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自分の心がきれいじゃないとお客さまをきれいにすることはできない!【マナー講座:西出ひろ子】

自分の心がきれいじゃないとお客さまをきれいにすることはできない

西出ひろ子さん

――今の若い人たちは、よくシャイだといわれます。美容師さんだとハタチぐらいからお店に立つわけですから、マナーにおいてはシャイではいけないわけですね。

「お客さまがいらしたら、必ず挨拶しますでしょ。挨拶の挨には『相手に心を開く』、拶には『相手に近づく』という意味があります。挨拶とは『相手に心を開いて、相手に近づいていく』ことであって、そうしてコミュニケーションを取ることなんです。シャイであっても、挨拶をする以上は相手に対して自分から心を開かなくてはならないんです。お客さまに対してそうであるように、上司、先輩たちにも心を開かなくてはならないんですね。さらにいうと、挨拶は先にすることが大切です。マナーの世界では先手必勝といって、先手の行動がwin-winの関係を作っていき、お互いをハッピーにするんですよ」

――REJOBは美容業界の求人サイトで、読者は比較的若い方が多いです。今の若い世代は感度が低いなんて言われていますが、マナーの仕事をしていて先生もそうお感じになりますか。

女性と男性

「今の若い人たちは感度が低いわけではなくて、せかせかしていないというか、仕事中は自分の思っていることをあまり言わないというか、だから感度が低いと思われがちなんだと思います。だけど、みんなそれぞれにちゃんと何かを感じ取っているはずです。就職というと、私も20代の頃は何度も転職をしたので、そういう人たちの気持ちがよく分かります。だからこそ、組織に属して働かせてもらえることへの感謝の気持ちを持ってほしいなと思います。当時の私は正直いって感謝の気持ちが足りませんでした。意地悪な人がいるとか、ここは私に合わないとか、それって自己中心的な発想じゃないですか。マナーとは相手の立場に立つことですから、その観点からいうと私はまさにマナーのない人だったんです。自分に非があることを認めて、相手の立場や気持ちを考える。そういうことに気づいてからは人生が変わりましたね。幸せな人生を送りたいのなら、相手を思いやったり、感謝の気持ちを持ってほしいと思います。そうすればまわりから受け入れてもらえて、可愛がられて、安心した環境で自分の技術を磨くことができます。お客さまからも好かれますよ」

――ちなみにマナーでは、声のトーンは重要ですか。

西出ひろ子さん

「声の大きさより、目線のほうが大事かもしれません。先輩に教えてもらいたいことがあれば、先輩よりも目線は低く、中腰になったり腰を低くしながら、いい表情で『先輩、お時間よろしいでしょうか?』と話しかける。相手の状況を伺って微笑みながらお願いすれば、嫌な気にならないのでNOとは言えないですね。たいていの人は無表情で『これって、どうすればいいんですか?』というと思うんですね。相手の状況も確認しないでいきなりしゃべりかけるから、先輩もカチンとくる」

――タイミングが悪いうえに、無愛想で来られたら、確かに嫌な気分になりますね。

女性

「そうなんですよ。マナーには基本の7原則というのがあって、1番が『表情』、2番が腰を低くするなどの『態度』。3番が『挨拶』、4番が『身だしなみ』、5番が『言葉使い』、6番がお客さまや先輩に呼ばれたときのいい『返事』。7番が『名前を呼びながらのコミュニケーション』なんです。例えば、『今日はどんな髪型にします?』というよりも『○○さま、今日はどんな髪型にしますか?』と話す。相手の名前を呼ぶことがすごく大事で、これは心理学的に社会的報酬を相手に与えるということなんですね。名前は特別なものですから、特別な名前を呼びながらコミュニケーションを取ってくれると、相手がその人に心を開いていくんです。この7つはマナーの基本原則です。また言葉遣いも重要です。特に“か抜き言葉”をやめましょう。『どんな髪型にします?』と質問するときに「か」が抜けていると、お客さまは上から目線と感じてしまいます。とりわけ、年上のお客さまにはNGです。きちんと『しますか?』と伺う形で言ってください」

