他人事じゃない！　今こそ知っておきたい「介護　2025年問題」

名前はニュース等で耳にしたことはあるけど、ほとんど知らない「2025年問題」。実は介護業界だけではなく、日本全土を巻き込む大きな問題なのです。

一般の方には「2025年問題」の認知度は低いと思いますが、介護従事者ではどうでしょう。リジョブでは介護従事者に対して「2025年問題をご存知ですか？」というアンケートを実施しましたので、その結果をご覧ください。

介護従事者でも、３分の１が知らないという「2025年問題」。介護従事者はもちろん、一般の方にもわかりやすく説明して参りますので、一緒に内容を確認していきましょう。

第二次世界大戦後のベビーブームに生まれた団塊の世代（1947～1949年生まれ）は、約800万人いると言われています。今年2015年（平成27年）、これまで日本の経済成長を支えて来たその団塊の世代は、前期高齢者（65～74歳）になります。これは「2015年問題」と言われ、日本の４人に１人が高齢者（65歳以上）になると言われています。
そして2025年（平成37年）には、この団塊の世代が後期高齢者（75歳以上）になります。厚生労働省 の報告書によると、2025年には高齢者人口は3,500万人、後期高齢者人口は2,000万人以上になると推計されています。
2005年以降、日本の総人口は減少し、高齢者の人口は増え続け、2025年には人口の約30%が高齢者、約17%が75歳以上の超高齢化社会になると言われています。これが「2025年問題」です。

しかし、この超高齢化社会の何が問題なのでしょうか。次項からは、超高齢化社会の問題点を見ていきましょう。

これまで日本を支えて来た約800万人の「団塊の世代」が、今度は給付を受ける側に回ります。それにより、医療・介護・福祉サービスの需要が高まり、社会保障の財政バランスが崩れることが懸念されています。
15～64歳までの人口を生産年齢人口と言います。1965年は高齢者（65歳以上）1人を、生産年齢人口9.1人で支えていました。それが、超高齢化社会の2025年には高齢者1人に対して生産年齢人口2.0人、2050年には高齢者1人を生産年齢人口たった1人で支えなくてはなりません。

低い出生率と他に類を見ないスピードの高齢化により、年金などの厳しい社会保障費負担の社会が予想されているのです。

2025年以降の大きな問題が介護問題です。2025年には要介護者・要支援者が755万人になると言われています。その755万人に介護・支援をするのに介護職員が249万人必要であるとされています。それに対して、2012年の段階での介護職員数は149万人です（※2015年の推計値は170万人ほど）。
2000年時点での介護職員数は55万人しかおらず、介護保険制度導入以降、介護職員数は順調に増えてきました。しかし、介護業界の離職率の高さもあり、10年間で80万人の介護職員を増やすことはかなり厳しいのです。
そのため、今後は外国人やロボットの助けが必要となるでしょう。現在もいろんな介護ロボットの開発が予定されています。また、外国人に関しては実際、多くの東南アジア介護職員が現場で働いています。

単純に介護職員を増やす、給付金額を削減し、負担を増やす、それらは表面的な解決にすぎません。抜本的な改革がこの数年の日本の大きな課題と言えるでしょう。