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介護・看護・リハビリ 2021-09-09

手指・腕の運動、協調運動にぴったり! カラーボールを使ったゲーム2【介護レクリエーションvol.33】

現場で役立つレクリエーションのアイディアをご紹介する「介護レクリエーション」。

今回は、カラーボールを使って遊ぶゲームレクリエーションを、中級レクリエーション・インストラクターの大野孝徳さんに教えていただきます。

「今回は『転がし玉入れ』と『後ろ向き玉入れ』というレクリエーションをご紹介します。『転がし玉入れ』は、自分のチームカラーのフラフープの中にカラーボールを転がし入れるゲーム。ボールを握る・投げる動作が必要になります」(大野さん)

では『後ろ向き玉入れ』は?

「『後ろ向き玉入れ』は、背後に設置された箱に向かってカラーボールを投げ入れるゲーム。ボールを握る・投げる動作とともに、周囲のアドバイスからの予測力が必要になります」(大野さん)

それでは『転がし玉入れ』と『後ろ向き玉入れ』を行うことによって期待できる身体面と精神面の効果とは?

「どちらも手指・腕の運動に加え、協調運動の効果が期待できます。また、認知力の向上、達成感を得る、他者との交流、競争心を養うといった精神面の効果も期待できるゲームです」(大野さん)

それでは早速、『転がし玉入れ』と『後ろ向き玉入れ』の遊び方をご紹介。

転がし玉入れ

【対象者】ボールを握れる方
【レクの目的】手指・腕・協調運動、認知力の向上、達成感が得られる、競争心を養う
【人数】6人程度〜
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】カラーボール3個×参加人数分(チームごとに色を分ける)、色の異なるフラフープ(カラーボールと色を揃えると◎)、参加者が使用する椅子など
※カラーボールの用意がない場合は、新聞紙を丸めたボール、お手玉などでも代用可能。また、フラフープの用意がない場合は、カラービニールひもを使ってもOK。
【制限時間】5分〜
【レクリエーションの内容】自分のチームカラーのフラフープの中にカラーボールを転がし入れるゲームです。ボールをフラフープの中にうまく留めるためには、距離感と転がすときの絶妙な力加減がカギになります。

遊び方

1. 参加者を同じ人数になるように2チームに分け、両チームの人が交互になるように輪になって座ります。スタッフは輪の中央にフラフープを2つ置き、参加者にカラーボールを3個ずつ配ります(チームごとにボールの色を変えましょう)。ゲームをスタートする前に、どちらのチームがどのフラフープに向かってカラーボールを転がせばよいかを参加者に説明しておきしょう。
2. スタッフの「よーいドン」の合図が聞こえたら、参加者は自分のチームのフラフープに向かってカラーボールを転がします。
※誤って相手チームのフラフープにカラーボールが入ってしまった場合は、相手チームの得点になります。
3. 参加者全員がすべてのカラーボールを転がし終えたら、ゲーム終了です。フラフープの中のカラーボールを数え、より多かったチームの勝ちになります。

進め方のコツ

・フラフープを1つにしてゲームを進めてもOK。その場合は、先攻チームと後攻チームを決め、交互に自分のチームカラーのカラーボールを転がします(あえて相手チームのカラーボールを狙ってボールを転がし、相手チームのボールをフラフープの外に出してもOK)。参加者全員がカラーボールを転がし終えたら、スタッフはフラフープの中のボールを色別に数えます。先攻チームが不利にならないよう、先攻と後攻を入れ替えて2回戦を行い、1回戦と2回戦の結果をチームごとに足し、より多くフラフープの中にカラーボールを入れることができたチームの勝ちになります。

後ろ向き玉入れ

【対象者】肩・肘の関節可動域が広い方
【レクの目的】手指・腕・協調運動、認知力の向上、達成感が得られる、他者との交流
【人数】2人以上なら何人でも
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】2種類の色のカラーボール各5個、ふたを切り取った縦50cm×幅100cm×高さ50cm程度のダンボール箱2箱、参加者が使用する椅子、記録用のホワイトボードなど
【制限時間】5分〜
【レクリエーションの内容】ダンボール箱に背を向け、見えない箱に向かってカラーボールを投げ入れるゲームです。ボールをうまく箱に入れるためには、コントロール力と、他の参加者やスタッフのアドバイスがカギになります。チーム一丸となって勝利を目指すことで参加者同士の交流も深められます!

レクを始める前の準備

・後ろにボールを投げる動作は経験のない人が多いので、参加者に予め何度か練習してもらいましょう。

遊び方

1. 参加者を同じ人数になるように2チームに分け、各チーム1人ずつ前に出て平行線上に座ります。スタッフは参加者から1〜1.5m程離れた位置にダンボール箱を配置し、カラーボールを5個ずつ渡します。
※箱の位置が近いor 遠い場合は、参加者がボールを入れやすい位置に調整してOKです。
2. スタッフの「よーいドン」の合図が聞こえたら、前に出ている参加者2名は「投げます」と言って周囲に注意をうながしてから、背後のダンボール箱に向かってカラーボールを投げます。他の参加者は、同じチームの参加者に「もっと右!」「もう少し手前に!」など、アドバイスを送ってあげましょう。
3. すべてのボールを投げ終えたらゲームを終了します。ダンボール箱に入ったカラーボールを数え、より多かった人の勝ちとなります。スタッフは勝敗をホワイトボードなどに記録しておきます。
4. 2番目以降の人も同様に対戦し、参加者全員の対戦が終わった時点で勝ち星の多かったチームの勝ちになります。

進め方のコツ

・カラーボールの代わりにお手玉を使ってもOK。飛距離が伸びるため、力のない人やうまく投げられない人もゲームを楽しむことができます。

・ダンボール箱の周りに新聞紙やレジャーシートを敷き、箱に入った場合は10点、新聞紙やレジャーシートにのった場合は5点といったように得点を配分するアレンジを加えてもOK。点数が取りやすくなり、よりゲームが盛り上がります。

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「今回ご紹介したレクリエーションは『できた!』『入った!』といった達成感を得られやすく、参加者への自信にもつながります」と、大野さん。参加者のレベルや状況に合わせてアレンジを加えながら、是非実践してみてください。

イラスト:SMILES FACTORY
文:小沼奈央(レ・キャトル)

教えてくれたのは…

大野 孝徳さん

合同会社A-assist代表、介護福祉士、介護予防指導士、中級レクリエーション・インストラクター。学生時代は子ども会集団指導者講師として岐阜県内でレクリエーション指導に従事。そこでの経験が評価され、介護業界に入職。介護職・相談員・管理職、在宅・施設両面での介護業務と、介護現場において幅広く活躍。2016年に独立し、A-assistを設立。訪問型介護予防体操教室やレクリエーションサポート活動を展開。現在も現場に入り介護福祉士として従事する傍ら、「え~(良い)アシスト」を提供するべく全国を対象に事業を展開している。

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