――普段の営業ではマナーができていても、忙しくなるとおろそかになってしまうこともあるかと思います。そういう場合の対策法みたいなのはあるのでしょうか。

脳のイラスト

「これは人としての基本なので、常に意識するしかありません。基本がしっかり身についていれば、どんなに忙しくても絶対に崩れないんですね。ですから、プライベートでも意識をして、マナーを自分の体、すなわち脳に覚えさせていくしかないです。若いときに身につけたことは30代や40代になっても絶対になくなりません。年齢を重ねてからマナーを身につけようと思っても大変ですから、若い方は今すぐにでも取り組んでほしいです」

――最後に転職を目指していたり、接客で悩んでいる方にメッセージをお願いします。

西出ひろ子さん

「お客さまをきれいにして差し上げたいと思う。その気持ちはまさにマナーです。相手をプラスにして差し上げるわけですから。でも一歩間違えれば、技術の向上だけに頭がいきがち。しかし、技術がうまくなる人って、結局気持ちなんですね。自分の心がきれいじゃない人はお客さまをきれいにすることはできないと思います。だから今一度自分の心をピュアにしてほしいと思います。素直な美しい気持ちでお客さまや上司、先輩、同僚と接する、そんなみなさんになってほしいと思います。そうすれば、あなた自身もきれいになれますよ」

Profile

西出ひろ子さん

西出ひろ子(にしでひろこ)さん

美道家
マナーコンサルタント

HIROK♥MANNER Group代表
ウイズ株式会社 代表取締役会長
HIROKO ROSE株式会社 代表取締役社長
一般社団法人マナー教育推進協会 代表理事・会長

出身地:大分県
座右の銘:一生書生

大妻女子大学 文学部 国文学科(現 日本文学科) 卒業。国会議員・政治経済ジャーナリストの秘書等を経てビジネスマナー講師として独立。1996年度文部省認定技能検定日本技能検定協会秘書部門連合会会長賞受賞。1998年英国オックスフォードへ語学留学。オックスフォード大学大学院卒の遺伝子学(DNA)研究者 Dr Waggottと共に英国法人WitH Ltd.を設立。帰国後、同社の日本における代表者を経て現在に至る。マナーは形式ではなく、真心から生まれるものとし、企業の人財育成研修やコンサルティングのほか、作家として執筆活動も行う。また、カリスママナー講師として、テレビや雑誌などでも紹介され、NHK大河ドラマ『龍馬伝』『花燃ゆ』やNHKスペシャルドラマ『白洲次郎』、映画『るろうに剣心 伝説の最期編』や『岡倉天心』などのドラマや映画のマナー指導者としても活躍。美しさは内面が外面に表れるものとし、マナーの視点からの美や健康について、人々のきれいをマナーから発信している第一人者。マナーを気軽に愉しく学べるFAST MANNER(ファストマナー)スクールは、世界を舞台に展開中。

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*また、6月1日から7日も同様にキャンペーンを行います。

Company

ウイズ株式会社

企業の人材育成、社員教育、営業・接客、接遇マナーの研修やコンサルティング、講座を手がける。新入社員のみならず、ベテラン社員、管理職、経営陣のマナーなどを幅広く展開。さらには服装・身だしなみマナー研修、電話対応研修、テーブルマナー研修など多岐に渡ってニーズに応えている。また、マナー講師養成講座にも心血を注いでいる。講師陣は西出さんを筆頭に22名。

問い合わせはHPから http://www.withltd.com/

HIROKO ROSE株式会社

マナーを軸としたファッション、ビューティ、ライフスタイルの提案をはじめ、サクセススーツ、ハッピースーツ、ブラックフォーマル、フォーマルウエア、袱紗、懐紙入れ、愛犬とのペアルックなどの販売も行う。5月23日~26日および6月1日~7日豪華特典付きAmazonキャンペーン実施。

問い合わせはHPから http://hirokorose.co.jp/

FAST MANNER

人々のキレイを応援するため、内面と外面を磨く、FAST MANNERスクールを日本および海外に展開中。マナーをはじめ、ヘアメイク、パーソナルカラーなどが学べる。また、Men’s FAST MANNERも好評。

問い合わせはHPから http://www.fastmanner.com

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