居宅介護支援事業所とは?


介護業界で働く人、介護が必要になった人、そのご家族はよく聞く「居宅介護支援事業所」ですが、その中身を詳しく知っている人は少ないでしょう。ここでは「居宅介護支援事業所」が何をしてくれるところか知らない方々のために、居宅介護支援事業所のサービス内容や利用に関する流れ、更には居宅介護支援事業所を開業・立ち上げに際して必要な事柄等をご紹介します。

■居宅介護支援事業所とは

居宅介護支援事業所とは、事業所に所属するケアマネジャーがケアプランを作成・管理する場所です。
要介護認定を受けたら、まず居宅介護支援事業所に連絡して、今後の生活について相談しましょう。

■サービス内容

所属のケアマネージャーは、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送れるように、利用者の心身状況や環境、希望に応じた介護サービスを利用するためのケアプランを作成します。
ケアプラン作成後は、ケアプランに基づいたサービスを提供する事業所等との連絡調整などを行います。
その他にも、利用者本人やご家族の代わりに、要介護認定の申請手続きや更新認定の申請手続きも行います。

※要支援の方のケアプランは地域包括支援センターが作成します。
※利用料金の利用者負担はありません。介護保険で支払われます。

<要介護認定の更新の手続き>
要介護認定を受けた方、またはそのご家族には「要介護認定の更新方法がわからない」「いつ更新すればいいのかわからない」など、認定更新に対して不安に感じていることが多々あるようです。居宅介護支援事業所では、そういった要介護認定の更新の相談や更新の手続依頼も可能ですので、是非利用しましょう。

<2018年度の介護保険制度改正>
厚生労働省は2016年9月7日に「社会保障審議会 介護保険部会」を開催し、保険者の業務簡素化について話し合いました。審議内容のひとつに「要介護認定の更新認定有効期間の延長」があり、これは「更新認定の有効期間の上限を、現行の24か月から36か月に延長し、認定事務処理件数を減らす」というものです。
この議題に対して大きな反対意見はなかったものの、懸念される事項も存在します。例えば「有効期間中に要介護度が悪化した場合には『区分変更申請』をすれば良いが、改善した場合にわざわざ区分変更申請をする人がいるだろうか」ということです。
こういった懸念事項に対しては、利用者とケアマネジャーとの密なコミュニケーションが重要になってくることが確実です。

■サービス利用の流れ

<問い合わせ>
居宅介護支援事業所は各地域に複数あります。お住まいの市区町村窓口や地域包括支援センターに問い合わせて、紹介してもらいましょう。
希望のケアマネジャーの探す方法としては、前以って希望条件を考えておくことです。例えば「認知症ケア専門士がいい」とか「看護師経験者がいい」とか「男性がいい」などをまとめておき、複数の居宅介護支援事業所に問い合わせすることも大切です。

<申し込み>
利用申込者もしくはご家族が居宅介護支援事業所に直接依頼します。

<アセスメント>
ケアマネジャーが利用者の自宅を訪問し、利用者の心身状態や生活環境を把握し、分析します。

<話し合い>
ケアマネジャーと利用者・家族・サービス提供事業者で話し合い、サービス内容の検討を行います。

<ケアプラン>
アセスメントや話し合いを基に、介護サービス(特別養護老人ホームデイサービスグループホームなどの利用施設)やサービス利用頻度を決め、サービス利用の手続きを行います。
ケアプラン作成の流れとしては、まず居宅介護支援事業所と契約を締結することから始まります。その後、担当のケアマネジャーが自宅を訪問し、本人や家族の状況や希望を踏まえてケアプランの原案を作成します。居宅介護支援事業所で開かれるサービス担当者会議で、原案を元に検討した後、ケアプランが決定します。
その後は月に1回以上、ケアマネジャーが自宅を訪問し、利用者の目標設定の状況、利用者の満足度などをヒアリング、評価を行い、ケアプランを必要に応じて修正します。

