれ。広告代理店を16年間経営後、東日本大震災をきっかけに、仕事への価値観が変化。残りの人生、好きなことしようと、結婚相談所で結婚した自身の経験を活かし、会員目線からアドバイスを行う結婚相談所を設立。自身を含め、結婚観や人生観を持たずに婚活する人が多いことから、「なぜ結婚しなければならないのか?」というところからクライアントとしっかり向き合い、パートナー探しのサポートを行なっている。結婚式での笑顔を見ること、人生を豊かにすることが事業のモチベーション。
高須和彦 プロフィール – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=l5RPC8favDk
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