介護業界の市場規模は、年々上昇しているといえます。国内の他の業界は、縮小傾向にあるのに対し、介護業界は、平成17年以降、年を追うごとに成長を続けています。
また、これらの成長の背景には、高齢者の人口増加が関係しています。平成27年の末には、要介護認定者数が、618万人にまで膨れ上がっており、平成12年の250万人に比べると約2.5倍にもなります。
そして、もう間もなく、総人口800万人と呼ばれる「団塊の世代」が、後期高齢者になると予想されており、さらに、要介護認定者数が増えることが見込まれているのです。
このような現実を踏まえると、介護業界にかかる期待は大きいといえます。今後も、介護を必要とする人がより一層増加することは容易に予想できます。介護業界の市場規模が今後も大きくなっていくことは確実でしょう。現在でも、まわりを見渡せば様々な介護サービスを受けている人はたくさんいます。さほど遠くない未来、「介護」は、私たち日本人にとって欠かすことのできないサービスとなっていきます。
先に説明したように、近年では介護業界は活発な動きが見られています。平成19年には、訪問介護大手企業の不祥事によって介護業界を撤退せざるをえず、事業譲渡を決めましたがその際には50社以上の企業が譲渡先として名乗りをあげています。最終的には複数の法人に事業譲渡を行った結果、他の大手企業が大きく他に差をつけて介護業界のトップを走ることになりました。
さらに異業種の大手企業が、介護業界へ参入するケースも目立っています。これまででも、居酒屋チェーンや教育関連、セキュリティ関連の業界の最大手企業などが参入してきており、介護業界の底上げに繋がっています。また、有料老人ホームなど以外でも、デイサービスへ大手企業が参入するケースも多く見受けられます。
厚生労働省
のデータによると、現在のデイサービスと呼ばれる通所介護事業所は、2015年4月時点で、4万2000箇所を突破。このような状況を受けて、大手企業も業界に注目するようになりました。流通大手の企業もデイサービス事業の展開に乗り出し始め、今後首都圏を中心にサービスを展開していく予定です。
また、他にもセキュリティ業界の大手企業とデイサービス大手が提携を組む動きも出ています。オプションとして、高齢者の緊急時にかけつけることのできる新しいサービスも展開しています。今後ますます伸びる介護業界には、さらに大手企業の参入が激しくなることが予想されます。
介護業界が抱えている問題の一つに、人材不足があります。これは、介護業界が最初に克服しなければいけない問題です。要介護者数の増加によって、介護施設は年々増加傾向にありますが、施設の数量に対して、介護業界に従事する人が少ないというのが現状です。
人材不足には様々な原因がありますが、まずは、その仕事の厳しさがあげられます。食事、入浴、排泄、移動など、利用者の生活全般にわたって必要な援助をしなければならず、かなりの重労働といえます。利用者の方全員が素直にしてくれるとは限らず、ときに心無い一言を浴びせられたりもあるでしょう。
もちろんデイサービスなど、夜勤がなく、他の業務と比較しても負荷が軽めのサービス形態もあります。しかし、介護業界全体が、給与水準が異業種と比較して低いなど待遇の悪さから、離職率が非常に高いことも人材不足の原因の一つとなっています。昨今の介護業界を取り巻く現状からすると、介護スタッフは世間的に必要な職業です。そのため、もう少し優遇されるべきですが、実際は決して良いとはいえず、仕事内容と待遇がマッチしないことが往々にしてあります。また、こうした介護の大変さが、メディアなどを通じて、一般の方に広まってしまっていることも人材の獲得に至らない原因といえます。
こうした状況の中、大手企業では比較的高水準の給与体系をとっているところや、独自の福利厚生、人事制度を構築して人材の確保に注力しているところもあります。
2017/03/14
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