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学び・キャリア 2020-04-29

楽しく働ける職場にして、世間のイメージを少しずつ変えたい 介護リレーインタビューVol.4【介護福祉士 梶原大和さん】#2

介護業界の一大任務を担う施設で働く介護士。今回は、介護老人保健施設「プラチナ・ヴィラ 小平」で働く主任介護士の梶原大和さんにお話を伺いました。梶原さんは、利用者様ファーストな仕事ぶりが評価され20代という若さで主任に抜擢されたのだとか。

前編では、介護士の仕事内容や利用者様への熱い向き合い方をお聞きしました。この後編では、ご自身の経験をふまえた上で、主任としての部下との向き合い方にフォーカスしてお話ししてくださいました。実は苦労話もお聞きするはずが…「全然ない!」と言い切られてしまいました。

《プロフィール》

梶原大和さん(29歳)…高校で福祉科を専攻し、福祉系の短期大学で介護福祉士の資格を取得。新卒で入社した他社施設を退職後、プラチナ・ヴィラ 小平に入社。2・3年務めたのちに、勉強のため一度他社施設に移ったが、主任としてプラチナ・ヴィラ 小平に復帰。

介護の仕事の大変なところ

介護の仕事に大変さは感じていない

――正直なところ、介護の仕事を辞めたいと思われたことはありませんでしたか?

介護の仕事や利用者様と関わること自体が嫌になったことはありません。新卒で入った施設を早く辞めてしまったのは、実は職場環境があまり良くなかったからなんです。例えるなら医者が医者として働いていないというか…。「何でもっと利用者のことを見てくれないの?」と思うことがよくあり、それで辞めたんです。

――介護業界に対するイメージと現実にギャップはありましたか?

ありました! まだ座学だけをしていた頃はもう少しきれいな世界だと思っていました。単純にシニアの方とお話ししていればいいんだなという程度の認識でしたが、実際はそういうわけにもいかず。でも、「自分が美化しすぎいてただけだな」とわりと早い段階で割りきれましたけどね。「人生の最後をお手伝いするってそういうことだよな」と合点がいったんです。

――適応力が高いですね…! ちなみに、相手がいる仕事だからこそ、自分の思うように動けなかったり、利用者様に合わせることが難しかったりすることも多いのではないですか?

介護の仕事が世間であまりポジティブに広まらないのは、きっとそういうイメージがあるからでしょうね。でも、自分の思い通りに動かそうと思っていること自体違うと思うんです。利用者様が思うように体を動かしたり喋ったり出来ないのは当然だという考えでいれば何もイライラすることはありません。ご本人がそうなりたくてなっているわけではありませんから。私だって利用者様の立場だったら、自分に対してイライラしているスタッフがいれば「何言ってんだ」ってなりますもん。

――そういう風に考えられるようになったのはこの仕事に就いたときからですか?

そうです。そもそもこの仕事は好きだからはじめたので。

――では梶原さんは、今の仕事を大変だとはあまり感じてらっしゃらないですか?

介護の仕事でいうなら全然何でもないです(笑)。でも、主任という立場で考えると、この施設には色々なスタッフが働いているので、全員に同じ方向を向かせて同じことをさせるのは難しいと思っています。とくに中途入社組は前職での経験やこことは違うやり方を持っていますから、そういう職員をまとめるのはちょっと大変ですね。

主任としての部下との向き合い方

職員同士のトラブルを聞いたら即介入

――職員とのコミュニケーションで気を付けていることはありますか?

如何せんこの業界は年齢は関係なく、実際、私より年上の部下がたくさんいます。やはり、年上の職員への接し方は気を付けていますね。おそらく、私より介護経験が長い方からは「この若造が」って心の中で思われていることもあると思うんです。だから、何か頼みたいことがあれば、丁寧にお願いすることなどを心がけています。あとは、アドバイスいただく気持ちで相談などをするとスムーズに事が進むんです。逆にそこを無視するとベテランの方々は怖いですね…(笑)。

――人間関係が上手くいかないという悩みも多く聞きますが、梶原さんの方で部下に対してケアしていることはありますか?

私は人見知りゼロの人間なので利用者の方とも職員とも誰とでも話せますが、若い職員の中にはコミュニケーションが苦手で話したくても話せないという子もいるんですよね。そういう子たちの気持ちを引き出すためには、ときには主任という立場から降りてくる必要があります。業務命令を出すときは上司の顔になりますが、それ以外の場面では、「こうしよう」ではなく「どうする?」と下の子たちと一緒になって考えてコミュニケーションを取っているつもりです。同じ職場で働いている以上、現場に出ているときは役職は関係ないと思っていますから。

――職場の人間関係は「辞める」に直結する場合も多いですよね。

人間関係が原因で仕事を辞めるのってすごくもったいないことだと思うんです。介護の仕事が嫌だなって思っちゃったらもう仕方がないですが…。それに、職場の人間関係が原因なら利用者の方は全く悪くないじゃないですか。だから、職員同士のトラブルをちょっとでも小耳にはさんだら、必ず自分がその話に介入しますね。わだかまりを次の日に持ち越さないように聞いたら即行動します。

――若手職員から相談を受けることもありますか?

