今日本は、平均寿命が世界一とも言われており、全人口の4人に1人は高齢者であるという状態です。これにより介護を必要としている高齢者の数は増える一方で、介護サービスの提供を行うことができるホームヘルパーの人材育成が追い付いていないという現状があります。
ホームヘルパーの求人も、常に募集されており、特に資格をもっていなくても働くことができます。では、なぜ人手不足は一向に解消しないのでしょうか。原因の1つに、重労働で、責任が大きい仕事であるという以外にも、ホームヘルパーに求められる負担が年々大きくなってきているという背景があります。
介護ニーズが高まる中で、介護保険制度がスタートし、利用者が自分のニーズに合わせ「ホームへルプサービス」や「デイケアサービス」を選べるようになったため、この状況に合わせてさまざまな分野で介護サービスを提供できるホームヘルパーが求められるようになってきたのです。
ホームヘルパーの深刻な人材不足は、もちろん政府も把握しており、さまざまな対策がとられています。1989年には、2000年までにホームヘルパーを10万人増やすという「ゴールドプラン」という目標が掲げられ、大きな話題となりました。
しかし、政府の予想を上回る速さで高齢化社会は進み、1999年にはホームヘルパーの増員を10万人から17万人に見直された「新ゴールドプラン」が発表されました。さらに2000年には、現在の介護保険制度が開始されたことに伴って、「ゴールドプラン21」という政策が掲げられるなど、政府も問題への対応に迫られています。
また、ホームヘルパーの資格についても改正が進み、介護職におけるキャリアの道筋をはっきりと示すことで、スタッフの増加を導こうとする動きもとられるようになりました。詳しい介護職の資格やその内容については、次の項目でご紹介します。
ホームヘルパーは、資格がなくても働くことができますが、資格をとることで知識や技術の習得を証明でき、キャリアアップも望めることから、現在では資格を取得する動きが活発になっています。
これまでも介護職における資格取得は推奨されてきてはいたのですが、キャリアパスが明確ではなく、複雑で分かりにくい状況となっていました。しかし、現在は、以前よりも改善されてきているようです。
まず、介護職の基本である資格が「介護職員初任者研修」です。まずはこの資格を取得し、次いで「実務者研修」「介護福祉士」「認定介護福祉士」と取得しいていくことで、ステップアップすることができます。
また、介護の現場で実務経験を3年以上積み、国家試験を受験することで介護福祉士を目指すことができます。5年以上の経験で、ケアマネジャーを目指すこともできますし、うまくステップアップできれば、給料や待遇面が今まで以上に改善されます。
資格をもたずに働くスタッフに対し、無料で資格を受けさせるなどの対応がとられる事業所や施設もあるほどで、今後はさらに資格取得の動きが強まり、ホームヘルパーを含めた介護職の仕事が働きやすい環境へと変化していくことでしょう。
2015/09/20
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