スリランカの大自然で「無になること」の必要性を学ぶ【LA CARPE新井ミホ】
様々なフィールドで活躍している美容従事者の皆さん。休日は何をしていますか? ゆっくりと体を休める人、インスピレーションを求めて旅をする人、知識を増やすために何かを学ぶ人、趣味を楽しむ人などなど、人によって過ごし方は様々ですよね。そんな皆さんの休日にクローズアップするのがこの企画!
今回は、オーガニックライフ専門のPR会社LA CARPE主宰の新井ミホさんにスリランカの旅について伺いました。
LA CARPE新井ミホさん
IT関連企業の広報や化粧品会社PRを経験した後、独立。オーガニック化粧品を中心としたフリーランスPRを経て、2012年にナチュラル&オーガニックライフ専門のPR会社 株式会社LA CARPEを設立。オーガニックコスメ&フード、マクロビオティック、薬膳、フレグランスブランド、クリニック等のブランディングやPRコンサルティング業務に携わる。
■旅の行程
<時期・行先>
2017年に3回、スリランカへひとり旅。
<ルート>
スリランカの森の中にあるアーユルヴェーダ施設「アーユピヤサ」に1週間滞在。そこでの生活を中心に世界遺産などを巡る。
<費用>
トータル約40万円
■旅の目的
「日本を離れ、アーユルヴェーダが有名なスリランカの大自然の中で、ひとりになり、少しゆっくりしたいというのが旅のきっかけです。一度行ったら気に入ってしまい、その1年の間に、休みを見つけて3回ほどスリランカを訪れました。アーユルヴェーダを体験できる『アーユピヤサ(http://www.ayupiyasa.com/)』への滞在と、世界遺産や建築家バワの設計した有名なホテルを見てみたいという思いもありました」
■旅で得たインスピレーション
「森の中にある『アーユピヤサ』では、できる限り自給自足で食材をまかない、電気や水も必要最小限で生活します。鳥や動物たちと一緒に生活する大自然のエネルギーを全身で感じることができます。
朝は、まだ日が昇る前から鳥や虫たちの声で自然と目覚め、白湯を飲みます。宿泊しているビラから森の中を5分くらい歩いたところにある棟で早朝ヨガをし、その後、施設内でとれた野菜を中心とした朝食をとります。
アーユルヴェーダの施術は、午前と午後の1日2回受けます。ドクターのカウンセリングを受け、その日の自分のコンディションに合わせた施術を準備してくれます。観光に行きたいときは、施術時間を調整することもできます」
「デジタルツールを手放し、流れる時間の経過に抗うことなく、自然と向き合いながら過ごす日々は、忙しい日本での生活で蓄積された心身のストレスや疲労を解放してくれます。
好きな本を読んだり、森を散歩したり、鳥や虫の声を聞いたり(音楽が必要のないくらい自然の音が素晴らしかったです)、昼寝をしたり、トリートメントで心身を解放したり…。時間に追われていた日本での日々とはまったく違う、実にシンプルな時間が過ごせたことへの感謝の気持ちを全身で感じることができました。頭の中を空っぽにする時間がいかに大切かを実感できました」
■仕事に活かされたこと
「オンとオフの切り替えの必要性に改めて気づき、それができるようになった気がしています。はじめてスリランカに行き、帰国したときは『何か足りない』と感じて…。
その3ヶ月後にまたスリランカを訪れました。
2度目のスリランカでは、リラックスする方法を知りました。
そして、3度目に訪れたときは、スリランカで感じた全身を解放する自由な時間を作ることを、日本でも実践しようと決めました。
実際、スリランカで経験したような生活を日本ですることは難しいですが、頭の中を空っぽにして何も考えない時間を過ごすことはできると思い、それを実行。仕事で忙しいときほど、5分でもいいので『無になる時間』を生み出すようにしています。瞑想でもいいし、好きな音楽を聞く、猫と遊ぶ、本を読む、お風呂に入ってゆっくりする、トレーニングをするなど、好きなことにただ没頭するようにしています」
■その他に印象に残っていること
「3度目にスリランカを訪れたときは、日本で植物療法を学んでいたので、植物園に行き、スリランカのスパイスのもととなっている植物の薬理効果について学びました。その国ならではの、昔ながらの自然療法に触れられたことは、とても面白かったです。媚薬などもありました」
■次に旅してみたい場所
「中東の歴史や文化、遺跡に興味があるので、トルコの世界遺産・カッパドキアに行きたいです。気球に乗って、自然が生み出した歴史ある岩石遺跡を見てみたいと思います」
■新井さんにとって旅とは
「旅をすることは、私たちの心と体にエネルギーを送りこんでくれるものだと思っています。国内でも国外でも、自分が行きたいと思う場所へ行ってみることは、きっと何か自分の人生に必要なことなのかなと思います。
人生こそが旅と言われています。旅をすることで、人は経験をして新しい扉を開けるきっかけをもらったり、ときに立ち止まることを学んだり、様々な出会いを手にすることもあるのかなと思います。私も旅を通じて、多くの『気づき』を得ていると思います。それはお金では買うことのできない貴重な経験ですから、これからも旅することを大切にしていきたいと思います」
スリランカの旅で得たもの
1.大自然のエネルギーを全身で感じられた
2.頭の中を空っぽにする時間がいかに大切かを実感
3.オンとオフの切り替えができるようになった
4.仕事で忙しいときほど無になる時間をつくる
5.旅は、心と体にエネルギーを送りこんでくれる
オーガニック専門のPRという分野を確立させた新井さん。いくつものクライアントを抱え、アイディアを出し、それを形にしていくというフル稼働な日々。その原動力となっているもののひとつに、旅があるようです。それにしても、1年の間に3度もスリランカを訪れてしまうあたり、休日の過ごし方もストイックと言えるかもしれませんね。
取材・文/永瀬紀子