最近の20代の子たちって自分からは言って来ないんです…。絶対に悩みを抱えているはずなんですけどね。だから、そこはしつこく「いや絶対何かあるでしょ? どんなことでもいいから言って」って聞きます(笑)。あと、かなりくだらないことでも拾うようにしています。やっぱり主任という役職を押し付けると若い子は何にも相談出来なくなるので、何もない日にくだけた話をしたり、男子の場合は更衣室で「今日どうだった?」と軽い感じで話しかけたり。普段からそういうことを積み重ねておくと、いざという時に相談しやすいと思うんです。

――そのような上司がいたら若い職員も嬉しいと思います! ちなみに体力面では若い方たちはどうですか?

今まで何をやってきたの? ってくらい体力のない人もいますね(笑)。確かにこの仕事は身体介護で常に体力を使いますが、職員それぞれ得手不得手があってしかるべきなので、体力がなくてもそれを否定することは言いません。体力には自信があるけどレクリエーション行事が苦手という職員だっていますし。職員同士フォローして何とかなっているのであれば、そして利用者の方に支障がなければ私は別に問題ないと思っています。

――梶原さんのお若い頃は体力的にキツかったことはありましたか?

1、2年目は腰を痛めていましたね。反省すると、自分よりあきらかに体格が小さい女性スタッフに介助を教わっていたからで、同じくらいの体格の男性に教わったら治りました。でも、実は3年前にヘルニアをやってしまって…(笑)。それがきっかけでボウリングをはじめ、毎週1、2回通うようになったんです。それで2年間続けていたら体力に限界を感じることがなくなりました! 筋力もついたし、体力もついたし、ストレスを感じることもいっさいなくなりましたね。今やボウリングが毎日の活力になっているので、どんなことがあっても楽しいです(笑)。

ボウリングは仕事終わりの楽しみ! ストライクだって今やお手の物

今後の目標

職員にとって楽しい現場にすれば、世間のイメージも変わるはず

――介護業界の課題はありますか?

この業界は人が本当に入って来ないんです。やはりイメージだけが先行して介護の本当の魅力が注目されず、世間的に「介護なんてやってもなぁ…」となっているのが理由ですよね。個人的にどうにかできる問題ではないですがね。現場が楽しくなかったらただのキツイ仕事だと感じやすいので、私に出来るのは現場を良くしていくことだけです。実際、私がプラチナ・ヴィラ 小平に戻ってから退職した介護職員は1人だけ。それに対しては自信を持っています。職員が楽しく働いていると、利用者の方にも伝わり、こちらが盛り上げなくても自然に利用者の方も盛り上がってくれるんですよ。

――厳しい仕事ほど明るい職場にするという考え方ですね。

フロアに「ガハガハッ」って笑い声が溢れる職場が良いですね。あとは、給料面で言うとちょっと複雑で、給料を上げるとなると結局入居費につながり、利用者の方が苦しくなってしまう。給料が安いと言っても私が入社した10年前に比べたらだいぶ良くなりましたけどね。ちなみに、私はこれまで3つの施設を経験して来ましたが、ツツイグループは給料をはじめ手当や待遇はとても良い方だと思いますよ。このことはぜひアピールしたいですね(笑)。その中でもとくにユニークなのが「プラチャン制度」というポイント制度。勤続年数でポイントが貯まるシステムで、ある程度貯まると旅行に無料で行けたりするんです。何万円何十万円分も貯まるので「こんなことに使えるの!?」とびっくりされるのですが、ポイントの特典は自分で選べるのも魅力のひとつです。

――今後の目標はありますか?

介護士として10年目とはいえ、この業界からすると「10年で何がわかるんだ」という風潮があるので、資格をもっと取りたいですね。今は介護福祉士のほかに、職員の評価ができるアセッサーの資格を持っているだけなので。この業界はとにかくたくさんの資格があるのですが、それを全部取ってやる! っていう気持ちでいます。あと、役職にはどんどん上がりたいと思っていますが、現場からは絶対に離れたくないんです。現場から離れたら、おそらく私はやる気がなくなっちゃうと思うので(笑)。ちなみに、介護とは全然関係ないことですと、プロボウラーの試験も絶対に受けたい! 介護業界にずっといるのでプロボウラーとして働くこと叶いませんが、現役介護士がプロボウラーってめちゃくちゃカッコ良くないですか? だから毎週必至に練習しています(笑)。

――最後に、梶原さんが一番大事にしていることは何ですか?

もうお分かりかと思いますが、明るく・楽しく・元気良く! です。これが出来ていれば何が起こっても大丈夫。トイレ介助で自分の服にちょっと汚れがついちゃっても笑っていられるんですよ。私の性格なのかもしれませんが(笑)。

【介護士のココが魅力!】

1.常に利用者と関わることが出来る
2.体力がすべてではない
3.笑いながら働ける

【編集後記】

介護業界の土台となる介護士は、「仕事内容がキツイのでは…?」というイメージを持たれやすい職種。けれど、梶原さんのお話を聞いていると、介護に対するエネルギッシュな姿勢に「あれ、どうしてキツイと思っていたんだっけ?」と不思議に思ってしまいます。梶原さんがこの仕事に大変さを感じずにいられるのは、「この仕事が好き」という気持ちが根本にあるからだけではなく、すぐに利用者様の立場で考えられる共感力や適応力を持っているからなのだと感じました。

▽#1はこちら▽
フロアにいる全員に1日1回話しかける 介護リレーインタビューVol.4【介護福祉士 梶原大和さん】#1>>

取材・文/佐藤咲稀(レ・キャトル)
撮影/山﨑裕一

Store Data

プラチナ・ヴィラ 小平

住所:東京都小平市鈴木町1-85-1
電話:042-349-3505
URL:http://www.platinum-villa.jp/kodaira.html#access

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