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特集・コラム 2021-09-09

デイサービスの送迎ドライバーになるには?|仕事内容と押さえておきたい注意点を紹介

デイサービスの送迎ドライバーは、直接利用者の介護をおこなう職種ではありません。しかし、利用者を安全に運び、自宅と事業所間を送迎するという重要な役割を担っています。

送迎ドライバーとして求められる専門的な資格はどのようなものがあるか、また実際の送迎時における注意点やコツをおさらいしておきましょう。今回は、デイサービス事業所の送迎ドライバーについてご紹介します。

デイサービスの送迎ドライバーになるにはどんな資格が必要?

デイサービス事業所の送迎ドライバーに必須の資格は運転免許だけなので、比較的多くの人がチャレンジしやすい職種といえます。一方、介護事業所に従事するスタッフのひとりという点では、介護の資格も取得することで活躍するチャンスが増えることも期待できるでしょう。

ここでは、どんな種類の運転免許をもつ必要があるのか、送迎ドライバーの仕事に役立つ資格について解説します。

運転免許はどこまで必要?|普通自動車一種免許

デイサービス事業所の送迎ドライバーは、もちろん大前提として自動車の運転免許が必要ですが、職業ドライバーに必須の二種免許などは必要ありません。使用する送迎車の定員が10人までであれば、ほとんどの人が持っている普通自動車一種免許でじゅうぶんです。

一方、11人以上が乗車定員のマイクロバスを使う場合は中型免許を取得しなければならず、運転する車種に対応する運転免許が必要になります。

介護に関する資格は必要?|乗降の介助に対応するには

デイサービスの送迎自体には、運転免許だけ保有していれば大丈夫ですが、送迎には利用者の乗り降りを介助しなければならない場面が多々あります。そんなときに介護関連の資格を保有すれば、デイサービスの送迎ドライバーとして活躍できる機会が増えるので、できれば資格を取得しておきたいところです。

介護職員初任者研修は「研修」という名称ですが、介護職員になるためのファーストステップ的な資格のひとつでもあります。この研修は気軽に受講・資格取得ができますが、その内容を確認しておきましょう。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、かつてホームヘルパー2級とよばれていたもので、介護に携わる職員の基本となる資格です。

カリキュラムは自宅学習とスクーリングによる学習が組み合わされており、研修を受講し修了試験に合格することで資格を取得できます。試験に落ちても再試験が受けられるため、比較的資格取得のハードルが低いといえるでしょう。

送迎ドライバーの仕事内容と注意点を紹介!

送迎をはじめとした職業ドライバーだけでなく、あらゆるドライバーに求められるのが安全運転・事故を起こさないことです。また、要介護状態の利用者を送迎するという仕事ならではの注意点もあります。ここでは、送迎ドライバーの仕事内容と注意点について確認しておきましょう。

1. 送迎用車両を安全に運転する

送迎ドライバー最大の役割は、利用者を安全に運び、利用者宅と事業所間を送迎することです。安全運転を心がけるという点は一般ドライバーと変わりませんが、自分だけでなく利用者の命も預かっているという自覚が求められます。交通法規にしたがい、安全運転をするのは当然のこととして、要介護状態の利用者に不安を与えないよう気をつける必要があるのです。

また、デイサービスの送迎では、急ブレーキ・急発進をしないなど、乗車している利用者の身体が不安定にならないよう、とくに注意しなければなりません。安全運転について高い意識をもち、送迎する必要があります。そうした意味では、送迎ドライバーには運転技術の高さよりも、利用者に対する思いやりが求められるといえるでしょう。

2. 利用者さん宅のルートやスケジュールを確認する

利用者の送迎は、1回の走行で複数の利用者宅を訪問します。デイサービスは利用時間が決まっているため、できるだけスムーズに送迎するため自宅までのルートや利用者のスケジュールを確認しておきましょう。

また、送迎時は極力利用者宅の近くまで行くことになりますが、その際近隣住民の迷惑にならないように駐停車する配慮も求められます。

3. 利用者さんの乗降の介助|車椅子の注意点

要介護状態にある利用者のなかには、自力で歩行することが困難なため車椅子を使用する人もいます。その際は乗降時の介助もおこなうことになりますが、シートに座る利用者以上に気を配らなければなりません。

車椅子のまま乗車する場合は、スロープやリフトで乗降させることになります。その際、誤って車椅子が転げ落ちることがないよう注意しましょう。また、車椅子を備え付けのフックで固定する際は、固定後の安全確認も怠らないように気をつける必要があります。シートに座る利用者に対しても、正しくシートベルトをかけるなど、走行時の揺れで不安定にならないような対策が求められるでしょう。

4. 利用者さんや家族とのコミュニケーション

デイサービスの送迎ドライバーは、利用者が安全に乗車できているかを随時確認しなければなりません。また、車内では、口論など利用者同士のトラブルが起こらないように配慮する必要もあります。

送迎時の役割としては、挨拶の際利用者の家族と情報を共有することも含まれているのが特徴です。迎えのときは自宅での体調を確認したり、送り届ける際には利用時の状況を伝えたりしながら、家族とコミュニケーションを図りましょう。また、歩行が困難な利用者については、必要に応じて居宅内介助をおこなう場合もあります。

5. 車両の維持・点検

送迎車を運行させる前にはその責任者として、良好な車両コンディションをつねに保っておかなければなりません。

・ガソリン量の確認・給油
・空気圧をはじめとしたタイヤのチェック
・ウィンカーやブレーキランプなどの点灯確認
・ブレーキチェック
・ボディ状態のチェック
・車内の清掃

これらは、いずれもドライバーとして基本的な事項です。利用者を送迎する車両という点に注意し、より慎重なコンディションチェックが求められます。

6. 緊急時の対応や連絡

デイサービスは、要介護状態にある人が利用できるサービスです。そのため、送迎中に緊急事態が発生した際は、迅速かつ確実な対応が求められます。基本的にはデイサービス事業所に連絡することになりますが、利用者の家族や救急車、場合によっては警察への通報が必要になることもあるでしょう。

関係者がかけつけるまでの間、応急処置を施さなければならないこともあるため、いざというときに慌てないよう、日頃からシミュレーションをしておく必要があります。

運転前には自分の状態もチェックしよう!

近隣地域の送迎だからと油断していると、運転中に病気の発作で意識を失うことも、まれにみられます。自身だけでなく送迎する利用者をも危険にさらすことになるので、ふだんの体調管理や運行前の体調チェックは必ずおこないましょう。

もちろん運転手として、免許証は当然携帯しなければなりません。これらは利用者を送迎する以前に、ドライバーとしての注意点といえます。

送迎ドライバーは利用者さんの安全な移動をサポートする重要な仕事!

デイサービスの送迎ドライバーになるには運転免許以外特別な資格は必要ありませんが、人を相手にする仕事であるという高い意識や他人を思いやる心が必要です。また、介護職員初任者研修を修了していれば乗降時の介護にも対応できるため、業務の幅が広がり事業所からも重宝されます。

なお、介護に関するさまざまな知識は、ドライバーになってからでも得ることができます。介護や高齢者福祉に興味がある人は、デイサービス事業所の送迎ドライバーを目指してみてはいかがでしょうか。

参考元:
グーネット 10人乗りのクルマは普通免許でも運転できる?

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