いっぽう、働きながら介護をしている方はどのくらいいるのでしょうか。平成24年就業構造基本調査(総務省統計局)によると、有業者総数64,420千人に対し、働く介護者は2,910千人で4.5%です。最も多いのが55歳から59歳の働く介護者でその割合は10.1%です。つまり10人にひとりは働く介護者であることがわかります。この年代は、社内では課長や部長クラスの重要役職を任されることが多いと予想されるため、その人たちが辞めるということは、会社としても経営に直結した問題になる可能性があります。
育児・介護休業法の制定により、社員の介護休暇や残業の制限が法的に認められてはいますが、制度の存在自体を知らない人が多く、企業においては、まず制度の周知徹底が課題と言えるかもしれません。
更に、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社平成24年度厚生労働省委託調査「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」によると、介護離職をしてしまうと、肉体的、精神的、経済的な負担が増えることが報告されています。
このような「介護離職」を少しでも減らすために、
厚生労働省では育児・介護休業法に定められた介護休業制度等の周知徹底を図り、企業及び労働者の課題を把握し「事例集」を作成するなどをして、介護を行っている労働者の継続就業を促進しています。
私たちも国の政策に頼るだけではなく、何かできることをしなくてはなりません。この記事を読んでいただくことにより少しでも多くの人に、このような現状と育児介護休業法が周知されることを期待しています。