「介護の仕事ってきついよね。」「そんな安い給料でよく働けるね。」などと、心ない言葉をかけられたときには「自分はいったい何をしているのだろう。」と疑問を感じてしまうこともあります。しかし、私は介護の仕事に誇りを持っています。
高齢化社会がすすむ日本では現在介護職への需要がどんどん高まっていて、深刻な人手不足に悩む事業所も多く存在します。実際に人手がほしいのになかなか利用することができない御宅へお邪魔した際には手をとって喜ばれたことがあり、自分が就いている仕事の大切さを実感したものです。
また訪問中に利用者の容体が急変したことがありましたが、自分が冷静になって迅速に救急車を呼んだことでことなきを得たこともありました。このときほど「働いていてよかった。」と感じたことはありません。
「自分を必要としてくれる誰かがいる。」「自分のしたことが相手に喜んでもらえている。」ということを感じるたびに、介護職の大切さを知り仕事へのプライドを高めています。
今、現在、介護ロボットシステム開発が進んでいて、将来的にはロボットが介護をする時代がくるなんて言われています。今後ますます高齢化社会がすすむことが予想されるなかで、人手不足が起こることは必至。私自身も介護ロボットの存在を否定しているわけではありません。
しかし利用者さんの中には、ただ単に身体介助をしてほしいというわけではなく、話し相手が欲しいと考えている人も非常に多いのです。思うように身体を動かせず、親しい人とも会うことができない環境で寂しい想いをしている人の心に少しでも寄り添うことができれば、と考えて仕事に取り組んでいます。
はじめは取っ付きづらいと思っていた利用者さんも慣れてくると、次第に心をひらいてくれるようになりいろいろな話をしてくれるようになりました。そんなときには仕事の達成感を感じることができますね。
また互いの意思疎通ができるようになると、言葉にしなくてもどこが痛いのか、どのような介助をして欲しいのかがなんとなく伝わってきますので、そういう意味でもコミュニケーションは大切と言えるでしょう。
責任感を持ち、自分の仕事にプライドを持って取り組むことは素晴らしいことですが、そうかと言って自分の気持ちややり方を押し付けているだけではうまくいきません。
介護職では自分の思い通りに身体を動かすことができない人に向き合うため、ストレスが溜まっている人や不満を抱えている人がたくさん存在します。こちらがお願いしてもできないこともたくさんあるでしょう。
そうであるからこそ相手の立場に立って、物事を考えることが必要といえます。脚が不自由な利用者さんであれば、どんなことができそうなのか、自分がその立場であればどうしてほしいと思うのかを想像しながら利用者さんに向き合っていきます。
利用者さんのなかにはストレスから無理難題をふっかけてくる人も少なくはありません。忙しいときにはイライラしてしまうことも正直ありますが「相手も寂しいんだ」と自分を納得させて対応するように心がけています。
また相手の立場に立ったつもりで何でもかんでも請け負ってしまうことはNGで、それは単に振り回されているだけです。仕事をしている以上できることとできないことがあります。だから、しっかり境界線を引いて、接するようにしています。
2017/07/14
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