事故や病気のために障害のある方、先天性の疾患により障害を持つ方、日本には様々な理由で身体や精神に障がいを持つ方がたくさんいらっしゃいます。障がい者支援施設とはそういった障害を持つ方々のうち、常時介護を必要とする18歳以上の障がい者を受け入れる生活施設なのです。
障がい者支援施設では、利用者(入居者)が自立した自分らしい日常生活と社会経済活動への参加を促進するため、治療や生活介護・生活訓練・養護などのサービスを提供しています。 具体的には、食事や入浴などの生活介助、起床や更衣などの訓練、体操や歩行訓練などの機能回復訓練などがそうです。
障害者が通う、または住む施設は大きく4つに分けられます。
<障害者更生施設>
障害の状態に応じて、リハビリや訓練、治療などのサービスが受けられます。
社会生活に適応できるように訓練し、日常生活に支障がないように生活習慣を身につけることを目的とした施設です。
<障害者授産施設>
一般企業で働くことが困難な障害者のために、施設内で授産活動を行います。施設内で仕事を行うことにより、働く意欲と技術を身につけ、地域生活とのパイプ役となる施設です。
施設に住む“入所施設”と、決められた日に通う“通所施設”があります。障害者が家族と一緒に暮らしている場合、介護をしている家族が病気や怪我などの理由で介護ができなくなった時に、一時的に施設を利用できる“短期入所(ショートステイ)”があります。
<生活施設>
24時間介護を必要とする身体障害者が介護や治療、リハビリなどのサービスを受けられる施設です。また、自宅では日常生活が困難な障害者が一人暮らしに向けて訓練や勉強に取り組みをする施設もあります。
<地域利用施設>
補装具製作施設、視聴覚障害者情報提供施設、知的障害者福祉ホームなどがあり、障害者の居住地に近い地域で、デイケアやレクリエーション、文化的活動などを行う施設の総称です。体育館や温水プールがある施設もあります。
ここでは4種類に分けて説明しましたが、この中でも障害の種類や障害の重さによっても、細かく分かれています。また、通所や入所によっても分かれているため、最近の施設はどんどん多様化していると言えます。
障害者施設には若い世代から高齢者まで(18歳以上のため子供はいません)、幅広い年齢層の方が入居しています。また、障害の種類や重さなど、様々な人が利用しているので、仕事内容を簡単に説明することはできません。
実際に求職活動をする際には、求人ページの仕事内容欄をしっかり読んで把握しましょう。
ここでは、一般的な入居系の障がい者施設で働く人と入居者の一日の流れをご紹介します。
時刻 | 入居者 | 職員 |
---|---|---|
6:30 | 起床・更衣・洗面 | 起床介助や整容介助 |
7:00 | 入居者の状態に合わせて調理・配膳 | |
7:30 | 朝食 | 食事介助 |
8:00 | 口腔ケア | 口腔ケア |
8:30 | ラジオ体操 | 一緒にラジオ体操 |
9:00 | 休憩 | 申し送り・課題、スケジュール確認など |
9:30 | 検温・バイタルチェック 入浴(午前)・リハビリ |
検温・バイタルチェック・入浴介助・クリーニング業務・リハビリなど |
11:00 | 受診・排泄 | 医師の回診、排泄介助・食事準備・配膳 |
12:00 | 昼食 | 食事介助 |
13:30 | 入浴(午後)・クラブ活動 | 入浴介助・レクリエーション |
15:00 | おやつ・水分補給 | |
16:00 | 休憩 | 申し送り・次の日の準備 |
17:00 | お喋り・ゲームなど | 食事準備・配膳 |
18:00 | 夕食 | 食事介助 |
19:00 | 就寝準備・更衣・洗面 | 整容介助・就寝介助 翌日の準備など |
21:00 | 就寝 | 利用者の就寝後はデスクワークや活動計画など。一時間おきに巡視、必要に応じて排泄介助や体位変換など |
その他、場合によっては、担当相談員が利用者やその家族の相談を受けたり、浴室やトイレの掃除のような雑務もあります。
障害者支援施設の人員配置基準は施設の種類や定員、サービス内容によって異なります。
<1.生活介護>配置基準 | |
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施設長 | 1人 |
医師 | 日常生活上の健康管理及び療養上の指導を行うために必要な人数 |
看護職員 | 生活介護の単位ごとに1人以上 |
理学療法士又は作業療法士 | 日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う場合、生活介護の単位ごとに、当該訓練を行うために必要な数 |
生活支援員 | 生活介護の単位ごとに1人以上(うち1人以上は常勤) |
※看護職員、理学療法士又は作業療法士及び生活支援員の総数は、生活介護の単位ごとに常勤換算で、①から③までに掲げる平均障害程度区分に応じ、それぞれ①から③までに掲げる数 ①平均障害程度区分が4未満:利用者数を6で除した数以上 ②平均障害程度区分が4以上5未満:利用者数を5で除した数以上 ③平均障害程度区分が5以上:利用者数を3で除した数以上 |
|
サービス管理責任者 | 利用者数が60人以下:1人以上 利用者数が61人以上:利用者数が60人を超えて40又はその端数を増すごとに1人を加えて得た数以上(うち1人以上は常勤) |