ケアプランは要介護者本人またはその家族でも作成可能です。その際は介護事業者やサービスの自由度が上がりますが、専門知識がないことなどから、実際に自作している人はほとんどいません。ケアプランはケアマネジャーに依頼するのがベターで一般的と言えるでしょう。

<介護サービス利用>
サービス提供事業所と契約し、ケアプランに基づいたサービスが開始します。

■地域包括支援センターとの違い

高齢者やその家族の相談に乗ってくれる「居宅介護支援事業所」ですが、同じく相談に乗ってくれる場所として「地域包括支援センター」があります。似ている2つですが、その違いはどこにあるのでしょうか。

<地域包括支援センター>
介護の相談窓口として有名であり、高齢者の暮らしを地域でサポートするための拠点となっていますが、実際は介護だけではなく、福祉・医療・健康などの分野から高齢者とその家族を支える機関なのです。
介護予防ケアや権利擁護を主な業務としており、サービス対象者本人とそのご家族、その他近隣住民からの「最近、近所の独り暮らしのおばあちゃんの姿を見ない」や「近所の老夫婦の家がゴミ屋敷になっている」などの相談も受け付けています。
地域包括支援センターには保健師や社会福祉士の他、3年以上のケアマネ経験を持つ主任ケアマネジャーが所属しています。担当業務としては、地域のケアマネジャーの支援や相談の他、地域包括ケアシステムの構築などがあります。

<居宅介護支援事業所> 居宅介護支援事業所の役割は、介護保険サービスと利用者をつなぐことです。提供サービスとしては前述したものをまとめた「居宅介護支援」です。サービス対象者は「要介護(1~5)」の認定者とその家族です。

■居宅介護支援事業所の開業・立ち上げ

開業には事業所を立ち上げる都道府県に介護事業者指定申請を行い、許可を受ける必要があります。

<居宅介護支援事業を開業する要件>

1.法人格の取得
開業には法人格を取得している必要があります。
「株式会社」「合同会社」「NPO法人」「社会福祉法人」「医療法人」などから、いずれかの法人格を取得します。
2.人員基準
<管理者>
常勤の管理者を1名配置します。管理者は介護支援専門員との兼務が可能です。
<介護支援専門員>
常勤の介護支援専門員ケアマネジャー)を事業所ごとに1名配置します。利用者35人またはその端数を増すごとにさらに1名配置します。
※増員の介護支援専門員は非常勤でも可。
3.設備基準
事業所として必要な広さの専用事務室を設置する。
利用者やその家族のプライバシーを確保した構造の相談室を設置する。
担当者会議を行う会議室を設置する。
※相談室と会議室は兼用可能
必要な設備・備品(事務機器・鍵付き書庫など)を設置する。
4.運営基準
<サービス提供内容の説明・同意>
運営規定や苦情処理体制、秘密保持等を記載した文書を利用申込者に交付・説明し、同意を得る必要があります。
<サービス提供拒否の禁止>
正当な理由なく、サービス提供の拒否はできません。
<要介護認定の申請・更新の援助>
要介護認定申請を行っていない利用申込者や、更新が必要な利用者の手続き援助をします。
<受給資格等の確認>
利用申込者の被保険者資格、認定の有無、有効期間を確認します。
<身分証の携行>
介護支援専門員証を携行し、初回訪問時には利用者や家族に提示します。
<利用料の受領>
利用者から利用料を受領します。償還払いの場合の利用料と、介護報酬で算定した額との間に差異がないようにします。
<保険給付の償還請求の証明書の交付>
現物給付とならない利用料支払いを受けた場合は、利用金額等を記載した指定居宅介護支援提供証明書を利用者に交付します。
<法定代理受領サービスにかかわる報告>
市町村・国保連に対し、居宅サービス計画に位置付けられている法定代理受領サービス・ 基準該当居宅サービスに関する情報を文書で報告します。
<居宅サービス計画等の交付>
利用者が他の居宅介護支援事業者の利用を希望する場合や、要介護認定をうけている利用者が要支援認定に変わった場合に、直近の居宅サービス計画等の書類を利用者に交付します。
<利用者の状態を市町村に通知>
利用者が正当な理由なく指示に従わず、要介護状態の程度を悪化させた時や、不正な受給がある時などは市町村に通知します。
<サービス提供困難時の対応>
何らかの理由で適切なサービス提供が困難な場合、他の事業所を紹介するなどの対応をします。
<居宅サービス事業者等からの利益収受の禁止>
事業者・管理者は介護支援専門員に、介護支援専門員は利用者に対して、特定の事業者からサービスを受ける旨の指示をしてはいけません。また、特定事業者のサービスを利用する対償として、当該特定事業者から金品等を受けとってはいけません。
<運営規定の整備>
「事業の目的・運営方針」「職員の職務内容」「指定居宅介護支援の提供方法・内容・利用料・その他の費用」「通常事業の実施地域」「営業日・営業時間」「運営に関する重要事項」などの規定を整備します。
<秘密保持>
プライバシー保護の観点から、利用者の秘密保持が必要です。
<苦情や事故発生時の対応>
利用者や家族の苦情に対して迅速かつ適切に対応し、内容を記録します。

