集客アップに効果的? インスタ映えする写真の撮り方
SNSの普及は、ビジネスの世界にも大きな影響を与えています。お店の集客もしかり。集客にはHP(ホームページ)かSNSのアカウントで興味を引きそうな画像を掲載することが主流です。特に美容・理容業界では、ヘアスタイルやネイルなどをビジュアルで「いかに素敵に見せるか?」が非常に重要になってきます。画像の良し悪しで、お店のイメージや方向性などをお客さまが判断する時代になっているのです。
スマホに搭載されるカメラは劇的に性能が向上しており、また画像加工用のアプリを使えば、それなりに美しい画像が作れます。ただし、美的センスを問われるお仕事だけに、単純に撮影するだけでは美しい画像とまでは言われません。特にインスタグラムなどビジュアルが重視されるSNSでは、フォロワー数も大きく変わってきます。
まずはスマホで「素敵な」画像を撮影するためのテクニックをご紹介します。このテクニックを駆使すれば、プロが撮影したみたいなビジュアルも比較的かんたんに作れるかもしれません。プライベートはもちろん、お店の訴求材料として、スタイリストの作品作りにも使えます。
ぜひともテクニックを自分なりに吸収して、美しいビジュアルを作ってください。
全体の構図を考えると、写真や動画はうまく見える
一般の方とプロのカメラマンの違いはどこにあるのでしょうか? もちろん写真に関しての知識や機材のスペックの差もありますが、一番大きな違いは『構図』です。写したいものは何なのか、背景との距離感や撮影した場所の空気感などをどれくらい写真に反映させるか…つまり1枚のビジュアルとしての構図の違いが大きいのです。
特にスマホの場合は、レンズが短いため広角(近くでもより周囲の景色を取り込む)に写しがちになります。例えば、観光地などに出かけたときの記念撮影が全部同じに見える…なんて失敗の経験があるのでは? これは撮影したい対象(人やモノ)が画像全体の中で小さかったり大きすぎたりしてしまったため、景色を見せたいのか人を見せたいのかがはっきりせず、バランスが悪いために「素敵な写真ではない」と感じるのです。
そこで、活用したいのが、スマホのカメラに内蔵されている「グリッド」です。画面上をタテ、ヨコに3分割するラインが表示されます。このグリッドのラインが交わるところやラインに沿った位置に写したい被写体を持ってくると、全体のバランスが落ち着いて見えるようになります。これは『3分割法』と呼ばれる基本かつ有名な撮影方法なのです。
この「グリッド」の表示方法はかんたんです。スマホの設定画面、またはカメラアプリ内の設定項目に「グリッドの表示」などが必ずありますので、これをオンにするだけ。画面全体に対して、写したいもののバランスを把握しやくなり、かつ景色に対して平行になっているのかなども把握しやすくなりますよ。
もちろん、被写体にピントや露出を合わせるのを忘れずに。特にスマホの場合は基本的にオートフォーカス(自動でピントを合わせる機能)なので、撮りたいものと違うところにピントが合ってしまうことも…。大抵は画面上でピントを合わせたいものをタッチするだけなので、やみくもにシャッターを切る前にピント調節と構図を考えることが、美しいビジュアルの第一歩です。
ネガティブスペースを上手に活用しよう
構図に関係するものとして、被写体(写したい対象物や人物)とネガティブスペース(余白・この場合は周囲にある空間のこと)の対比があります。このネガティブスペースを上手に活用し、1枚のビジュアルの中に「被写体が置かれている環境や状況」を盛り込むことができます。
プロのカメラマンはこのスペース配分がとても上手なのです。アップで撮影したい場合はともかく、できれば画面全体を被写体だけにするのではなく、先ほどの『3分割法』の理論から2/3はネガティブスペースにすると、逆に被写体が引き立ちやすくなります。
特にインスタグラムなどSNSの場合は、背景の良し悪しで「インスタ映え」と呼ばれる評価が変わってくるほどです。まぁスマホの場合は特にフィルターや編集アプリなどで、トリミング(画像の中の使いたい部分だけ切り取ること)や明るさなどを調節できますので、色々と配置や明るさを調節してみてください。
奥行きのある背景を取り込むと世界観が広がる
サロンでのヘアスタイルや出来上がったネイルの場合、多くはアップになりがちで、背景はお店の中だったり白い壁だったりします。それはそれでいいのですが、それだけでは多くの「いいね」を獲得するのは難しいでしょう。
SNSで高評価を得る、通称「インスタ映えした画像」にはロケーションが大切です。だからと言って、わざわざ遠くまで行かなくても大丈夫。普段見慣れた景色をさまざまなポイントを意識して画像に取り込めば、一気にオシャレな感じになります。
ではどうするか? 先ほどのネガティブスペースに、奥行きを与えてあげましょう。スマホやカメラの位置を変えるだけでなく、上向きや下向きにするなどのアングルを変えることで、違った世界観を表現することができますし、被写体と背景の距離があるほど、奥行き感が出ます。
また、例えば階段や建物、線路や道など見る人を無意識に特定の方向に導く線を「リーディングライン」と呼び、これがある背景は奥行きを感じやすくなります。
この、すでにある景色を上手にネガティブスペースとして使い、被写体を手前に持ってくる(または背景と一緒にする)ことで、独特の世界観が生まれやすくなります。
奥行きのある店舗なら、あえて奥まで見せる工夫をすることでサロンのイメージアップや集客に結びつくこともあるかもしれません。
ズームを使わず、自然光で撮影がベスト
スマホに内蔵されているカメラは、基本的に広角(通常より歪みは出るものの近距離で幅広く撮影できる)レンズを搭載しています。モニター内で被写体が小さいとき、ついつい指で広げて(つまりズームして)撮影してしまいがち。でもこれ、実は本当のズームではないのです。これは「デジタルズーム」と呼ばれ、スマホの中で取り込んだ画像を仮想的に大きくしているもの。ピントが甘くなったり画質が粗くなるなど、あまりメリットはありません。できれば望む構図まで自分から近付いてみるほうがいいでしょう。
また内蔵されているフラッシュは対象物を照らすだけと割り切ったほうが良さそうです。最近の内蔵カメラは暗部に強い高感度タイプが増えており、暗いからとフラッシュを使用すると、真っ白(俗に言う「白トビ」)な画像になってしまい、被写体が置かれている空気感や世界観などは跡形もなく消えてしまいます。
これもできる限り自然光(一般的には太陽の光のこと)で撮影しましょう。後ほど可能な限り明るくすることはできますので、少し暗いなと思ってもアプリなどで調整するつもりで。
どんなに優秀なアプリでも、元の画像が悪くては加工しても見栄えが悪くなってしまいます。
特にネイルなどは、その独特な発色を見せたいはず。自然光の下でこそ、微妙な色使いなども表現できるというものです。窓際や、明るい照明の下に移動して撮影してみましょう。
とにかく画像は枚数を撮ってナンボ(撮るほどに上達していく)のものです。どんどんシャッターを切って、さまざまな構図、角度から撮影してベストな1枚を作ってみてください。
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