配置基準 | |
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施設長 | 1人 |
看護職員 | 1人以上(うち1人以上は常勤) |
理学療法士又は作業療法士 | 1人以上 |
生活支援員 | 1人以上(うち1人以上は常勤) |
※看護職員、理学療法士又は作業療法士及び生活支援員の総数は、常勤換算で、利用者数を6で除した数以上 | |
サービス管理責任者 | 利用者数が60人以下:1人以上 利用者数が61人以上:利用者数が60人を超えて40又はその端数を増すごとに1人を加えて得た数以上(うち1人以上は常勤) |
※訪問によるサービスの提供の場合は、上記に加えて、訪問によるサービスを提供する生活支援員を1人以上置く |
配置基準 | |
---|---|
施設長 | 1人 |
生活支援員 | 常勤換算で、利用者数を6で除した数(うち1人以上は常勤) |
サービス管理責任者 | 利用者数が60人以下:1人以上 利用者数が61人以上:利用者数が60人を超えて40又はその端数を増すごとに1人を加えて得た数以上(うち1人以上は常勤) |
※健康上の管理等の必要がある利用者がいるために看護職員を置く場合、生活支援員及び看護職員の総数は、常勤換算で利用者数を6で除した数以上、生活支援員及び看護職員の数は、それぞれ1人以上置く ※訪問によるサービスの提供の場合は、上記に加えて、訪問によるサービスを提供する生活支援員を1人以上置く |
配置基準 | |
---|---|
施設長 | 1人 |
職業指導員 | 1人以上 |
生活支援員 | 1人以上 |
※職業指導員及び生活支援員の総数は、常勤換算で、利用者数を6で除した数以上(いずれか1人以上は常勤) | |
就労支援員 | 常勤換算で、利用者数を15で除した数以上(うち1人以上は常勤) |
サービス管理責任者 | 利用者数が60人以下:1人以上 利用者数が61人以上:利用者数が60人を超えて40又はその端数を増すごとに1人を加えて得た数以上(うち1人以上は常勤) |
配置基準 | |
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職業指導員 | 1人以上 |
生活支援員 | 1人以上 |
※職業指導員及び生活支援員の総数は、常勤換算で、利用者数を10で除した数以上(いずれか1人以上は常勤) | |
サービス管理責任者 | 利用者数が60人以下:1人以上 利用者数が61人以上:利用者数が60人を超えて40又はその端数を増すごとに1人を加えて得た数以上(うち1人以上は常勤) |
配置基準 | |
---|---|
施設長 | 1人 |
職業指導員 | 1人以上 |
生活支援員 | 1人以上 |
※職業指導員及び生活支援員の総数は、常勤換算で、利用者数を10で除した数以上 | |
サービス管理責任者 | 利用者数が60人以下:1人以上 利用者数が61人以上:利用者数が60人を超えて40又はその端数を増すごとに1人を加えて得た数以上(うち1人以上は常勤) |
配置基準 | |
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施設長 | 1人 |
生活支援員 | 利用者数が60人以下:1人以上 利用者数が61人以上:利用者数が60人を超えて40又はその端数を増すごとに1人を加えて得た数以上 ※自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援又は就労継続支援B型等のみの提供にあっては、宿直勤務を行う生活支援員を1人以上 |
サービス管理責任者 | 当該施設において、昼間実施サービスを行う場合に配置されるサービス管理責任者が兼ねる |
配置基準 | |
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施設長 | 1人 |
サービス毎に 常勤の配置が 義務付けられ ている従業者 | 昼間実施サービスの利用定員の合計が 20人未満である場合、1人以上は常勤 |
サービス管理責任者 | 利用者数の合計が60人以下:1人以上(うち1人以上は常勤) 利用者数の合計が61人以上:利用者数が60人を超えて40又はその端数を増すごとに1人を加えて得た数以上(うち1人以上は常勤) |
ここでは、リジョブに寄せられるご意見の中から、障害者支援施設関連のよくあるご質問・ご相談について回答していきます。
Q1.障害者支援施設の利用に介護保険は適用できるのですか?
障害者支援施設は18歳から高齢者まで、幅広い年齢の障害者が利用しますが、介護という観点から見ると仕事内容は高齢者施設と大きな違いはありません。
しかし、最近まで健常者として生活していた人が、急に障害者になってしまうこともあります。そういった方は、しっかり行動できていた自分を鮮明に覚えているため、自身に大きな不安や葛藤を抱えていると言えます。職員はそういった方の意思に寄り添って、気持ちを理解した上で支援していく必要があります。
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