居宅介護支援事業は自宅の一室でも、ケアマネジャー一人でも立ち上げることができ、低予算で開業できるため参入のハードルが低い介護サービスと言えるでしょう。

<居宅介護支援事業者指定申請に必要な書類一覧>

・指定居宅サービス事業者指定申請書
・居宅介護支援事業者の指定にかかる記載事項
・請者(開設者)の定款又は寄付行為の写し
・登記事項証明書(3ヶ月以内のもの)
・欠格事由に該当していない旨の誓約書
・運営規程
・土地・建物の賃貸借契約書等の写し
・従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表
・介護支援専門員証の写し(管理者を含む)
・介護支援専門員一覧
・関係市町村並びに他の保険医療・福祉サービスの提供主体との連携の内容
・事業所の平面図
・建物・事務所内部の写真
・案内図(近隣見取り図)
・組織体制図
・雇用(予定)証明書
・管理者経歴書
・決算書
・財産目録
・損害賠償保険証の写し
・苦情を処理するために講ずる措置の概要
・契約書・重要事項説明書

■よくある質問・相談

ここでは、リジョブにお問い合わせの中から、「居宅介護支援事業所」に関するよくあるご質問・ご相談に回答していきます。

Q1.地図で見ると、自宅の近くに居宅介護支援事業所が複数あります。良い事業所の選び方を教えてください。

A1.実際に電話をして、職員の雰囲気や対応、実際に介護をしている人の評判から検討すると良いでしょう。

Q2.ケアプランってなんですか?

A2.ケアプランとは、「どのようなサービスを、いつ、どれだけ利用するかを決定する計画」のことを言います。介護保険サービスを利用する場合には、介護や支援の必要に応じてケアプランを作成します。

Q3.居宅介護支援事業者と居宅サービス事業者の違いを教えてください。

A3.居宅介護支援事業所では、相談を受けたりケアプランを作成しており、保険・医療・福祉などの幅広い介護の知識を持つケアマネジャーがいます。
居宅サービス事業者は、訪問介護デイサービスなどの居宅サービスを提供する事業者のことを言います。

Q4.居宅介護支援事業所の一覧はありますか?

A4.厚生労働省のホームページから、事業所情報の検索が可能です。
http://www.kaigokensaku.jp/

Q5.居宅介護支援事業所を開業するのに必要な資格はありますか。

A5.事業主には特に資格は必要ありません。但し、その場合は介護支援専門員を雇用する必要があり、その人が管理者になります。事業主が介護支援専門員の資格を所持している場合は管理者として働くことができるので、別途介護支援専門員を雇用する必要はありません。

■まとめ

居宅介護支援事業所で働くケアマネジャーは、要介護者にとって最初にかかわる介護のプロフェッショナルです。そのため、要介護者や家族はケアマネジャーを大変頼りにしています。居宅介護支援事業所では、責任感が強く利用者をしっかりサポートできる人が求められます。

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