信頼されるサービスを提供し、喜んでもらえることが嬉しい 介護リレーインタビュー Vol.16【サービス提供責任者 大貫貴子さん】#2
介護業界に携わる皆様のインタビューを通して、介護業界の魅力、多様な働き方を紹介する本連載。前回に続き、訪問介護サービスを提供している「エルケア 八千代ケアセンター」のサービス提供責任者・大貫貴子さんにインタビュー。
前編では、介護業界に進んだきっかけや、サービス提供責任者の業務内容とお仕事のやりがいについて伺いました。
後編では、介護のお仕事の楽しさと大変さ、そして大貫さんのリフレッシュ方法と今後の目標などをお聞きします。
《プロフィール》
エルケア 八千代ケアセンター 大貫貴子さん…高校卒業後、販売や接客の仕事を経て、30歳から介護業界へ。サービス付き高齢者専用住宅、小規模多機能デイサービス、有料老人ホームにて、介護福祉士としてヘルパー業務を担当。2年4カ月前よりエルケアにサービス提供責任者として勤務。
お客様との日々の会話が、新しい発見と勉強になります
―お仕事のなかで楽しいと思うことを教えてください。
お客様との会話が楽しいです。高齢者の方も多く、自分が経験できないことを経験されているんです。戦争のことやお仕事のこと、主婦の方なら昔の家事の仕方だったり…。そういうことを聞けるのは楽しいですよね。
―お客様とコミュニケーションを取る時に気をつけていることはありますか?
今はコロナ禍でマスクをしていないといけないので、会話をする時は声のトーンに気をつけたり、目に表情が出るようにしたり、以前よりオーバーリアクションでコミュニケーションを取るようにしています。
またコロナ以前は、お客様に「触れる」ということを大事にしていました。仕事上、排せつや入浴介助など、見られたくない部分を見せていただくことになります。少しでも安心していただけるように、業務に入る前には握手などで一度体に触れておくようにしていました。
―コミュニケーションは、介護のお仕事では大切ですよね。他にも必要な素質などはありますか?
販売や営業をしてきた方など、人と話すのが好きな方は向いていると思います。明るくて聞き上手で、臨機応変に対応できる方に入っていただけると嬉しいですね。
一番大事なのは、「気づき」です。お客様の体調の変化に気づくのはもちろん、気持ち的な浮き沈み、髪を切った、洋服の雰囲気が変わったなど、細かいところまで気づいてあげられるかはとても大切だと思います。「自分のことを見てくれているんだな」と思っていただけるとケアもしやすくなります。
大変なことはあっても、相談できる職場環境があれば大丈夫
―お仕事で大変だなと感じることはありますか?
考えてみたんですけど、あんまりないんです(笑)。エルケアはサービス提供責任者が5人いるので、困ったことがあってもすぐに相談できる環境なんです。だから、そんなに苦に感じることが少ないんだと思います。
あえて言うなら、コロナ禍ということもあり、予防や対策は大変です。とくに、お客様やご家族にも対策をお願いしないといけないので、そこは難しいところですね。
訪問中はご家族含めマスク着用をお願いしたり、発熱した場合はサービスの提供ができないことをご理解いただいたりと、お声がけや文書を出してお伝えしています。
あとは単純に、マスクをしたままの入浴介助は暑くて大変ですね(笑)。
―相談できる環境というのは、すごくいいですね!
エルケアは風通しがいいんです。相談すると、忙しくてもすぐに手を止めて話を聞いてくれて、言ったことはすぐに反映してくれる。理解してくれるスタッフが多いんです。
だからヘルパーさんの定着率もすごくいいんですよ。介護業界は人の入れ替わりが激しいところがありますが、その中でエルケアはベテランさんも多く、長く働かれている方が多いです。
娘や友人とのやり取りがストレス解消になります
―休日はどんな風に過ごしていますか?
今までは旅行や外出が好きだったんですが、なかなかそれも難しいですね。最近は娘と公園に行ったり、映画鑑賞や読書など家で過ごす方法を工夫して楽しんでいます。
―ストレス解消法は?
肉体的には、以前はスーパー銭湯とかに行っていました。最近はそれも難しいので、娘にマッサージしてもらったりしています。
気持ち的にしんどいなっていう時は、友達と話すのがストレス解消になります。会うのは難しいので、LINEやメールで連絡をとって話すことが多いですね。やっぱり会話をすると元気になれるんです。
小さいことからコツコツと信頼を築き上げ、選ばれる事業所に
―今後の課題や目標を教えてください。
「エルケア 八千代ケアセンター」がこの地域で一番いいねと、ケアマネさんやお客様から言ってもらえるような事業所になれたらと思っています。
そのためには、小さいことからコツコツと信頼関係を積み重ねていくことが大切だと思います。まずは1人のお客様に対しての精いっぱいのケアを続けること。そうしてどんどん信頼を築けていけたらと思います。
―最後に、介護のお仕事に興味を持っている方に向けて、一言お願いします。
介護の仕事は、日々発見や勉強になることがあって面白いです。そして、手助けができていることをダイレクトに感じられるのも、この仕事を続けたくなる魅力だと思います。
私の知る範囲では、施設や働き方を辞めても、別の形態で介護の仕事を続ける人が多いんです。介護業界は受け口が広いので、自分に合った働き方、取り組み方が見つかるんじゃないかと思います。だから、誰でも一度は経験してみて欲しいですね。
訪問介護サービスのお仕事、ここが魅力!
1. 1人に対して寄り添ったケアができる
2. お客様との会話で知識が広がる!
3.「また来てね」と言ってもらえると嬉しい
訪問ヘルパーとして、お客様に寄り添ったケアを心がけているという大貫さん。明るく優しい会話から、ヘルパーさんの定着率がいいという「エルケア 八千代ケアセンター」の魅力が伝わりました。
また取材日も、ヘルパーさんが何やら相談に来ている様子で、大貫さんが「風通しがいい」と語ってくださった事業所の雰囲気を感じることができました。介護のお仕事を目指す方は、職場選びも大切です。ぜひ参考にしてみてください。
▽前編はこちら▽
訪問介護の魅力は、1人に寄り添ったケアができること 介護リレーインタビュー Vol.16【サービス提供責任者 大貫貴子さん】#1>>
取材・文/山本二季
撮影/柴田大地(fort)