Erika Ichihashi interview #1:大阪でのつらい経験を乗りこえ、夢を追い上京
JR新宿駅東口より5分ほど歩くと見えてくる、セットサロン『Hair&make salon chupa』。数多くのサロンが立ち並ぶ歌舞伎町のなかで、ナイトワークの方々から絶大な支持を集めています。いったいどのように、夜の世界を彩る美しいヘアメイクは、生み出されているのでしょうか?
今回は、そんなセットサロンで働くIchihashiさんに、ヘアメイクの魅力について聞きました。前編では、Ichihashiさんがヘアメイクと出会ったきっかけや、セットサロンで働くにいたった経緯を語っていただきます。
いかに良好な人間関係を築けるか
――学生の頃から、美容業界に興味がありましたか?
「自分で髪をセットすることが好きで、ときどきセットサロンにも通うなど、学生の頃から美容業界には興味がありました。高校卒業後は、通信の美容学校に通いながら美容室でアシスタントとして働いていました」
――セットサロンで働き始めたきっかけを教えてください。
「 “セットサロンをオープンするから働かないか”と、知人から誘われたことがきっかけです。そのサロンは、大阪の飲み屋街である心斎橋にあり、ナイトワークの方が多くいらっしゃいました。当初は、夜の世界で働く方たちと、うまく接することができませんでしたね。接客を重ねるなかで、外見は派手だけど、繊細でナイーブな方が多いんだとわかり、打ちとけることができました」
――ひとりでお客さまのセットができるようになるまで、どのくらいの時間がかかりましたか?
「メンズのセットができるようになったのは、入社して半年を過ぎた頃です。そこからレディースのセットを勉強して、だいたい1年ほどでお客さまの髪型を作れるようになりました」
――なるほど。美容室とセットサロンの違いはどんなところですか?
「一番大きく違う点は、同じお客さまと毎日のように顔を合わせることです。そのため、お客さまとの距離が、美容室と比べてずっと近くなります。セットサロンで働くには、きれいな髪型を作る技術だけでなく、いかに良好な人間関係をお客さまと築けるかがとても大切なんです」
お客さまから怒鳴られ、悔しくて泣いた日
――大阪のセットサロン時代で、印象に残っていることはありますか?
「お客さまから、すごい勢いで怒られたことが印象に残っています。でき上がった髪型を見て“全然違う”と怒鳴られました。オーダーされたヘアスタイルのイメージに、私とお客さまとの間ですれ違いが生じてしまったことが原因です。そのとき、悔しくてその場で泣いてしまったんです。すぐに作ったヘアスタイルを崩し、1からもう一度作り直しました。その方には、もう指名をしてもらえないだろうと思いましたが、翌日も来店され私にセットを任せてくれたんです。それから、サロンを辞めるまでずっと、私を指名し続けてくれました。東京に出てきた後も、誕生日や新年のあいさつで連絡を取り続けています。今思うと、あの時は期待も込めて叱ってくれたんだと思いますね」
――なるほど。つらいこともあったなかで、働き続けることができた理由を教えてください。
「お客さまや一緒に働くスタッフなど、周りに素敵な方がたくさんいたからです。とくに、上司だった女性の存在は大きかったですね。髪型の作りかたや、接客方法などで頻繁にケンカをしていましたが、なんでも相談できる心強い存在でした」
もっと大きな街でヘアメイクに挑戦したい
――上京しようと思ったきっかけを教えてください。
「自分の技術に自信が出てきたからです。大阪のサロンで5年間働き続け、お客さまからの指名も多くなっていました。そこで、もっと大きな街でヘアメイクに挑戦したいと思い、上京することを決心しました。2014年の終わりごろですね」
大阪時代は、日々たんたんと腕を磨いていたと語るIchihashiさん。地道に重ねてきた努力が、今につながっているそうです。中編では、『chupa』で働くにいたった経緯や、東京で感じた大阪との違いについてうかがいました。
Profile
Erika Ichihashiさん
Hair&make salon chupa副店長
美容学校に通いながら美容室でアシスタントとして勤務。その後、大阪のセットサロンで5年間勤める。フリーで活動後、2014年上京『chupa』に入社し現在にいたる。
Salon Data
Hair&make salon chupa(ヘアアンドメイクサロン チュッパ)
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-27-12Lee2ビル5F
TEL:03-3203-1922
http://charmpoint.jp/tokyo-salon-chupa/
Erika Ichihashi interview #2:必死の練習により掴んだ、お客さまからの信頼>>